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目に見えにくい障害『高次脳機能障害』について
当ブログへ訪問していただきありがとうございます。
福岡県で理学療法士をしてますkenkenです*
日々のちょっとした疑問や曖昧なことに、"しっかりと向き合い"皆さんにとって有益な情報発信ができるようにお役にたてればと思います。
はじめに
高次脳機能障害とは、脳卒中後遺症の代表的な障害ではありますが、外から見ただけでは分かりにくく、周りの人から十分に理解を得ることが難しいとされています。
本日はその「見えにくい」障害が「見える」ように、以下にまとめていきたいと思います。
🔲 高次脳機能障害とは?
脳卒中などの病気や交通事故などで脳の一部を損傷したために、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいいます。
🔲 原因は何か?
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高次脳機能障害の最も多い原因は脳卒中で、次に多いのが、外傷性脳損傷です。
🔲 脳の働きについて
脳は大きく、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分けられます。
それぞれの部位で役割が異なります(下図)。
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真上から脳を見てみると、このように脳は左右で分かれます。
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皆さんがよく知っている話でいうと、左脳は優位半球、右脳は劣位半球と言われます。
左側の優位半球は「言語」に関わる場所で、右側の劣位半球は「空間認識」に関わる場所とされています。
そのため、脳の左右でどちらが障害されたのか、前なのか(前頭葉)、横なのか(側頭葉)などで出現する症状は多岐に渡ります。
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🔲 高次脳機能障害の種類と特徴
・記憶障害: 新しいことを覚えられない
・注意障害: 物事に集中できない
・遂行機能障害: 計画的に行動できない
・社会的行動障害: 怒りっぽくなる
・失語症: 言葉が出てこない、人の話を理解できないなど
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🔲 仕事をする際に見られやすい症状
・注意力の低下がある場合
仕事中に簡単なミスを繰り返すことで業務効率が低下し、会議中に話の内容を理解できないため、意見を適切に述べることが難しくなります。
・記憶障害がある場合
重要な締め切りや予定を忘れることで業務の計画性が損なわれ、仕事での指示を覚えられないことで業務の遂行が困難になります。
・言語障害がある場合
説明を受けても理解できないため、業務内容や指示の理解が難しくなり、言葉の選択や表現が困難なため、コミュニケーションが円滑に行えなくなります。
・判断力の低下がある場合
重要な意思決定が難しくなり、問題解決能力が低下することで業務上の課題に対処する能力が低下します。
おわりに
これらの症状を理解し、適切なサポートや環境の調整を行うことが、高次脳機能障害を持つ方の生活や仕事の支援につながります。
しかし、当事者だけですべて解決することは困難なことが多いです。当事者だけでなく、家族、職場、医療職種でのトライアングル連携にて疾患や障害についての情報共有と想定できる対策をしながら双方の歩み寄りや調整にて段階的な復職を進めていくことが非常に重要となります。
皆さんの日常生活に少しでもお役にたてたら光栄です🦥🍃
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