もうひとつの拠点の選び方 佐賀市が選ばれる理由にせまる!【前編】
佐賀市に拠点を開設したIT企業2社の狙いとは
佐賀市、人口約23万人の佐賀県の県庁所在地です。佐賀市は佐賀県の南東部に位置し、北は福岡市、南は有明海に面しています。市の北部地域は脊振山系の山ろく部の山林や清流が広がり、温泉地があります。中心部は明治期の日本の近代化を先導した「幕末維新期の佐賀」の歴史遺産が市街地の各所に残っています。各地域で違った環境があり、多様な魅力をもつ街です。
佐賀市では、近年IT企業の誘致に力を入れており、IT企業の先進地として注目を集めています。市内には「九州佐賀国際空港」があり、福岡市内にも電車で約40分と都市部へのアクセスも抜群。
今回は、佐賀市に拠点を開設したIT企業2社の代表にインタビューをさせていただきました。「佐賀市に拠点を開設したきっかけ」や「佐賀市拠点の展望」にせまります。
前編では「もうひとつの拠点の選び方、佐賀市が選ばれる理由にせまる」と題し、佐賀市の魅力や、佐賀市の可能性をおうかがいしました。
▼佐賀市に進出したIT企業2社を紹介
株式会社マリエッタ 代表取締役:神谷信吾さん(以下、神谷)
弊社は、主にAndroid、iPhone、PCソフトウェア開発を行っております。PCでもマルチデバイスのアプリケーションを主に作っております。現在従業員は50名程度で、もともとは東京のみにオフィスがありましたが、現在は佐賀県と福岡県にも拠点を構えています。
株式会社イーバイピー 取締役社長:松本拓之さん(以下、松本)
イーバイピーって、EXPって書くんですが、これはエンジニア×プログラマーと、experience(経験)を基にシステムを作るというコンセプトの名前の会社で、弊社も、IT企業、業務システムを主に作っております。電子帳票、文章管理といったパッケージの開発、販売、保守、運用までを一貫しておこなっています。昨年から静脈認証システムに取り組んでいて、形のないものから形のあるものの開発をおこなっています。
立地だけではない。ほどよい距離感が佐賀市の魅力
神谷:きっかけは成り行きだったんですよ、本当に。弊社の佐賀県出身のスタッフが出産のために地元に帰るために退職すると。今だとこのような発言してはいけないと思うんですが、冗談で、破水までは何とかしてくれないかって。今でこそテレワークとかありますけど、この話の5年前は、テレワークが成り立つかどうかもわからなくて。
正直、その場しのぎって言ったらダメなのですが、そのような状況でした。
私も若いころにフリーランスをやっていた時期があり、自宅で仕事をする時もありました。ただ、自宅だとどうしてもメリハリがつかない。だから、弊社では、安くてもいいからオフィスを借りようということで、アパートを借りました。
そのスタッフの出産後の話になるんですが、子守しながら仕事っていう環境で、思った通りに仕事が進まないというタイミングで、そのスタッフから「妹が今、手が空いているので子守の手伝いに来てもらっていいか」と言われ、ひょんなキッカケで、二人目の社員ができました。
私からも「少し仕事振ってもいいか、給料出してもらってもいいか、アルバイト料出してもらってもいいか」という話からどんどん膨れていったというような形です。なので、最初にお話しした通り、本当成り行きだったんです。笑
弊社では社宅制度を設けており、出勤時間で1〜2時間かけることは無駄だとは思っているんですね。成果主義なので、今でも在宅勤務制度をとっていますし、上限はありますが、交通費の代わりに家賃の半分を会社で負担する制度をもうけています。
弊社のような業界が、唯一特定の場所に行って物を触らなくても物が生産できる、場所を選ばないという考えがありました。なのに、仕事のためにわざわざ満員電車乗らなきゃいけないということにずっと疑問だったんですよね。
私が社長になってからも、従業員が満員電車に乗ることにお金を払うつもりはないので、どちらかというと移動にかかっていたお金を生活に回す、もしくは仕事の活力に回してほしいというようなコンセプトありました。
松本:私自身が大事にしていることが「タイミング」と「つながり」なんですよ。弊社のあるスタッフが福岡県出身で、どうしても家庭の事情で福岡県に戻らないといけない話があって。そこで当初は福岡県で事務所を探そうという話を進めていたんです。
意外っていうと失礼なんですけど、佐賀県って福岡県に近いんですよ。九州佐賀国際空港もあって、東京から一発で行ける立地。かつ、弊社の会長のふるさとに雰囲気が似ていたらしいんですよ。そういうご縁もあって、佐賀県も視野に入れようと。いろいろ検討している中で、今度つながりという点で佐賀市がIT企業の誘致に力を入れていた。
私自身は、人との距離感を大事にしたいんですよ。ぐっとこられるのも苦手ですし、離れるのも嫌い。佐賀市の方は斜め横、後ろぐらいにちょうどいる。振り返るといるぐらいの距離で接してくれるんです。なので、ほどよい感じのアドバイスや助言を頂けて。ふつうは、地元の良さをすごくアピールしてくれるんですけど、ぐいぐいこないっていうところも人柄という点で、とても気に入ったんですよね。
東京にいると、例えば行政の人と話すことなんてほとんどないですよね。佐賀市に来ると、いい距離でお付き合いができるっていうのがすごく心地よいですね。実は、佐賀県がいいねってなった段階で、佐賀県内の他の自治体も見て回ったんですけど、九州佐賀国際空港からも来られますし、実は長崎空港からも来られる。私自身、両親が長崎出身なので、長崎に行くときに佐賀は通過するところだったんです。だから佐賀のことは、あまり知らなかったんですけど。あれ、佐賀市って意外と行きやすいぞって分かってきて。
弊社の事業でパッケージ販売などをやっているので、保守があるんです。私たちはIT企業なので、さきほど神谷さんがおっしゃられたように、物がないのでどこでもできるなので、タイミングと繋がりで佐賀市にしようって思いました。
東京の延長線ではない、佐賀市だからできるチャレンジを
神谷:本当にコストのことは本当に考えていなかったです。東京と差をつけるという発想はなかったです。それこそ場所は関係ないので。
松本:弊社で考えたコストは「維持費」ですね。例えば、東京で事務所を建てるとなると、とてつもない費用がかかるんですよ。あとは、東京の延長線になるのが嫌だったんですよ。要するに、佐賀市でしか起こせない事業を起こしたいと思っていたので、ちょうどよかったんですよね。
先ほど言った通り、保守チームを作りたいという思いがありました。そこだけだとおもしろくないので、実は今、佐賀市内に工場を建てようと思っています。保守っていう、ある種決められた業務プラス、新しいことをやっていくというワクワク感って大事にしたいんです。社員に対して「こういうことやろうと思ってんだけど」「こういうことやっていきたいと思うんだけど」っていう相談できるような関係性を佐賀市の拠点ではつくっていきたいですね。
想定外で言うと、まず佐賀の方ってすごく真面目な方が多いです。採用説明会をやったときも、例えば、説明が終わって「面談が終わった方は順次帰られていいですよ」って言ったんですけど、みなさん残っていたんですよ。なので、ずっと私しゃべってたんですよ。笑
弊社にご縁があって入社してくれた方も、すごく一生懸命で、真面目にがんばってくれています。想定外は真面目すぎるところですかね。
あとは、採用関係で言うと、採用する学生に説明すると言うよりは親御さんにしっかりと説明にしないとダメだなっていうのはすごく想定外でしたね。親御さんに知ってもらえないと、なかなかイーバイピーっていうところに向いてくれないっていうのは想定外でしたね。
続きは後編へ
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