マーケティングは世界を良くする可能性があるんじゃないか。
商品が良ければ売れるわけではない。一方、良いマーケティングをすれば売れることが多い。
次の2社があったとしたら、成功する可能性が高いのはどちらの会社でしょうか?
①良いものを作っているけどマーケティングが下手な企業、
②製品は凡庸だけどマーケティングがしっかりしている企業、
回答は間違いなく「②」。
製品自体はそんなに大したこと無くても、顧客の認知を獲得出来たり、製品の特長を正しいターゲットに適切なタイミングで届けることが出来たら、販売出来るチャンスは圧倒的に多くなります。
一方で①の良いものを作っているがマーケティングに力を入れていない企業はどうでしょうか。
「一度使ってみてもらえればウチの製品の良さがわかる」「一度食べてもらえればウチの野菜のおいしさがわかる」という企業は多いと思いますが、マーケティングを適切に行わないと、大抵の人には、その「一度」は一生実現しないことも多いのが現状。こうなると、当然、売れません。
ビジネスにおいては、優しさ<マーケティング
では、続いて次の様な2社の比較をします。
①消費者なんてどうでも良いが、マーケティングはしっかりやる
②消費者の事を考えて商品を作っているが、マーケティングは出来ていない
このケースでも、正直お金を儲けることだけを考えている企業①の方が売れて、消費者を大事にしている企業②の方は売れないことも多いと思います。
倫理的に考えると、こんなことは間違っている、と言いたくなりますが、
弱肉強食のビジネスの世界ではこんなのは当たり前のこと。商売においては、売上を上げることこそが正義。それに向けて適切な取り組みを行い結果を出せていない時点で、残された道はマーケットと言う戦場から去るのみです。
この考え、マーケターの立場から言えば正しいと思います。
「こんなに良いものを作ってるのに全然売れない・・・。」
「なんでみんなうちの商品の良さを分かってくれないんだ~!」
「なんで、うちの製品よりもクオリティの低い他社の商品の方が売れているんだ!こんなの間違っている!」
なんて言うやつはいないと思いますが、もしいたとしたらマーケティングなんてやめちまった方がいいですよね。それを売れる様にするのがオメーの仕事なはずです。私もマーケターのはしくれとして、こういう考えは持たない様に心がけています。
でも、ふと仕事を離れた時に思うんです。
マーケティングが上手い=声がデカイ人ばかりが得をして、
マーケティングが下手=声が小さい人が損をする
そんな世の中で本当に良いのでしょうか。
口下手でも、声が小さくて、よくわからない人だなー、と思っていたけど、
ふとしたきっかけがあってじっくり話をしてみると、
深い考えを持っていたり、凄く思いやりがあるのに気づき、
見る目が変わったということは無いでしょうか。
同じ様に、世の中には知られてはいないけれど、
多くの人を救ったり、幸せに出来る様な、素晴らしい商品やサービスを
作っている企業・人もたくさんいるんじゃないでしょうか。
マーケティングは世の中を良くする力があるんじゃないか。
大して良くないものでも、適切なマーケティングをすればある程度売れます。でもそれで日々の生活がより幸せになることは少ないはずです。
一方、良い商品やサービスの中には、人を幸せにする力があるものが多く存在します。
であれば、良い商品・サービスがより多くの人に届く様に出来れば、社会全体の幸福度が上がることに繋がるのではないでしょうか。
私はマーケティングが好きです。
商社でマーケティングに深く関わる仕事をしていますが、学んだことを仕事で活用すると必ずと言っていいほど成果があがるのが気持ちよく、仕事以外の時間もマーケティング関連の読書をしたり動画を見たりするのを趣味にしています。ようやく見つけた自分の天職だと思っています。
ところで、ビジネスには「利己的」なものと「利他的」なものがあると思います。
マーケティングはもちろん「利他的」なビジネスにも使えますが、残念ながら「利己的」なビジネスも成功させてしまいます。そして「利他的」なビジネスをしている人はマーケティングに弱いことが多いのが現実だと思っています。
自分は「利他的」なビジネスをサポートできるマーケターになりたい、そんな風に感じこの文章を書きました。
最後まで読んで頂きありがとうございました!