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包丁研ぎの勉強会
まだ開業準備でバタつくほど忙しわけではないが何かと毎日スケジュールが埋まっていて楽しい日々を過ごしています。
そんな中広島の老舗洋食屋さん「広亭タナカ」で包丁研ぎの勉強会があった。
講師は日本包丁研ぎ協会代表理事で月山義高刃物店の三代目藤原将志さん
この日のためにわざわざ東京から広島まで足を運んでくださった。
講義内容は藤原さんが本当にしっかり考えて形にしたものだと思うので
僕がベラベラ喋るようなことでもないのでほんの少しだけ。
藤原さん曰く包丁研ぎは研ぎの技術が上手い下手よりも大切なのはもっと根本のところ。
「砥石の面を平らに保ち包丁の状態を理解した上で砥石を使い分ける。」
要は包丁を切れるように修理(研ぐ)したかったら包丁のことをもっと知っていないと治すことできないよーってことと、
治すには包丁のどこをどう見てどこが悪いのかを把握しなければいけないよーってことだった。
疑問を持つこと
藤原さんの講義は座学での3時間以上の講義にほとんどが詰まっていて、本当に丁寧に説明してくださる。
藤原さんの素晴らしいところは3つあって
1、常に「なぜ?」がある
2、常識を疑って自分の新たな常識を作る。
3、好奇心や探究心が包丁研ぎだけに留まらない。
常に「なぜ?」がある
藤原さんは説明するときのフォーマットは
「これはこうして下さい」→「なぜかと言うと~」
「ここを見るときはこう見てください」→「なぜかと言うと~」
「この包丁はこの角度で研いでください」→「なぜかと言うと」
ほとんどすべての説明のときにこの流れで説明してくださる。
人に伝えるにあたってすべて自分の「こうあるべき!」というラインがあってそれを自分の経験と確認によって確立していて尚且つ言語化できていた。
常識を疑う
自分に浮かんでくる疑問に自分のアプローチで解決していくのも藤原さんの凄いところで刃物業界では当たり前とされている常識を全て疑って自分に出来うる研究方法を自分で編み出して解決していた。
人を認めることももちろん大切なのだけど常に「そもそもこのやり方あってんの?」っていう「そもそも論」は前に進むための大切なフレームワーク。
好奇心と探究心
藤原さんのさらに凄いところは溢れる好奇心だと感じた。
講義では包丁研ぎの話だけに留まらず
魚の熟成の話
触れる物質によっての香りや味わいが変化
もちろん包丁に通じる話なのだけれど自分の専門じゃない分野の話もとても詳しかった。
それもそのはず、東京で包丁研ぎを教えている相手は超有名シェフや寿司職人の人たちばかりだった。
好奇心旺盛でものごとの掘り下げ方が半端ない人は突き抜けてる。
実技講習
3時間以上にわたる座学での講習後はいよいよ実際の包丁研ぎ
各々自分の研ぎたい包丁を研いでいく。
ってかこの包丁をマジで凝視している写真めちゃくちゃ集中している笑
撮られていたのに気付くわけない。
楽しすぎたからまぁこうなる。
藤原さんの説明通りに研いでいくと面白いぐらいに頭の中で描いている包丁のシルエットに研ぎ上がっていく。
切れ味も言わずもがな。
研ぎ上げた包丁で胡瓜を試し切りしたのだけどもう今までの研ぎ終わりの試し切りから2ランクぐらいアップしたような切れ味でストレスなく胡瓜に包丁が入っていく。
切った断面を意識しながら胡瓜を口に入れると断面がツルツルで滑らか極まりない。
味わいは胡瓜の青臭さや苦さよりも甘みが際立つ!
もう胡瓜に包丁が入っていく感覚が楽しくてしょうがなかった。
今回の藤原さんの包丁研ぎの講義では「研ぐ」ということはもちろんのこと
「疑問を持つこと」「常識を疑うこと」「好奇心を持つこと」の大切さに改めて気づかせてもらう機会になった。
自分自身も料理をしていて意識をしていても知らず知らずに教科書通りの工程を踏んでることがある。
「そもそも本当にこれでいいんだっけ?」「もっといい方法はないかな?」
これを僕は自分のチームで共有したいし、自分の周りの仲間とも共有したい。
人との出会いによって成長がある。
意識が高いも低いもないし経験が高いも低いもない、もちろん年齢も関係ない。
食を通していろんな人と素敵な景色を作りたい。