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だから僕は会いに行く

広島には瀬戸内海に浮かぶたくさんの島がある。その一つである江田島に開業時から働いてくれる予定のチームの二人と一緒に行ってきた。

今回の江田島では牡蠣、江田島のオリーブオイル、トマト、お店で使う器を陶芸家の若狭さんにオーダーするのが目的。

江田島の「かなわ水産」は日本の有名レストランも扱う牡蠣業者さん。大黒神島という無人島が近くにあり生活排水の混ざらないキレイな海で牡蠣が育っているのが特徴です。

牡蠣の餌は海そのものなので海水がキレイさが牡蠣の味に大きく関わるという至ってシンプルな方程式で成り立っている。

足を運んで人や環境を知ること

かなわ水産の牡蠣を取り扱うには基本的には現地に足を運んで実際にかなわの牡蠣や設備や環境を見た上で取り扱うか決めてもらっているそうだ。

拘ってものづくりをしているからこそ牡蠣が一番美味しい状態である海の上でその味を理解してもらって、できる限りその味に近いものを最終的に食べる人の口に届けたいという強い想いが伝わってきます。

そしてきっと自分たちの大切に育てた牡蠣をどんな人が使ってくれるのかも見たいのだと思う。

僕はもう何度もかなわ水産には足を運んでいるのだけれど今回来たのは自分のお店で一緒に働くスタッフにも自分たちの扱う食材のこと、その環境、そしてどんな人がどんな想いで育てているのかを共有しておきたいから。


自分たちの使わせてもらう食材は常にそれを育ててくれた人たちを介して僕たちのもとに届く。インターネットが発達した今の世の中ではボタン一つで簡単に注文もできるんだけれど僕はやっぱり「この人の作ったこれを使いたい」というのを大切にしていきたい。


海上で牡蠣を

とても天気の良かったこの日。ボートに乗せてもらって海へ。


かなわの弘太郎さんは僕と同世代でとても無口な好青年なんだけどボートで牡蠣のことを話し始めると牡蠣のことを熱く語ってくれる。

牡蠣筏↑

そして実際に牡蠣をその場で食べる

これはヴァージンオイスターという産卵していない親指の爪ぐらいの大きさの牡蠣。

とても小さな牡蠣なんだけどこの小さな牡蠣を口に入れるとキレイでとてもピュアな味わいが口一杯に広がる。

この場所でこの味を感じて、この牡蠣に想いを込めて育てている生産者さんの話を聞いた僕たちはこの生産者さんたちの想いも背負って料理することになる。

この人たちに恥じない仕事をしたいしこの人たちの想いやこの場所の景色さえも食べる人に届けたい。

僕が広島の宮島口でお店をするのは「そこに足を運ぶ価値のあるものを作る」ため。
自分の生まれ育った大好きな広島で日本全国、世界から足を運んでもらえるようなお店を作りたいって思ってる。

だからこそクオリティが高くても僕はフランス産の鶏を使うより広島や日本の生産者の美味しい鶏があったらそっちを使う。

誰かを介してコミュニケーションを取りながら食材そのものを良くしていける可能性があるからだ。

コミュニケーションが生まれたところには必ずストーリーが生まれる。そのストーリーは食べ手に物語として語ることができるしそれを語ることで食べる人はその情景やその生産者さんを思い浮かべてくれるかもしれない。

有名なブランド食材もいいけれど「そこでしか食べれないもの」にはそれにも勝る思い出が生まれると僕は思ってる。
だからこそできる限り足を運んでその「人」を知りたいのだ。

そして僕一人ではなくてそんな僕の想いに共感して集まってくれたこの二人とそんな想いを共有したいしレストランというプラットフォームで「ゲスト」「生産者」「料理人」から生まれる素敵な景色を一緒に見たいし作りたい。

僕の作るお店ではあるけれどこの二人が輝けるステージにしたいし、将来この二人が自分の目標に迷わず突っ走れるように難しいと言われる道を進んで道をこじ開けて行く。

さぁ覚悟を持って進もう。

#生産者 #開業準備 #料理 #人と人 #コラム #ブログ


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