堀田先生のコメント('24/12/15)への回答
私のnote記事(以下,『中平記事』とよびます)
に対して,堀田先生が次のnote記事の最後のほうでコメントされています。
念のため,主要なことを回答しておきます。なお,『中平記事』と同じ用語を用いることにします。
主な回答
堀田先生:最終だと勝手にご自分でおっしゃっていた中平氏が、また下記のnoteを出されてました。
中平の回答:ほかの人から,「中平の主張が正しいように思えるけれど,その主張をもっとわかりやすく説明できないか?」といったご要望をいただきました。このご要望に応じるため,『中平記事』にて過去の記事を読まなくても私のメインの主張が伝わるようにていねいに説明することにしました。
堀田先生:上でも引用をした彼の記事の下記の部分において、2準位系の場合には状態空間がブロッホ球と同型である前提は妥当とはっきりと書かれて、それをもとに状態空間が2次元密度行列の空間であるとご自分で主張されていることを、全く忘れられていると思われます。
(中平の記事の引用:省略)
何故妥当なのかについて、彼の更新されたnoteでは全く触れられていません。私の主張を認めることになるため、まるで意図的に避けられているようにも見えます。この私のnoteでも述べたように、「状態空間は2次元密度行列の空間」という主張を、物理として私自身は妥当だと考えているので、中平氏もご自身が書いた文章どおりに妥当だと思われているならば、また1つ争点は消えていると考えます。
補足:「上でも引用をした彼の記事」に,該当する記事へのリンクを張りました。
中平の回答:該当する私の記事では,本件の議論,つまり「『前提』を満たすような非量子論が存在するか否か?」という議論はしておらず,別の議論をしています。このことは,この記事の公開日が22年8月13日であり,堀田先生が初めて『前提』を明らかにされた日がきっと22年8月15日(参考)であることからも,ほぼ明らかでしょう。私が触れていない理由は,単に本件の議論とは異なるためです。
堀田先生:2準位系でも「『前提』を満たさない非量子論はないとは主張をしていない」と、今回中平氏は私の指摘とは関係ない主張をしています。実際には彼が言う「非量子論」は、このnoteの(9)式の対応で、物理として2準位系の量子力学と本質的に同じであるという私の指摘も全く無視されています。その「非量子論」でも、その全ての実験結果はきちんと2準位系の量子力学の体系で記述できるのです。(9)式の対応は、私の5つの前提を満たす場合に3準位系やより多準位の系でも存在します。
中平の回答:ひょっとして,堀田先生のご主張は,『中平記事』で述べた3準位系$${X}$$(および『中平記事』で「4次元理論」として紹介した2準位系$${X'}$$)は量子系であるため,反論になっていない,ということでしょうか?(もし違っていたら,解読不能でしたのでご指摘ください。)
もしそうだとすると,そもそも私の反例である「論理的な穴:その3」のポイントを理解されておらず,おそらく量子論導出におけるごく基礎的な知識が不足しているように思われます。この3準位系$${X}$$は,記事中で述べたように量子系ではありません(つまり,$${\mathbf{St}_X \cong \mathsf{Den}_3}$$を満たしません)。同様に,系$${X'}$$も量子系ではありません。「その全ての実験結果はきちんと2準位系の量子力学の体系で記述できる」と仰られていますが,これは間違っています。『中平記事』の「系$${X}$$が3準位系であることの確認」と「補足:系$${X}$$と量子3準位系との違いについて」の箇所を読んで,内容を理解されることを強くおすすめします。
追記(堀田先生からのさらなるコメント)
この記事の公開後に,堀田先生からさらなるコメントをいただき,次の記事にて回答しました。