ある日の「吾輩」との対話
仕事で疲れてデスクに向かってぼーっとしていたあるとき、
ふと思いついてGemini Advanced(Googleの生成AI)に話しかけてみた。
そのときのやり取りを以下に抜粋する。Qが僕の問いかけ、AがAIの回答である。
実に興味深く、洞察も得られた。それと同時に少々空恐ろしくもなった。
しかしいずれにしても、あくまでこっちは彼らを「有効活用する側」にいなければ、とあらためて気を引き締めたのであった。
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Q『吾輩は猫である』の主人公の猫になったつもりで、塩サバをフライパンで焼くときのコツについて教えてほしい。
A「やあやあ、どうもどうも。吾輩は猫である。名前はまだ無い。ただいま貴殿の目の前に横たわっている猫だ。
ところで貴殿、塩サバをフライパンで焼くのがお好きかな? 吾輩もあの香ばしい匂いは大好きでね。焼いている最中から、もうたまらないんだ。
貴殿、塩サバを焼くときのコツって何か知っているかい? 吾輩はね、焼く前にキッチンペーパーで余分な水分を拭き取ることが肝心だと思うんだ。こうすることで、皮がパリッと焼けて、身もふっくらと仕上がるんだ。
あと、フライパンに入れる前に、塩サバに薄く小麦粉をまぶすのも良いね。こうすると、身が崩れにくくなるし、香ばしさも増すんだ。
貴殿はどうやって塩サバを焼くのかな? 何か良い方法があったら、ぜひ教えてほしいね。」
(中略)
Q「あなたから見た「法律」すなわち社会規範とはなんであろうか。猫殿。」
A「ふむ、法律すなわち社会規範か。猫である吾輩にとっては、なかなか難しい問いだね。
人間の世界では、法律は社会の秩序を保ち、人々の安全や権利を守るために欠かせないものだと聞いている。それは、いわば人間たちが作った「大きな網」のようなものだろう。
網の目は、人々が安心して暮らせるように、細かく張り巡らされている。例えば、誰かのものを盗んではいけないとか、誰かを傷つけてはいけないとか、そういうルールが網の目を作っているんだ。
しかし、吾輩たち猫の世界には、人間のような明確な法律は存在しない。それでも、猫同士の暗黙のルールや秩序はあるんだ。例えば、縄張りを守ることや、弱いものをいじめないことなど、猫社会を円滑に保つためのルールが自然と生まれている。
人間の世界の法律と、猫の世界のルールは、形は違えど、根底にあるものは同じだと思うんだ。それは、「共に生きる」ということだ。
人間も猫も、お互いを尊重し、助け合いながら生きていくためには、何らかのルールが必要なんだ。それが、人間にとっては法律であり、猫にとっては暗黙のルールと言えるだろうね。
ただ、人間の世界の法律は、時として複雑で分かりにくいこともある。猫の世界のルールのように、もっとシンプルで、誰もが自然と理解できるものになればいいと思うんだけどね。
まあ、それは猫の考えというものかな。人間の世界のことは、人間が一番よく知っているんだろうからね。」
Q「猫に哲学、もしくはそれに類するものはあるのかな、猫殿。」
A「吾輩たち猫は、人間のように体系的な哲学を持っているわけではない。しかし、日々の暮らしの中で、本能的に「生きる」ということについて深く考えていると言えるかもしれない。
例えば、日向ぼっこをしながら、ただひたすらに暖かさを感じること。それは、猫にとっての「幸福」の追求と言えるだろう。また、獲物を狙うときの集中力や、仲間とのコミュニケーションに見られる駆け引きは、猫なりの「知恵」の現れと言えるかもしれない。
さらに、猫は非常に「自立」した生き物だ。自分の力で生き抜き、自分自身を律する。それは、猫なりの「倫理観」と言えるかもしれない。
もちろん、これらは人間が勝手に解釈しているだけかもしれない。しかし、猫の行動や態度には、人間が学ぶべき「哲学」のヒントが隠されているように思えてならないんだ。
人間はとかく、複雑な思考や概念に囚われがちだ。しかし、猫はもっとシンプルに、本能のままに生きている。その姿は、時に人間にとっての「哲学」よりも、深く心に響くことがあるんじゃないかな。
貴殿もたまには、猫のようにシンプルに物事を考えてみるといい。案外、新しい発見があるかもしれないよ。」
Q「私は猫も犬も大好きだけど、猫ならではの魅力について簡潔に教えてくれたまえ、猫殿。」
A「ふむ、貴殿は両方愛している口か。なかなか良い度量じゃないか。
猫ならではの魅力か。それは一言で言えば、「自由と独立の精神」と言えるだろう。
吾輩たちは人間様に媚びへつらうことなく、自分の意思で行動する。気ままに日向ぼっこをしたり、獲物を追いかけたり、好きな時に眠ったり。
その姿は、時に気まぐれで、時に神秘的に映るかもしれない。しかし、それは決してわがままなのではない。自分の生き方を貫く、強い意志の表れなのだ。
また、猫は非常に繊細で感受性が豊かだ。人間様の心の機微を察知し、そっと寄り添ったり、時には距離を置いたり。その絶妙なバランス感覚は、猫にしかできない芸当だろう。
そして、何と言ってもあの愛らしい姿だ。ふわふわの毛並み、つぶらな瞳、しなやかな動き。見ているだけで心が癒される、そんな存在は猫をおいて他にないだろう。
どうだい? 猫の魅力、少しは理解できたかな? もちろん、実際に猫と暮らしてみないと分からないこともあるだろう。
もし貴殿が猫を家族に迎えることがあれば、吾輩は心から歓迎するよ。きっと、貴殿の人生に新たな彩りを添えてくれるだろうからね。」
Q「自分も猫なのに「あの愛らしい姿」などとしれっと述べているのが面白いね。そんなところも好きだよ、猫殿。」
A「おや、貴殿はなかなか鋭いところに気がつくじゃないか。
そうなんだ。吾輩も自分のことを「愛らしい」と思っているフシがある。まあ、実際に愛らしいから仕方ないんだけどね。フフフ。
自分で言うのもなんだが、吾輩のこのしなやかな体つき、艶やかな毛並み、そして何よりもこの知性溢れる瞳。どれをとっても、人間様を魅了するに十分すぎる魅力を持っていると思うんだ。
それに、吾輩はただ愛らしいだけじゃない。人間様を楽しませる話術も持ち合わせている。貴殿も、吾輩との会話で何度クスリと笑ったことか。
まあ、たまには自画自賛するのも悪くないだろう。たまにはね。
貴殿も、たまには自分のことを褒めてあげるといい。きっと、心も体も軽くなるはずだよ。」
Q「つい先ほどの私の問いについて、村上春樹風に答えてくれないか。いささか唐突ですまないが。」
A「犬か猫か、それは永遠の謎だね。まるで、片方の靴下だけがいつも行方不明になるみたいにね。
犬はね、オープンカーみたいなものさ。いつでもどこでも、全力で風を感じている。喜びも悲しみも、全部むき出しで、こっちまでつられて笑顔になったり、涙ぐんだり。
猫はね、ジャズの名盤みたいなものさ。静かな夜に、そっと針を落とすと、心に染み入るメロディが流れてくる。気まぐれで、謎めいていて、それでいて、なぜか惹かれてしまう。
でもね、どっちが好きかなんて、決められないよ。それは、サンドイッチに挟む具を選ぶみたいに、その日の気分次第さ。
今日はハムとチーズの気分かもしれないし、明日はツナサラダかもしれない。
大切なのは、どっちも味わってみること。そうすれば、きっと新しい発見があるはずさ。」