内生的、外生的な通貨発行とは。
「中央銀行券は兌換であれ、不換であれ内生的な信用貨幣であるの に対し、政府紙幣は信用関係を伴わない単なる不換紙幣であり、政府による外生的なフィアット・マネーである。」滋賀大学経済学部 Working Paper No.126 2010年3月 中央銀行券の債務性と政府紙幣の特質に関する研究(小栗 誠治)
この定義にすべてが凝縮されているので解説する。
・市中で銀行が貸出すと、内生的発行。
銀行 現金預金 1 / 預り金 100
貸付金 100 借用金 1
中銀 貸付金 1 / 当座準備預金 1
・政府が政府貨幣を発行すると、外生的発行。
政府 政府貨幣 100 / ー
中銀 政府貨幣 100 / 政府預金 100
政府 政府預金 100 / 政府歳入 100
(通貨発行益)
外生的発行の場合には、政府貨幣はいったん中銀の見返資産にされて、政府預金には中銀の銀行券が計算通貨として付与され、政府歳入(通貨発行益)となる。