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2週間で国内4都市を出張したビジネスパーソンの生活と出張メシ 〜出張は旅行ではない、戦いだ〜 【前編】

タイトルの通り、立て続けに出張が入り、盛りだくさんだった2週間が終わりました。

私にとって忙しいのは全く苦ではなく、むしろ沢山仕事があってありがたいといつも感じています。

あれは大学生の頃。(急にすみません。)

卒業がかかった最後の試験でまさかの落第点!すなわち、留年の危機!

就職先も決まっているので、勝手ながら「嘘でしょ??」という心境。

卒業がかかった学生には、本試験がダメでも再試験が受けられる救済制度があるのでもちろん受けたのですが、何とも手応えがない。

「やばい」

今どきのようなポジティブな「やばい」ではなく、リアルな「やばい」。(←もはや何のことか分からない。)

結果が出る前に出来ることは…と考えて、レポートを出すことに決めました。

もちろん勝手に。

その科目についてのレポート(恐らく今思えば大した質ではない)を書き上げて、教授の研究室に向かうも、教授は不在。

近くにいた大学院生に尋ねると、教授は近々研究室にはいらっしゃるとのことだったので、固く閉まっているドアの下の隙間から

「シュッ!」

とレポートを滑り込ませ、帰宅。あのレポートを入れた封筒と冷たい研究室の床との乾いた摩擦音は決して忘れるこのはないでしょう。

画像はイメージ。ChatGPTで作成。

しばらく心ここに在らずな日々を過ごして、いよいよ再試験の結果発表の時。

合格

レポートの効果だったのか、そもそも再試験の出来が良かったのかは分かりませんが、何とかその科目の単位を取ることが出来て、無事に卒業することが出来ました。

苦手意識のある科目ではなかったので、最初の試験で不合格だったのは不本意でしたが、とにかく卒業することが出来てホッとしました。

余談ですが、学生数の多い大学なので、卒業式では修了証書の授与は学生番号別に、部屋も別れて行われるのですが、私の担当はたまたまその再試験だった科目の教授。

修了証書に記載された私の名前に気づいた教授のニッコリ微笑んだ、少しイタズラな表情も混じった顔は今でも忘れられず、「卒業していよいよ働くことが出来ることに感謝をして生きていこう」と心に誓ったのでした。

ですので、「仕事で忙しくて嫌だとか、疲れた、なんて決して言わないぞ」と、その時に決めて、約20年経った今でも仕事に取り組んでいます。

「疲れた」は、つい言ってしまいますが。

さて、前置きがとっても長くなりましたので、出張メシについての本編は前後編に分けたいと思います。

出張メシではやはり現地のものを食べたくなりますよね。訪問先の方も意識的に現地の名物が食べられるように意識してくださいますので、今回は特徴的なものを中心にご紹介します。

尚、会食などで写真を撮っていない食事も多いので、ピックアップしたものだけとなりますし、時系列もあえて変えていたりもしますので、ご了承ください。

月曜  午前 東京、午後 名古屋、夜帰宅
火曜  終日 東京
水曜  終日 東京
木曜  朝から静岡、焼津で会食の後、宿泊
金曜  静岡県内で他社訪問し、夜帰宅

土曜  休み(都内に終日外出)
日曜  休み(江の島に終日外出)
  ↑前編
  ↓後編(予定)
月曜  朝から札幌、すすきので会食の後、宿泊
火曜  北海道内を周り、夜に福岡入りし、会食の後、宿泊
水曜  福岡でミーティング、夜帰宅

木曜  終日 東京で全国会議、夕方に抜け出し、他社との重めの会議の後、会食
金曜  ほぼ終日他社を集めてのイベント、夜は立食パーティ

今回のスケジュール(ざっくり)
太字が出張の部分

それでは本編スタートです。


1.旅の始まりは名古屋の老舗酒場から

(1)老舗酒場で味わう鮮魚とどて煮の饗宴

その日は朝東京で仕事をして、お昼から名古屋へ移動して日帰りの予定。

全ての始まりは品川駅から。

お昼ご飯は新幹線の中でメールをチェックしながらおにぎりを頬張りました。

新幹線は広くて快適なので、もう少し乗っていたい所ですが、東京↔︎名古屋間はあっという間ですね。

名古屋に到着。

この日の東京は10℃を超えていましたが、名古屋周辺は7℃程度で風も強く、大変寒く感じました。

名古屋では度々超有名酒場の「大甚本店」にお邪魔することが多いですが、今回は別のお店に行くことに。

ネットで見ても、人気のある老舗酒場が伏見にあるとのことで行ってみます。

お店の名前は「一位」。

縁起の良さそうな名前のそのお店は、御園座の近くというロケーション。地下鉄伏見駅からも歩いてすぐです。

御園座の横にある御園通から曲がった通りの路地の先に位置する。

ですが路地に入った、更に先にありますので、知らないとなかなか行けませんね。

路地の先にほんのり灯りが!
近くに行くと、良店の雰囲気が見事に漂う。

店内は基本予約でいっぱい。

ここでは鮮魚を注文するのが良さそうなので、この日のオススメであるサワラの炙りと、併せてどて煮、阿波尾鶏の炙り焼きを注文。

お料理がどれも本格的で美味しい。

サワラはほろほろ柔らかく、炙った香りが香ばしく、どて煮は名古屋に来たことが、改めて一瞬にして感じられる一品。

店員さんたちもキビキビとしていて、お店の雰囲気も楽しめます。

(2)とんやきで心も体も温まる

一位を後にして、更に向かった先は、円頓寺商店街に鎮座する「とんやき」発祥の名店「上野屋本店」

この店構えに、酒場好きは吸い込まれていく。

とんやきとは豚の大腸の串焼き。カリッでもなく、脂っこいわけでもない、その絶妙な中間地点の食感。

一口食べると心地の良い脂の甘みが口いっぱいに広がります。

右がとんやき。
おかわり。

串かつはもちろんみそで。サクッとした串かつを、さっとどて煮のタレに絡ませた味は、中々名古屋以外では出会えない味わい。

串かつは味噌が基本。

こめかみとさがりの串を頼んだら、ガーリックパウダーが出てきて、これがまた魔法の粉のように味が変わり、美味しかったです。

どちらかがこめかみ、どちらかがさがり。
どちらも美味しい。
ふわふわのガーリックパウダー。

レモンサワーも美味しく、店員さんも接しやすい名店。名古屋には伝統的な酒場が色々あって素晴らしいですね。

豚ばら軟骨煮込みはとろとろ。
レモンサワーにもよく合う!
上野屋本店から名古屋駅は酔い覚ましに良い距離感。
徒歩で行けます。


2.静岡で味わうマグロと静岡おでん

(1)漁港の町、焼津の活気

2日間滞在した静岡。この日はいずれも16~18℃と、春のような暖かさ。

新幹線からは富士山もくっきり。

静岡ではいくつかの場所を周り、そのうちの一つがカツオやマグロで有名な漁港の町、焼津。現地でも人気のお店で一杯やることにしました。

焼津駅前の足湯。
写真を撮った時はまだ朝が早かったので準備中。

この時期はカツオがなく、マグロ。
(もちろんカツオを出してくれるお店もあります。)

上品な盛り付け。

お刺身は少人数向けに小さいサイズでもオーダーが可能でした。

赤身と少しトロっぽい部分に分かれていて、どちらもそれぞれ異なる美味しさが溢れています。

「海つぼ」も注文しました。
海つぼとはばい貝のことだそうで、肝の旨みと苦みが絶妙です。

5個の内、肝は3勝2敗。

カツオはへその串がありました。

手前がカツオのへそ。

カツオの心臓を串焼にしたもので、焼津ではよく食べられており、お店によってはバター炒めなどのメニューもよく見かけます。

焼津の別のお店で食べたへそのガーリック焼き。
静岡なので、お茶割りもとても美味しい。

焼津駅周辺では地のものを出してくれるお店も多いので、是非旅行でも行きたいですね。

焼津駅前には天然南まぐろの自販機まである。


そしてこの焼津には焼津漁港と、小川漁港の2つがあります。ちなみに後者は、コガワと読むそうです!

天気が良いと小川漁港からくっきり富士山が望める。

お昼にはこの漁港で海鮮丼を頂くことができます。市場のすぐそばに食堂があり、旅行客だけでなく、地元の人や市場で働く人でお昼時は賑います。

この感じがまた良い。
店内はまさに食堂。

名物と書かれた海鮮丼は色鮮やかにさまざまなネタが乗っています。しっかりと酢飯で作られており、ネタの旨さをダイレクトに味わえるのが特徴。

このビジュアル!漁港の海鮮丼。

店内は大漁旗も掲げられていて、漁港の雰囲気を楽しみたいなら是非小川漁港へ!コガワですよ!

大漁旗が雰囲気を盛り立てる。


(2) 静岡シティにある全国的な名酒場

ネットや雑誌で老舗酒場の特集があれば必ず選ばれる名店が静岡駅近くにあります。

徳川慶喜公のお屋敷跡のすぐ近くにあるのが「多可能」。「たかの」と読みます。

雰囲気のある店構え。パルコのすぐ横というのもすごい。
こちらが徳川慶喜公のお屋敷跡地。

早い時間から賑わうこちらのお店では、溌剌とした大将の接客が心地良いです。

静岡麦酒お飲みながらお店の雰囲気に酔いしれる。

鮮魚はその時旬のもののみをメニューに載せており、今回はマグロをいただきました。濃厚な味はビールが進みます。

美しい盛り付け。

静岡おでんも美味。

優しい味わい。

カツオの粉末と青のりがかかったおでんは、出汁の味が染みて、寒い時期にはピッタリです。

静岡に来たら名物の黒はんぺんも食べないといけません。お土産にも適した黒はんぺんは、まるでつみれのようで、食べるだけでカルシウムが沢山採れて、頭がよくなりそうです。

黒はんぺんは健康にも良さそう。

このお店に来るためだけに静岡に来ても良いくらいオススメのお店です。

(3)ホテルで味わう野菜たっぷりカレーとビール

ちょっと番外編。

焼津では駅前のビジネスホテル「くれたけイン」に泊まったのですが、時間限定でウエルカムドリンクとカレーがいただけるとのことで、ありがたくいただいてみました。

ドリンクはこんなに沢山種類があります。

もはや本格的なバー。地酒まである。

ビールは缶ではなく、サーバーから生ビールが自分で注げるのが嬉しいですね。地域限定の静岡麦酒です。

ビールサーバーから自分で注げるのが楽しい。

カレーはにんじんやブロッコリーなどの野菜がたっぷりなタイプ。野菜のエキスのおかげか、決してルーの味だけでなく、コクがあって美味しいです。

無理のサービスとは思えないほどの具の多さ。

駅からすぐだし、朝食も宿泊料金に含まれていて、更に温泉も付いているので、焼津ではオススメの宿の一つです。

3.江の島で海を味わいながら過ごすプライベートタイム

(1)絶景を眺めながらの江の島丼

こちらも番外編。
週末のこの日は完全オフでしたので、プライベートな時間を江の島でゆっくり過ごしました。

反対の方向には富士山も一望できます。

この時期(2月)の江の島も良いですね。ビーチはサーファーか子連れの家族がゆったりと遊んでいて、夏の喧騒とは違った時間が流れているように感じます。

江の島のプロムナード途中から出ている船で行くと、江の島岩屋はすぐ。江の島は結構広いですし、高低差もあるので、まずは船で岩屋まで行き、徒歩で戻ってくるルートがオススメです。

船だとあっと言う前に到着。

途中海を一望できる場所にある食堂では、景色の良い窓側席で「江の島丼」を頂きました。

階段を上ると現れるお店。雰囲気が良い。
とっても美味しい。

サザエを卵でとじているようです。弾力のあるサザエの風味ととろとろの玉子が良いばらんすて美味しいです。

観光地でこの絶景、お味噌汁とお漬物がセットになった定食で1,220円というのはかなり良心的な印象です。

店内は広々。お座敷席や、窓側のテーブルの他、テラス席もある。
コレもある!置いてあるだけで何か良い感じ。
窓の向こうには海も一望。

この小旅行では他にも塩羊羹やたこせんべいなどを食べ歩きしました。どれも美味しくて雰囲気の良いお店ばかりで、江の島がいつまでも人気な理由が改めて分かった気がします。

老舗のお菓子屋さんにて。塩羊羹が美味。
江の島は異国情緒とも違う独特な雰囲気。

こうして心身共にリフレッシュして、翌日からの北海道出張に備えます。


さて、まだまだ書きたいお店やお料理もありますが、文字数も多くなり過ぎてしまうので、前編はこの辺にしたいと思います。

次回は北海道、福岡編です。

雪!

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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Kenji @ソムリエ資格を持つ会社員・会食幹事デザイナー
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