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Miacisマネージャー制度まとめ
マネージャー制度を一目で見る
概要
Miacisマネージャー制度は山梨県韮崎市や、その近辺に住む地域の中高生が、韮崎の地域に存在するユースセンター (公共施設) の意思決定プロセスに8週間関わる青少年育成プログラムです。
マネージャーは4人1組のチームでミアキスの共通課題の解決に取り組みます。彼らが取り組む共通課題はミアキスの運営スタッフが実際に取り組んでいるリアルな課題で、これらの課題の解決策の実践を通してマネージャー (中高生) が施設運営の意思決定の過程に加わります。
マネージャー制度を一言で簡単に言うと「当事者である中高生がユースセンターの問題を解決しながら施設運営に関わる」と言えます。
目的
中高生の声や意見の反映
計画スキルや問題解決能力などの向上
スタッフとの関係性構築
期間
2023年 7月 7日 (金) ~ 2023年 9月4日 (月)
応募者数
20人
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どんなプログラムなの?
⓵キックオフMTG
キックオフMTG (ミーティング) では参加者同士がお互いを知り合えるようなアイスブレイクと、これから取り組んでもらう活動を決定しました。
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自己紹介とアイスブレイクの後は、それぞれの部門に問題を与え、その問題に対する解決策を考えてもらいました。それぞれの部門に与えられた課題はこのようです。
ストア部門
「購買部を通してもっとたくさんの人に施設に来てもらうには?」
メディア & デザイン部門
「SNSなどを通してもっとたくさんの人に施設に来てもらうためには?」
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⓶ミアキスの問題解決
活動はチーム毎にそれぞれ異なりました。
ストア部門
購買行動のアンケート調査
新商品 (アイス) の追加
購買の価格表の作成
購買の照明取り付け
「マネージャーのおすすめ商品」コーナーの設置
出店の出店サポート
出店のポスター作成
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メディア部門
ミアキスの様子を伝えるマネージャーインスタグラムアカウント運用
ミアキスの様子を伝えるマネージャーTiktokアカウント運用
動画撮影や編集
ミアキスを周知するインスタグラム広告投稿サポート
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⓷振り返り会
振り返り会では様々な種類の質問を通して活動の振り返りを促しました。
「新しくできるようになったことは?」
「活動をしてみて誇りに思うことは?」
「どんなことが一番大変だった?」
「自分自身について学んだこと/気付かされたことは?」
これらの質問の答えを個人がそれぞれが考えてから、ペアやグループで発表をしました。
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なんでこのプログラムが大事なの?
問題を解決する力を学ぶ
"たくさんの人にとって、世界と教室はまったく違うものです。成績につながる唯一の答えがあるわけでもない...家族や友人、近所の人たちは、「こうしたらいいんじゃない」とアドバイスしてくれますが、自分の方向性を決めるのは、基本的に自分自身の責任なのです" (Seelig 2010 p.13)
つまり、実社会や人生では答えがなかったり、教科書が存在しない問題だらけということです。そして、問題の定義と解決方法は数えきれないほどのアプローチが存在します。さらに、とても複雑な問題解決を日々迫られる現代社会や、困難な決断を迫られる人生では、枠組みやルールに捉われない問題解決能力が必須になっています。
このプログラムでは問題へのアプローチの方法をマネージャーが自由に考え抜いたり、本当にそれらの解決策が実施できるかなどを予想することで、問題解決能力を育てます。問題を解決しようとマネージャー達が活動の中で下記のようなスキルを学んでいきました。
問題を解決する上でのクリエイティビティー (創造性)
活動が問題の解決に繋がっているか問う批判的思考
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中高生がエンパワーメントされる
"子どもは大人と一緒に有意義なプロジェクトに参加する必要があります。16歳、18歳、21歳という年齢で、事前に技術や責任に触れることなく、いきなり責任ある参加型の成人市民になることを期待するのは非現実的です。民主的参加への理解、参加するための自信と能力は、実践を通して徐々にしか身につけることができないものであり、抽象的なものとして教えることはできません" (Hart 1998 p. 5)
これは日本の中高生にとってとても的確なポイントを得ています。日本の中高生は彼らを取り囲む環境において参画する機会が少ないと言えるかもしれません。例えば、お飾りだけの中高生団体や、大人や政治のアジェンダを推し進めるために利用されたりと、中高生が本当に体験的に参画できる機会というものは限られているように思います。
だからこそ、マネージャー制度ではスタッフとマネージャー達が問題解決に取り組む中で彼らの意見を伺ったり、実際に彼らの意見を採用したり、彼らと平等な立ち位置でディスカッションすることで体験的に参画をする機会を与えています。ミアキスは小さな地域に存在する、小さなユースセンターですが、この施設の意思決定の過程に加わることは立派な参画の一種です。こういった参画の機会を通して、普段中高生が握れないバトンを彼らに渡すことで、彼らをエンパワーメントしていきました。
マネージャーの声&まとめ
マネージャーの声
素敵なスタッフの方々と出会い、たくさん深ーい話をしたり、とっても刺激になりました。ひとまず、マネージャーとしての活動は終わってしまいますが、これからもたくさんミアキスに行きますし、お話聞いてください!有難う御座いました。
あんまり人と話すことは苦手だったけど、今回のボランティアで初めてあった子達と仲良くいい活動が出来て良かった。アンケートが100以上集めることができて普段のアンケートよりも多かったみたいで嬉しかった。
とにかく楽しくて思い出が作れたことが大きいです。山梨県の一つの地域に貢献できたことはすごくうれしくて誇りです。自分の狭い世界から少し広い世界を見れた感じがしました!
最初は見ず知らずの人と進めることが不安でしたが、やってみると思っていた以上に不安がなく、2ヶ月間を乗り切れました。この経験から先入観を持たずにもっと色んなことに挑戦してみたいと思いました。
まとめ
年齢、出身、学校が異なる知らない人と活動することに緊張を示していたマネージャー達ですが、活動をするにつれてお互いに仲を深め、8週間後には仲の良い友達になっていました。また、複雑な活動にも関わらず、ひたすらクリアエイティブにチームで意見を練り、問題を解決しようとするマネージャーの根気強さには感服しました。
小さな地域に存在する、小さなユースセンターであるミアキスですが、彼らの意見や想いが施設に反映されたこと、そして、彼らの高校時代の思い出の1ピースになるような活動が出来たことがスタッフとして嬉し限りです。そして、8週間をかけて彼らの目線からミアキスにポジティブな変化を与えてくれたことに感謝の気持ちで一杯です。
マネジャーの中高生はそれぞれプログラムに参加をしたことで学んだことがあったようですが、スタッフの想いとしては、彼らが家庭、学校、職場、社会で立ち向かう様々な問題を「解決できない」と、目を背けるのではなく、この活動で得た経験を活かして堂々と問題に立ち向かって欲しいです。そして、問題を解決する中で彼らが学校や地域社会にどんどん参画をしていき、最終的には問題を解決するエキスパートとして韮崎で活躍をしてくれることを願っております。