相続対策の失敗で最も多い事例を紹介します
一般に相続対策というと、節税対策、納税資金対策、争族対策を言います。
このうち節税対策の失敗事例で最も多い事例は名義預金です。
それでは、どのようなケースが想定されるか、具体的な事例を挙げてご説明しましょう。
😢毎年コツコツ贈与していたのに名義預金と認定された
私の父はアパート経営をする資産家で、私たち2人の娘と3人の孫のために毎年コツコツと贈与をしてくれていました。
先日父が亡くなり、父の貸金庫の中から私たち名義の通帳と孫名義の通帳が出てきました。
これらの通帳は、父から私たちへの贈与であり、父名義の通帳ではないため、父の相続財産として計上せずに相続税の申告をしました。
生前贈与のお陰で相続税の負担が減り、私たちは父に大変感謝しました。
しかしその後、税務署の調査があり、私たち子供と孫名義の預金が名義預金であると指摘されてしまい、相続税を追加で払うことになりました。
😒贈与の実態がなければ名義を変更したに過ぎない。
では贈与の実態とは何でしょうか。
①贈与をする側と受ける側が意思表示をしている。
②贈与契約書が作成されている。(①も解決できます)
③贈与口座の通帳と印鑑は、贈与を受けた者が管理・保管している。
(贈与者と受贈者は同一の印鑑を使用しない)
④振込み等によって実際のお金の移動が記録されている。
この4点に気を付けていれば、基本的には安心でしょう。(定期贈与の問題は別途あります。)
😁税務署はここを見ている!!
税務署は、被相続人の名義口座のほか、その配偶者や子供、さらには孫名義の預金について、残高と過去5~10年程度の預金の動きを確認しています。
収入のない配偶者の多額の預金は、生前の贈与なのか、名義預金なのか、その源泉は何か、説明が求められることがあります。
税務調査時には、通帳・証券・印鑑の確認が求められます。特に印鑑は、被相続人口座の印鑑と、家族名義の口座の印鑑が同じ場合、名義預金の可能性が高くなるため、家族名義の預金に使われている印鑑も全て確認します。
調査官が相続人に「相続人の氏名、住所、職業を書いてください」という場合は、筆跡鑑定の狙いがあるのでご理解しておいてください。
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