マネジャーがリモートワーカーを支える6つの方法
Harvard Business Reviewの最新記事「マネジャーがリモートワーカーを支える6つの方法 〜部下が自分にアクセスしやすい状況をどうつくるか」
リモートワークによって、業務の滞りを解決する即座の回答や会議後の歩きながらのカジュアルなフィードバックやコーチングといった「ちょっとしたことでマネジャーとやり取りする方法」が失なわれています。一方、そうした非定型なコミュニケーションによってマネジャーが社内でいち早くつかむ情報の流れも損なわれています。
それに対し、エグゼクティブ・コーチとして経験豊富な筆者が次の6つの方法を紹介しています。
1)頻繁なコミュニケーションで距離を縮める
必要な時は連絡するようただ依頼するのではなく、頻繁なやり取りを積極的に行ってチームの状態を常に正確に把握する
2)「オフィスアワー」に質問を受け付ける
メンバーが抱えるちょっとした相談(10分以内)に対処するため、1日1時間の「オフィスアワー」を設ける(ビデオ会議アプリで話しかけるよう部下に勧める)
3)ルーチンを通して安定性を提供する
予測不可能な課題をできる限りルーチンの中に取り込むことでうまく管理する(部下がアクセスしやすい状況を慣例化する)
4)明確な境界線を設けて安心感を高める
自分の都合を明らかにし、メンバーにも自由を与えることで、メンバーの都合のよいときにつながり、メンバーが境界を設けることを認める
5)解決策だけでなく問題を受け入れ、有利な状態に
解決策が見つかっていなくても、問題を報告するよう促す
6)フィードバックを通じて能力を発揮させる
1日の終わりに、よい仕事に対する具体的で肯定的なフィードバックを与える時間を確保する
同じ空間に存在していることで次々と起こる“偶然の機会”(メンバーが頭を抱えて悩んでいる姿が“偶然”目に入る、など)が全くないリモート空間では、メンバーとのコミュニケーションはほぼ100%マネージャー次第といっても過言ではありません。
さらには、マネージャーは日頃メンバーに対して抱いている感情と100%向き合うことになります。目を離すと手を抜くのではないか、指示した手順で仕事をしていないのではないか、、、
この“疑いの気持ち”から打ち出されることやふとした言葉は、確実にメンバーにその気持ちを伝えます。
メンバーによって、望む距離感やパフォーマンスを高める距離感が異なるところが難しいところですが、メンバーが「いつでも繋がれる」、「承認してもらっている」、という気持ちを感じないリモートワークは、お互いのストレスを高めチームの崩壊を招きます。