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あきらめたら、そこで試合終了ですよ(安西先生風)

  運輸・旅行観光業は、間違いなくコロナウイルス感染拡大で最も被害を被った産業の一つです。

  国内でも、インバウンド旅行客の激減で廃業に追い込まれる観光地の宿泊施設、JAL、ANAの売上9割減などのニュースが数多く報じられています。

  そんな中、話題になっているのが香川県のバス会社「琴平バス」の取組み。約4,000円の料金で四国を出発して島根県を巡るバスツアーです。

   外出自粛が続く中、県境を越えて、しかもバスという密室で長時間・・・、と無意識の眉を吊り上げてしまった方は、少し落ち着いて下のサイトを見てみて下さい。

  TVのニュースで報じられていたのをみた限りでは、20人程度のツアー参加者は事前に送られた「旅のしおり」や「シートベルト」(画像を見てみて下さい)に加え、島根県の地酒とおつまみをもって画面の前に集合します。

  そしてバスガイドさんのファシリテーションのもとで自己紹介を行なってツアーがスタート。通常であれば4時間30分ほどの行程を20分で目的地に到着するその道中では、バスツアー名物のクイズ(Zoomの投票機能を利用)や皆で歌を歌ったりもするようです。

  また、現地の映像は現地の観光協会の方々によるもので、さらにはECサイトを使って現地のお土産を購入するサービスとも連携するなど実によく考えられています。

  これがどのくらいの参加者を呼び、どのくらいの収益を産むのかは全くわかりませんが、激変する事業環境の中、「目的地に行く」「人を集める」といった絶対的な不可能を柔軟な発想とシンプルなテクノロジーを使って乗り越えたこのサービスが非常にクリエイティブなものに映りました。(どのように発案、意思決定されて商品化に至ったのかということにも大変興味が湧きます)

  旅行観光業に携わる方々にとってはまだまだ厳しい状況が続くことが見込まれますが、わが国の豊富な観光資源を活かした、新時代に合う新たな価値が創造されることを期待せずにはいられません。

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