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会社の飲み会は面倒?「カレーの会」参加率3割から全員参加までの道のり
僕が代表を務める宮城県の工務店、株式会社あいホームでは、飲み会ならぬ「カレーの会」を定期開催している。「食」という全世代共通のテーマを中心に交流することで、社長と社員、社員同士の距離が縮まるのではないかと考えたからだ。
ただ、飲み会しかり、業務外のコミュニケーションに消極的な人は珍しくない。
「カレーの会」も今でこそ社員70人全員が参加してくれる一大イベントとなったが、初回の参加人数は25人。恒例の余興となった「カレーバンド」の演奏も、初回は社長ボーカルと若手の社員ギタリスト1人だけで行った。
回を重ねるごとに、バンドメンバーおよび参加者が増えていった過程を僕なりに振り返ってみたい。
自分の人柄を伝える「カレーバンド」
最初に断っておくと、僕は人前で歌うことが好きなわけではない。10年以上カラオケにすら行っていない。
本番では手が震えた。なぜ、そこまでするのか。
「社長が何を考えているのかわからない」。ある社員から言われた言葉だ。それは「社長がどんな人かわからない」という意味にも受けとれた。
そこで、人柄を伝えるツールの一つとして選んだのが、老若男女問わず楽しめる「音楽」だった。
だから、選曲は「みんなが好きそうな曲」ではなく「僕が好きな曲」を基準にした。僕の青春を彩ったMONGOL800の『小さな恋のうた』をはじめ、思い出の曲に自身を投影した。
参加者を募る過程で見た、社員の新たな一面
参加者を募る際、「〇〇ができる人がいたら参加してほしい」と個別に声をかけたことも、結果的に参加者が増えた要因だろう。
例えば、DJ。営業部長が経験者だと知った時は驚いた。
料理が得意な人。会場の装飾ができる人。ドラムが上手な人。仕事以外の社員の「顔」を知ろうとするうちに、自然と仲間が増えていった。
どんな会なら参加したい?動機づくりが鍵
社員の需要を踏まえ、参加の目的をつくることも意識した。
料理上手の工事部長が作る絶品カレーを食べたい。社長が歌うなら一度は聴いてみたい。目的は何でもいい。
内定者や社外パートナーを会に招待したことも、社員が参加する目的の一つになっている。社長の歌に興味がなくても、新しい仲間やゲストがどんな人かは気になるのではないか。
「全員参加」は結果であり、目指すものではない。自分を知ってもらい、また自分も社員を知ろうとする過程で、自然と人が集まる「場」をつくることが大切だ。
編集/三代知香
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