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名探偵コナン君が無免許運転でなくなる日
あなたはコナン君を知っているだろうか。未来少年ではない、名探偵の方である。え、未来少年ってなんのことかって?知らない?知らないの??まぁ、44年前の作品だもんな。僕もまだ生まれてなかったわ。
でも、未来少年コナンは世界のハヤオ・ミヤザキの実質的監督デビュー作で名作なのである。とても40年以上前の作品とは思えない。ラピュタなどの初期ジブリ作っぽい雰囲気満点だが、連続テレビアニメなので映画とはまた違った良さがある。
とはいえ、実は僕も2、3年前にネットのサブスクで見たので偉そうな事は言えない。たぶんAmazonのPrimeビデオだった気がするが自信はない。
あぁ、名探偵の方だと言いながら、未来少年の方で無駄に脱線してしまった。
名探偵コナンと言えば、体は子供、頭脳は大人なコナン君がやたらと身の周りで頻発する殺人事件を解決しまくる漫画作品及びそれを原作とするアニメ作品である。世の中には体は大人、頭脳は子供な人の方が大多数だが、コナン君は逆なのである。しかし、実のところ、言うても頭脳は高校生なので「高校生は大人か?」という疑問は残る。
コナン君は謎の悪の組織に薬によって子供にされてしまったため、正体がバレないように世話になっている探偵、毛利小五郎を腕時計型麻酔銃で気絶させ、蝶ネクタイ型変声機で声を変え、毛利小五郎のフリをして事件を解決するという、非常にアクロバティックな犯行を繰り返していることで有名だ。
これらの犯行に使用される秘密道具を作ったのは、近所に住んでいる阿笠博士と呼ばれる謎の老人である。一体彼はなにをして食べているのか?様々な発明品を生み出しているが、それらを世に発表している様子もない。あまりに謎であるため、謎の悪の組織の黒幕はこの老人ではないかという都市伝説もあるくらいである。
そんなわけで、コナン君は阿笠博士から発明品の供給を受けている。前述の麻酔銃や変声期の他にもキック力増強シューズや伸縮サスペンダーなどなど、いかにもアレな感じの便利なアイテムを取り揃えているが、その中にターボエンジン付スケボーがある。
超高性能のソーラーボードとバッテリーを組み込んだ、クリーンエネルギーで動くエコな移動アイテムである。SDGsの時代にピッタリなアイテムだ。しかも、劇中での動きを見る限り、パワーもスピードもなかなかのものである。
しかし、動力を組み込んだスケボーは法律上どういった扱いになるのか。公道を走ることができるもので、比較的近い形状のものとして電動キックボードがあるが、これは「特定小型原動機付自転車」というものに分類される。これに乗るためには、いわゆる原付免許が必要である。
コナン君は子供の姿になる前は高校に通っていた。年齢は17歳だそうである。原付免許を取得することは可能だ。しかし、小さくなる前のコナン君(新一君)は原付バイクに乗っていた様子は見られない。断言はできないが免許は持っていなそうである。
ということは!コナン君はターボエンジン付スケボーに乗るのは無免許運転ではないか!!!!多くの子供が見ている正義の味方が無免許運転の常習犯でいいのか!!!!!!これは由々しき事態!炎上案件である!
ところがである。つい最近、改正道路交通法が成立し、電動キックボードの規制が大幅に緩和されることが決まったのだ。16歳以上については運転免許が不要となり、ヘルメット着用も努力義務に緩和される。さらに、最高速度6km以下に制御されていれば歩道も走行できる。
コナン君は薬で子供の姿にされたとはいえ、前述のとおり17歳である。免許がなくても電動キックボードに乗れるのだ。これはイケる!無免許の状況を改善できるはずだ!
もちろん無条件ではない。阿笠博士作のターボエンジン付スケボーはハンドルが付いていない。キックボードではなくあくまでスケボーなのである。しかし、ハンドルを追加することは難しくないだろう。そのうえで陸運局の認可を受けた整備場で検査を受けてナンバープレートを取得すればOKだ。これで堂々とゴールデンタイムに放送できるというものだ。PTAもニッコリ!
ただ、一つだけ問題がある。ターボエンジン付スケボーは見た目は普通のスケボーであり、エンジンが付いているようには見えない。しかし、ナンバープレートが付いたキックボードは誰の目から見ても電動キックボードとバレる。
コナン君は体は子供、頭脳は大人である。実年齢は17歳だが見た目は7歳である。どういう違法な手段を使ったか不明だが、小学校にも通っているのだ。戸籍を偽造したとしか思えない。
だから、コナン君がナンバープレート付きのキックボードにノーヘルで乗るのは、法的にはまったく問題ないのだが、絵的にはバリバリの違法行為である。
コナン君の身の回りには常に警察関係者がいるため、一瞬で補導されてしまう。ターボエンジン付スケボーは没収だ。そして、16歳未満の子供に電動キックボードを提供した罪で、阿笠博士も芋づる式に摘発である。悪の組織のボスがこんなチンケな犯罪で別件逮捕されてしまう!
そんなわけで、コナン君はせっかく合法的にターボエンジン付スケボー(キックボードモード)に乗れるようになるのに、今後も違法な状態を続けることになるのだろう。
はたしてコナン君が無免許運転でなくなる日はいつか来るのだろうか?
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