外国で暮らすという事⑦
外国に全く縁のない人間が外国で暮らす事になる
人生とは予想できないドラマであり、どんな決断をしたとしても、それも自分が選んだ道の上にいる。気が付けば僕は日本ではなく外国で暮らしている。日本を離れて思う事など、時代と共に心も移りゆくもの、その時の感じる事を何か形に書き残していきたいと思いました。
もしあなたが外国に住みたいと日本以外での生活に興味を持っていたら少しでも参考になればと思います。
自分の居場所は日本だけじゃない。外国で手にした自由と不自由
外国で暮らすと、周りにいる人は自分の事を知る人はほとんどいない
何年暮らしても,自分を知るコミュミティーは、それほど広くない
初めは暮らす街の住人の全員が他人みたいな環境だ
ここでは僕を知る人間なんて誰一人といなく、僕が日本語で会話してても誰も内容を理解すらできない
レストランやカフエで何の話をしても、周りの人を気にする事がない
日本では小声で会話する事でも気にする事がない。 他人に聞かれたら嫌な事でも気にしない不思議な感覚
悪い話も愚痴も文句も聞かれたくない恥ずかしい話も。 誰かに聞かれているという意識がどんどん薄れてゆく。
もちろん日本語がわかる人や日本人が居ない訳じゃないから場所によっては日本人を意識する事もあるが、僕の場合、全く日本人の居ない場所にいる事が多いので、だんだん 少し不思議な感覚に陥る。
僕を知る人が一人もいない世界
こんな感覚に堕ちて行く
日本に居た頃は、どこか勝手に自分で周りを気にしすぎて自分を委縮させて生きていたし、息苦しい人間関係も多かったと思う。自分をアピールするのは1対1とか自分の話を聞いてくれるような環境じゃないと上手くアピールできず、人が多い中では話が上手ではない為、最後まで言いたい事言えずに誤解されて終わるような感じで自分も途中で話のテンションがフェードアウトしてしまう。その延長線上で生きていたので、街中でも、どこかに行っても気を使いすぎる。よく言えば 控えめで大人しい人間。悪く言えば自分を上手くアピールできない人間かなと。
僕が外国で暮らし暫くした頃から、誰にも見られてないし聞かれてもない一人で生きているという感覚を感じるようになっていた。
厚い雲に覆われた空に穴が開いて、その隙間から太陽の光が差し込み、どんどん雲が消え青空が見えてくるように。
誰も自分を知らない世界で、人間関係のしがらみの中で生きなくて良い 圧倒的な自由を手にした。
僕は自分の居場所を見つけた気がした。
いつまでも という訳じゃないけど、
今は外国のこの町が、僕にとっては心地よい場所だと言える
それが日本じゃない という事には正直僕も驚きはした。
外国で暮らすという事を考えてこなかったから。
僕の場合、情けない事に、長年住んではいるが、未だに語学は堪能じゃないけど、それでも不思議と生きている。
だから不自由な面も多い。でも、それでも この場所の居心地がいいのは何故だろうと、いつも考えてしまう。
日本の社会や人間関係が嫌で海外に逃げるように旅をした若い頃を思い出す。それはあくまで旅であって、ほんの一時の夢を見ているような時間。外国で暮らす事なんてハードルが高すぎて考えもしなかった事。
しかし、人生とは不思議なものだと思う。
もう少し許される期間の中で、
不自由な場所だけど、
心地良い居場所で自由に生きてみたいと思う。
なんか矛盾してるようだけど外国で暮らすという事も悪くない