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大デザナレ展2023イベントレポート
先日「大デザナレ展」に参加してきました。
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参加した「私たちはデザイナーを正しく評価できているのか?」というセッションについて感想を書き留めます。
私たちはデザイナーを正しく評価できているのか?
登壇した3社がデザイナーをどのように評価しているのかをお聞きしながら、自分が現在実施しているマネジメントと照らし合わせていきました。過去のデザナレでも必ず拝聴していたテーマでありとても楽しみでした。
株式会社キュービック 様
成果物をレビューする「品評会」にて、品質評価における妥当性を追求しているとのこと。全体を通じてデザインの品質に向き合い続けている取り組みそのものが印象的でした。
<プロセス>
当初、表現/スタンス/タスク管理スキル等を含めた総合的な評価をしていた。しかし「何に対して評価されているのか分かりづらい」という意見をもらい、デザイン表現に絞って評価する方針に変更。運用していると次は「デザイナーが目的を把握しないまま制作している」という課題が…
その課題を解決するため、目的を理解し表現することを重視しプロセスも含め評価することを試みた。…しかし今度は「評価の納得感が下がってしまう」という結果に。デザイナーからは「もっと表現にフォーカスして評価してほしい」との意見。
現在では、評価指標が成長できたかを測れるツールになることを目指し、個々の成長にフォーカスして品評会におけるFBを工夫しているとのこと。
成長させたいスキルを個々で逆算して考えるという部分はとても共感しました。一人ひとりと常にコミュニケーションをとること、「個人の成長」を目的とし目指す未来と現在の差分を埋めていくこと、これが必要だと改めて感じました。
制度を運用しながら出てきた課題に対して何度も改善していくプロセスがとても素晴らしいと感じました。一貫して「デザイン表現の質」を評価することに拘られている印象をもちました。また、評価者が複数人いるデザインチームならではの「評価者の指標を揃える」という課題に向き合っている点も良かったです。
セーフィー株式会社 様
どうしたらデザイナーが会社から評価されるのか、ビジネスとデザイン業務の繋ぎ込みに取り組んでいる印象を強く持ちました。
デザインやデザイナーを数値で評価することはとても難しいと思いますが、デザイナーがひとりのビジネスパーソンとして事業にどのように貢献しているのかを論理的に説明することが必要です。
しかし、数値化すると大胆な挑戦がなくなってしまう、という課題も出てくるとのこと。とても共感しました。
事業が向かっている方向性/目標とデザイン業務をどう結びつけるかという課題に、ビジネス視点で深く向き合っていることがとても素晴らしかったです。私自身も現在その点に向き合っている最中であるため深く考えさせられました。
他にも、全社共通のMBOをsmartの観点で実施されている点、コーポレートデザイン/プロダクトデザイン/マーケティングデザインそれぞれで関わる組織と指標を揃えて伴走していく点も納得でした。
DMM.com 様
DMM様については、Xにて資料を共有されていましたので詳しくはぜひそちらをご覧ください。
「私たちはデザイナーを正しく評価できているのか?」マルチセッションでの資料共有です。
— Noriaki Kawanishi (@norinity1103) September 10, 2023
<主な内容>
- データ駆動開発
- イシュードリブン
- 可測性の高い施策評価
- アウトプット中心の対話
- フローモデルを活用したふりかえり
etc..https://t.co/Lli3gNKdr7
#デザナレ#大デザナレ展2023
資料タイトルにもある通り、3社の中で最も個人の成長に向き合っている印象を受けました。そして「楽しみながら」成長するという点が今まさに私も目指しているスタイルであるためとても共感しました。
他にも、個々と1on1で対話しながら目標の難易度が適しているかを擦り合わせている点や、やりたいこと/挑戦すべきことをOKRにしっかり組み込むことに拘られている点などは、納得しかありません。
やはり成長のためには適切な目標設定が重要なのだと改めて感じました。
まとめ
三者三様のマネジメントスタイル/評価制度についてのお話を聞くことができて良かったです。
これには正解はなく、それぞれ事業内容が異なればカルチャーも異なります。その上でこの組織の中でデザイナーが成長していくためにはどのようなスタイルで、どのようなマネジメントで、どのような評価制度が必要だろうかと考え続けることが大切です。デザインチームの人数が増えればまた考え方や取り組みが変わっていくでしょう。
常に考え続け課題に向き合っていきたいと思います。