デザイナーとして気を付けたい事
先月開催されたDesignship2024のアーカイブ動画を観ました。今一度自戒の念を込めて、デザイナーとして気を付けたい事を書き留めます。
デザイナーである前に
事業会社で働く我々は、当然デザイナーとして入社しています。よってデザイナーとして成果貢献しようとする。一見当たり前のように聞こえますが、注意が必要です。
それは「デザイナーの前に、いち社員である」ということ。目的はビジョンの実現だということ。これをまず心に刻みましょう。常に、目の前の業務を遂行する目的を問い、優先順位を付けます。
「事業のために今何が必要か」という思考で突き進んでいくと、結果デザイナーとして成長します。「デザイナーとして成長したい」という思考だけだと、進化は止まってしまいます。
評価と需要への感謝
他職種の方々から「デザイナーは美しい見た目をつくってくれる」という評価と需要をいただきます。その事実に対し、そろそろデザイナーは「ありがとう」と言えるようになりたいところです。
至る所で見かける「提供価値はそれだけではない」というデザイナーの声。気持ちは分かります。しかし、協業他者からの評価と需要を真摯に受け止めることも大切にしたい。そしてその期待に応えるべきです。
また、我々が主張したい「課題解決」という価値は、PM・マーケター・エンジニア・アナリストなど、他職種の方々も備えているスキル。それは、近くで協業するデザイナー自身が最も理解しているはずです。
デザインを主張しない
「デザインは手段である」と言いつつ、本当の意味で手段化できていないデザイナーも存在します。デザインという崇高な価値を示したい。そのような主張や想いはどこで形成されたのか。
偉大な先人たちの高尚な理論に憧れを抱き、技術と思考を磨いてきたデザイナーは多い。私もその1人です。故にデザインという概念への憧憬を強く胸に刻んでいる。手段化できないデザイナーは、デザインを純粋に愛しているのでしょう。
しかし、如何なる場合も「事業貢献によるビジョン実現」が大目的であり、そのためには「他者との協業」が不可欠です。他者への敬意と感謝を大切にしながら、共に事業貢献を目指していく。デザインを主張するのは、そのあとで十分なのです。
デザインから離れる
デザイナーは「デザインから離れたほうが価値発揮できる」。このような意見を最近よく見かけるようになりました。デザイナーはなぜ、デザインを手放すべきなのか。
それは、デザインに固執し過ぎると「本来の目的を見失うから」だと私は考えます。事業成長のために今どの指標を追うべきか。目的を純粋に思考するためには、デザイン以外の領域に自身を導いていくことが大切です。
勿論デザインは重要です。しかし「どのように活用するのか」はさらに重要です。力み過ぎず、会社という船が進む方角に身を寄せながら、戦略実行の手段として、デザインの力を活用していきましょう。
Designshipを振り返って
今回、Designship2024を振り返りながら、私なりの言葉でこの記事を書き留めました。きっかけとなったのは塩月さんのスピーチです。出てくる言葉の数々に心を掴まれ、全てに共感しながら拝聴しました。
“デザイナー”をやめよう
デザインという言葉に囚われている
人や課題が見えなくなっている
全てその通りだと思います。純粋に課題と向き合うためには、一度自分がデザイナーであることを忘れ、「今事業に何が必要なのか」を考えること。そうすれば、“デザイナーとして”成長できるはずです。