【057】そっと優しく寄り添える存在になりたい。「阪急電車−片道15分の奇跡」
春が近づくと観なおしたくなる作品がいくつかある。
その1つが「阪急電車−片道15分の奇跡−」
あまり知られていないのかもしれないけど、
現在公開中の「花束みたいな恋をした」に主演している
有村架純さんが映画に初出演した作品でもあります。
予告
あらすじ
宝塚~西宮北口間を約15分で走る、えんじ色の車体にレトロな内装の、阪急今津線。その電車に、さまざまな「愛」に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら偶然乗り合わせただけの乗客たちがいた。電車内という限られた空間で、それぞれの人生がほんのちょっと重なり合い、影響し合い、そして離れていく--。数々の出会いが重なり、そこに生まれる小さな愛の奇跡。勇気を持って踏み出せば、いつもとは違う景色が、人生が、そして素敵な出会いが“あなた”を待っている。 (Filmarksより)
感想〜岡田恵和さんと宮本信子さんとの出逢い〜
まだ映画を好きになるちょっと前、
ふと。いい作品だったなーと思って
作品のエンドロールを観ていると、
いつも共通して流れてくる名前がありました。
それが 脚本「岡田恵和」さん
映画だと「深呼吸の必要」だとか「いま、会いにゆきます」
ドラマだと「ビーチボーイズ」「君の手がささやいている」
「最後から2番目の恋」とかあげたらきりがない。
岡田さんの魅力ってなんていうか、
小さな幸せや気づきを描くのが上手くて
この物語でも時江の優しい気づかいが、次の人へ、
また次の次の人へとどんどん伝染し
点と点が結ばれて、笑顔が生まれる。
そして生きるって辛いこともあるけど、
ちょっとだけハッピーに思わせてくれる
そんな脚本が僕は好きです。
この作品をきっかけに、
今後岡田さんが手掛ける作品は絶対見るようにしています。
そしてこの作品は、色んな悩みを持った一見無関係な登場人物達が
偶然阪急電車に乗り、出逢い、励ましあい、前に進んでいく話だけど、
僕は多分こうゆう
「複数の登場人物モノ」×「さりげない名言モノ」にとにかく弱い。
特にこの作品で印象に残るのがなんといっても
時江役を演じる宮本信子さん。(上記写真だと一番右下の女性)
彼女のそっと、相手に寄り添う優しい言葉が、
演技を超えて、彼女自身の人間性が出ているというか
存在感があって、こんな大人になりたいなとも思うほどです。
正直、恥ずかしながら宮本さんのこと、この作品で初めて知って
そこから過去作を追っていくきっかけにもなりました。
まだ全作追えてないけど、「スーパーの女」とか
めっちゃおもしろかったです。笑
さりげない心に染みる名言
ネタバレにもなってしまいますがご了承ください。
①結婚直前に男を寝取られた翔子の冒頭の心の声
人はそれぞれ皆 いろんなやりきれない気持ちを抱えて生きている 死ぬほどつらいわけではないけれども どうにもならない思いを抱えて生きている そして、その気持ちは誰にも言えないのだ。
誰かに言っても仕方のないことだと諦めるしかない。 皆そうやって思っている。 自分自身で解決するしかないんだ。 この世界には こんなにもたくさんの人がいるのに 同じ場所で 同じ時間を一緒に生きている人がこんなにもいるのに、それは何の意味も持たない。
名前も知らない人達は、私の人生に何の影響ももたらさないし、私の人生も誰にも何の影響もあたえない… 世界なんて、そうやって成り立っているんだ… そう思っていた… でも…
この台詞と同時に流れるBGM♬
「阪急電車 片道15分の奇跡 メインテーマ」を聞くと
ちょっと切なくもなりジーンときてしまうけど、本当そうだなって思う。
誰しもきっと抱えている悩み。
家族の事。友人の事。仕事の事。勉強の事。お金の事。介護の事。。。
でも個人の悩みなんて、相手が生きていくには関係ないし、
その人が何を考えているかなって本心はわからない。
今はコロナもあるけど、現代って自分の幼少期と違って、
なかなか近所や他人との付き合いや繋がりが減りつつあるようにも思えて
ちょっと寂しいなって思うこともある。
そしてネット内なら尚更、相手がどんな顔で歳はいくつで
どこに住んでいて何をしているかなんて分からない。
文字や言葉って相手を幸せにもするけど、
時に残酷に傷つけたらり、追い詰めたりするから
こうやって言葉を書くのも勇気がいるけど、
でも逆に全然分からないからこそ、
書いたり、打ち明けられることもあると思うし、
そんな、時江みたいにどんな相手でも見捨てず、
そっと寄り添える存在になりたいなって強く思う。
少しでも、物語同様誰かにこの記事や作品が届いて
少しでも前向きになってくれたら嬉しいな。
②時江の孫娘亜美(芦田愛菜さん)が泣いた時に伝える台詞
「泣いてもいい。自分の意思で涙を止められる女になりなさい」
もう、これに関しては、ただただ深いなと。
普通幼少期の子には言わない台詞ですよね。
孫娘を一人の“人”として人生の先輩が助言している感じが
なんか好きです。
それにしても、現在から考えると愛菜ちゃんが小さい。笑
マル・マル・モリ・モリ・ダンスとかしてた頃が懐かしいですね。
彼女の最新作『星の子』はまだ観れていないんですが
もう愛菜ちゃんとは言えない、、、笑
芦田愛菜さんですね。
凄い才女に成長していて、今後が楽しみな女優さんです。
名言はそれ以外にも色々ありますがここまでにしておきます。笑
最後に
いや〜それにしてもこの作品に登場してくる街並み。
行った事はないんですが、とても優しく映っていて癒されます。
阪急電車にもいつか乗ってみたいし、街も歩いてみたいですね。
そして実際、そんな出逢いや触れ合いって
そうなかなかないかもしれないけど、
通勤や通学での同じ場所でも、
ちょっと意識を変えるだけで、
新たな発見があるかもしれませんね。
それでは今日も1日頑張っていきましょう♬
読んでいただきありがとうございました!