人を知るということ
経験則から学ぶ
先日、たまたま見ていたTVで「なぜ、泣いている子供は抱っこして歩くと泣き止むのか」その理由が語られていた。(※1)
人類が野原を駆け回っていた時代。
危険を察知して逃げる時、子どもが泣いていると外敵に見つかってしまう。この影響で、子どもは抱っこして歩くと泣き止むようになったとの事だった。
※「抱っこ」とは書いているものの、移動して動くと泣き止むのでベビーカーでも泣き止むとのこと
体内でも面白い変化が起きていて、抱っこして歩くと心拍数が顕著に下がる。心拍数が上がる場合は緊張状態を表していて、下がる場合はリラックスを表している。抱っこして歩くと、わずか3秒でこのような効果がでるという。
経験則でなんとなく分かっていることは、実は人類の歴史から形成されてきたわけだ。
「1/fゆらぎ」に共通するもの
これを聞いた時、私は「1/fゆらぎ」を思った。
wikipediaによると「1/fゆらぎ」は以下の通りだ。
人は「1/fゆらぎ」を感知すると生体リズムと共鳴し、自律神経が整えられ、精神が安定し、活力が湧くと言われている。
人類の社会文化的進化は火を利用することで急激に早まった。人は火を調理に使い、暖を取り、獣から身を守るのに使い、それにより個体数を増やしていった。
みんなで炎を囲い、火を見つめる時間に人は安らぎを感じていたのではないだろうか。
本質的な欲求からクリエイトする
私が個人的につくるビジュアルは展開数が少なく、ストーリー性も全く重視していない。理由はシンプルで、私自身がろうそくの炎のように「なんとなく見ていたくなる映像に心が惹かれる」ためだ。
今の世の中、様々なことに意味を求めがちだ。時間の感覚も非常にせわしない。少ない時間に、効率的に、大量の情報を詰め込もうとする。
これは頭だけで考えた現実に過ぎないと私には感じられる。
人類が誕生して7千万年の間に体内にプログラムされた本質的な欲求。そこから、学ぶべきことがたくさんあるのではないだろうか。
人を知ることから新たなアプローチ方法が生まれるという気づきがあった。
Photo by Josh Hild on Unsplash
※1 抱っこして歩くと赤ちゃんがリラックスする仕組みの一端を解明