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事務職と管理職とIT - #11 事務に仕掛けられた罠

営業事務さんのお話です。
自分でよく考えないといつの間にか自分の首を絞めることになるかもっていうお話です。

便利な”その他”や”例外”

日常の伝票処理は常に基本の流れに沿ったものとは限りません。

基本の流れに沿わないものはだいたい”例外”として処理されます。資料やデータでもそうです用意された枠内に収まらない場合、”その他”として”とりあえず”放り込んでおきます。

その他、例外、特例、イレギュラー、汎用などの言葉はその場しのぎに非常に都合がいいものです。実際は「なんかよくわからない」「いつもと違う」からこのような言葉を使うわけなんですけれども。正しく分類できないから、何でも一緒くたにしているだけなんです。

膨らんだその他や例外に大切なものが潜んでいることもあるし、例外がスタンダードになったりしていませんか?

依頼を処理する

営業マンの依頼で伝票を立てるのが日常だと思いますが、「〇〇という事にしておいて」というセリフをたまに聞きます。

その営業マンもしくは会社にとって都合の良い解釈をしようとしているセリフです。それは処理自体をスムーズにすることもあれば、大惨事になることもありまして。

例えば、一部の営業マンは”原価”の考え方が正しくできていない人がいます。

実際の話ですが、金額は適当です。
①元は5千円の商品をお客様に1万円で売りました。
②都合により1万円で買い戻しました。
③別のお客様に1万5千円で売りました。
④「在庫原価1万円で計上しておいて」と指示

事務としてはそういうわけにはいかないのです。②で1万円払っていますがそれは返品扱いなんです。最終的に、もとは5千円なので原価5千円に対し1万円の粗利です。指示通りですと粗利を損した間違いの計上をするところでした。

他にも
①新しい取引先ができた
②取引の頻度が少ないので営業マンは「伝票は手入力でいいよ」と言う
③取引が増加したので途中からシステムに正式登録をした
④取引内容の集計がおかしくなる
⑤過去の取引が手入力で見つけづらい

素直に言うことを聞いているだけだったり、「とりあえず」で作業してしまうと後に自分に面倒が返ってくるということです。

自分で納得し、処理すること。
その場は面倒でもキチンと備えるひと手間で整頓(分類)をしておくことが将来の自分の助けになります。

”前回と同じ”の前回ってなに

伝票の立て方、書類の記載など営業マンの依頼で処理を行う場合、
「前回と同じでー」
と、かるーく言っているのを聞きますが事務さんはそれを覚えているのでしょうか。いや覚えていませんよね。毎日たくさんのいろんな担当の処理をしているのだから。

でも、なんで「前回と同じでー」が通じるのでしょうか。
それは事務さんが、前回がどうだったか、毎回システムで確認をしてくれているからです。

そして、その確認で気付きます。

「本当に前回と同じでいいのか?」

伝票のミス、取引のミスは一つでも起こせばお客様の信用を損ないます。それはその企業のイメージダウンに繋がる重要な事です。

営業マンは確実に依頼し、自ら確認するべきです。事務さんに渡された伝票を見る事もしない人がいるのは言語道断です。

経理や総務の部門でも同じです。回って来る精算書や稟議書で最終的に細かくチェックしてもらっているからこそ大きなミスは起きないのです。差し戻されたことにお礼は言っても、文句は言えないでしょう。

万が一、処理ミスが発覚したときは担当した事務も責められることになります。「言われた通り処理しただけなんです」とか言わないんですよ責任感がある事務さんは。

だから部門をサポートしている事務方を、社内の人はミスを誘発しないように逆サポートしてください。そして、事務方の人はいつどんな時もチェックする丁寧さをを忘れないでください。

以上、読んでいただきましてありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。

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