上下関係の崩壊:フラット化する現代社会の課題
上司と部下の関係性。
先生と生徒の関係性。
親方と弟子の関係性。
親と子供の関係性。
過去は明確な上下関係が敷かれていた。
それにより、下側が上側に逆らうことは基本的に発生しなかった。
上から下へというものは、ある意味絶対的なもの。
それが崩れているのが現代のいびつな状態につながっているような気がする。
過去とは状況が大きく変わってきた。
現代は実力が簡単にひっくり返りやすい。
というのも、場面によっては若手のほうが上司よりも優秀な場面が多くみられるようなことも増えてきたから。
生成AIに関する扱いや、最新情報については、圧倒的に吸収力がある若手が優位な状態。
その結果として、組織構造上では上となっている上司側がナメられたり、部下が指示に従わなくなることもよくある事。
まさにコントロール不能状態。
いざしっかり動いてほしいと部下に指導して部下が反発し、もしも結果として若手が辞めるということは発生してしまったならどうするのか。
これは少子化時代の現代には、かなりの問題になる。
部下となるような若手はその環境をやめていつでも別の環境に行くことが出来るというアドバンテージを持っている。
折角コストをかけてきてくれた人が逃げて行ってしまうことは、組織として大きなマイナスにつながる。
そして査定等の評価するのも、気が付いたら上司が部下へというところから、部下も上司を評価するという方法に変化することに。
もし部下が束になって、上司を徹底的に低い評価をつけるようになったらどうするのか。
他にも、部下のためを思って指導したつもりというものが、完全にあだになるリスクが高い状態が現在。
ましてや、パワハラと受け取られるような場面のように自由に録音をされること、編集をされることによって、晒されるリスクが高まる。
SNSで簡単に拡散されることで、個人はもちろんのこと会社全体が大きな損害を受けるリスクも高い。
一人の力でもSNSの拡散・増幅力により、簡単に週刊誌以上の炎上は起こりうる。
まさに「ハラスメント」ハラスメントが発生しやすい構造になっている。
立場が下であったとしても、上からの物言いについては全て「ハラスメント」として捉えられるような、ある意味解釈したもん勝ちの世界。
その結果として、潜在的に力を持つ人がより力を持つようになる。
部下であっても逆らうことは簡単。
その結果として、統制が全く取れなくなる組織が生まれる。
組織としてはとても悩ましい状態であるに違いない。
上に立ちたくない人が増えている。
その一つとしては、下剋上が簡単にまかり通る世の中になっているからなのではとも感じる。
そして自分に少しでも自信がない部分が存在ことで、上になることのリスクが一気に膨れ上がる。
下からは突き上げられ、さらに上からはプレッシャーをかけられ続ける。
このことによって中間管理職はさらに疲弊していく。
そのことに対してコスパが全く合わないと判断されたら、誰も上に行きたがらなくなる。
多少給与が上がることがあったとしても、それ以上のリスクが付きまとう事のほうが問題。
その結果として、永年平社員が勝ち組みたいな形になる。
このような現象が思っているよりも多く発生しているような気がする。
ピラミッドが大崩壊して言っているように感じる。
上下関係がフラットであることは、ある意味新時代においては望ましい関係性かもしれない。
ましてや、対等な関係性があることによって、過去に横行していた上司から部下へのパワハラはかなり防がれているようなメリットもある。
しかしながらそれ以上に、上司側の実力が上手く伴っていないと組織全体が機能しないこともしばしば。
これは真にマネジメントにおいて優秀な人が上に上がることが出来るという状態、それに移行するためには必要な状態なのかもしれない。
大事なのは、本当の意味での適材適所がなされていること。
上下関係によってパワーバランスが変わるのではなく、本当に適した場所で適格に機能することが望ましい。
フラットな立場ならば、それ相応の対応するようにすることを是とすること。
時代の変わり目において、本当の意味で素晴らしい組織とはどのようなものなのだろうか。
色々と考える必要が出てきている気がする。
ありがとうございました。