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「不便性」が戦略的障壁として、あちこちで効果的に活用されている
世の中は一日一日、便利になっている。
科学技術はどこまでも発展していく。
ほんの10年前から考えると、異次元の世界に来ている。
100年前の人が今の世界を見たら、どのように思うのだろうか。
1000年前の人からしたら、もはや理解の範疇を超えた世界になっているのかもしれない。
もちろん変わっていないこともあるが、大幅に変わっていることの方がとても目立つ。
そして、便利になればなるほど障壁が無くなっていく世界に近づいていく。
移動が困難であった人は、様々なツールを使って物理的に移動できるようになった。
世界中の交通インフラの発展で、移動する観点では、地球はかなり狭くなったように感じる。
ネットによる情報が解禁され、生きていく中で必要な情報の多くを簡単に手に入れられるようになった。
その結果、過去よりも思考・考えられる幅がどんどん広がっていく。
食についても美味しいものがどのような季節でも簡単に手に入るし、現地に行かなくてもかなり新鮮な状態のもの楽しむことが出来る。
知る人ぞ知るお店についても、ネットの口コミが一気に拡散されて、あっという間に当たり前の存在になる。
このように多くの障壁が取り除かれて、多くのものが大衆化されつつある。
そんな中であっても、できるだけ差をつけるために多くの障壁を設けていることも沢山ある。
それによって価値を担保しているものもあるに違いない。
利便性とは逆に、実は「不便性」というものもについても、良い意味でも悪い意味でも社会のあちこちで機能しているのではないかと感じている。
例えば現金のみしか支払い不可というお店。
一見するとカードやQRコード決済が出来ないことによりとても不便に感じる。
ただ、一方ではそれを障壁として機能させて、誰もかれもが入らないようにうまくコントロールしているようにも取れる。
もし現金がないままそのお店で食事をして、もしお金が足りなかったらどうなるのか。
その場合は現金以外の手段を提示しないお店ではなく、使った顧客の側が法律的に問題となる。
だから、多くの場合物理的な現金は最強の手段として機能し続ける。
もちろんその反対にあるアイデアとして、カードやQR決済のみとするという制限を設けることについても、障壁としては機能していると考えられる。
現金に偽物が多い場合は、こちらの方が良いことも多々あるに違いない。
このように支払い手段を制限すること、それは便利になりすぎて多くの訳が分からない人まで入ってこないようにするということ、それをコントロールするための障壁がうまく機能している例のように感じる。
わけのわからない長い文書や答弁を繰り返す日本の政治の世界。
まどろっこしく長くすることによって、誰からに対しても理解を出来るだけ困難にすることで、理解できる人を徹底的に減らす。
敢えて前提となる知識部分をより困難な言葉で出来るだけ長くすることで、興味を持たせないようにする。
そうすることによって、興味を持って入ってくる大衆への障壁を高める。
その結果多くの人が出来るだけ無関心になるように、選挙に行かなくなるように、気が付かれないように障壁として機能しているように感じる。
その結果、国民側から勝手に政治から離脱するような仕組みとすることで、民主政治のような状態を取りながら寡占・独裁状態を作り出すことが可能になる。
ひどい目に逢っている多くの生活が苦しい国民からしてみるととても怒りを感じるかもしれないが、巧妙な形として障壁が機能していると感じればなるほどと思うこともある。
他にもお金に関する知識や法律についても障壁を設けたり、健康でいられる方法についても障壁を設けたり、本当に貴重な情報やためになる情報はなんらかの形で隠されようとする。
それが時に大量のフェイク情報であったり、一生かけても届かないような金銭であったり、様々な障壁が形を変えて機能している。
このように多くの障壁が利便性と共に溶けるのに反するように、障壁は障壁としてより高く常に機能的に効果的に存在し続ける。
中にはそれを戦略的に使うことによって、より価値を高めたり、競争に巻き込まれないような地位を確立させることもしている。
だからこそ、ものによって、時には「不便」こそが価値の源泉というものもあるかもしれない。
たまには「不便性こそが重要」であるもの、それがどのような場合なのかというのを考えて見ながら世界を眺めるのも、おもしろいかもしれない。
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ありがとうございました。