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会社という船の羅針盤。hacomono社のミッション・ビジョン・バリュー再策定までの道のり
会社は「船」のようなもの。
目指すべき遠い目的地があって、それを共有する仲間と共に、目的地に向かって船を漕ぐ。
行き先が遠ければ遠いほど、一人で漕ぐのは無理があり、優秀な仲間と力を合わせて漕いでいく必要がある。
強風の日や嵐の日もあるし、1歩進んで10歩下がる、そんな時も幾度となくやってくる可能性も。
会社にとって
ミッション(M)
ビジョン(V)
バリュー(V)
は仲間と共に船を進めるための羅針盤。
様々な意思決定がある中で判断の拠り所になるもの。
我々hacomonoは、このMVVを半年近くかけて再策定したので、そのプロセスを残しておきます。
なお、今回のMVV再策定はクリエイティブエージェンシーのPARK inc.に入っていただきました。
PARK inc.は、IVSのコピー「次世代の、起爆剤に。」を作ったり、スタートアップやベンチャーキャピタルのMVVやブランディングにも携わってきていますが、表面的に良い言葉を探すのではなく、その企業らしさや芯のところを掘り出すところから伴走してくれます。
これまでもhacomonoの様々なプロジェクトを共に進める中で、hacomonoのことを良く知り、事業の成功・発展を信じてくれており、本気で議論しあえるチームだったため、会社のポテンシャルを最大限に高める上でコピーのプロの力を借りて進めることにしました。
手順1 : 社内外ステークホルダーのインタビュー
最初に代表である私やCTO、マネージャやメンバー数名、投資家や人事アドバイザーなどへのヒアリングから入っていただきました。
・なぜ会社を立ち上げたのか?
・なぜこの会社にジョインしたのか?
・この会社を人格に例えたら?
・この会社の強みは?
・3年後の目標は?
・社会をどうしたい?
etc...
数々の質問を私含めて、10名近い方々への個別インタビューを行い、その中で出てきた傾向を整理・分析しました。
会社の実情が丸裸となり恥ずかしかったですが、この過程は会社の軸を見つめ直す良い機会になりました。
「オープン」
「人本主義や倫理観」
「長期目線」
の部分がメンバーから共通で出てきており、大事にしていた経営の方向性だったので嬉しかったです。
手順2 : ミッションの方向性案を話し合う
ヒアリングの整理をベースに、ミッションの方向性案をリストアップし、精査・絞り込んでいきました。
創業時の想いとして「個性の活きる世の中を作る」というのがあったので、その路線を保つのか、思い切って変えるのか。
社内からは残したいという意見もありましたが、今回その想いはDNA的に残るものと信じつつ、「社会を大きく変える」という強い意思を持って、よりビジョナリーな方向性に向けることにしました。
手順3 : ビジョンの方向性案を話し合う
今回ビジョンの役割は「3年後に会社が市場からどう認知されているか」と定義しました。変化が激しい時代にあって、ビジョンは数年後に変える前提にしつつ、2,3年でスピーディに達成したい状態を明確にしたいと思いました。
今見返すと色々話し合いました・・・
手順4 : ミッションを決める(ここがなかなか決まらなかった)
ミッション案は言葉の組み合わせを含めると30〜50に登りましたが、なかなか決めることができませんでした。
時間がかかった要因としては、響きが良い言葉ではなく、地続き感があり、きちんと「自分ゴト」として信じて継続できるミッションか?ということに迷い、試行錯誤したからです。
CMで流れる大企業のコピーと違い、私達のミッションは
メンバー一人ひとりがその実現を信じて行動できるかが大事です。
そして決まったミッションはこちら↓
手順5 : ビジョンを決める
ビジョンは3年後に認知されていたい状態。
決定したビジョン↓
「アフターデジタル」という用語の浸透度や分かりやすさに対する懸案もありましたが、「海外に通用する日本の店舗業界を作る」という強い意志の表れです。今、店舗業界におけるデジタルは中国や欧米に圧倒的に遅れを取っています。コモディティ化した保守的な日本国内に合わせては絶対にいけないと思っており、とにかく予定調和を避けて突き抜けていくためにあえて「アフターデジタル」という専門用語を含めることにしました。
手順6: バリューを決める
バリューは、
・価値観(抽象的)軸でいくか
・行動指針(具体性)軸でいくか
が議論になりました。
他社をリサーチすると、行動指針(具体性)軸でいっているように見えましたが、私たちはバリューを人事評価基準にも入れ、バリュー1つ1つの具体的な行動例を別で定義しているため、あえて価値観(抽象的)軸でいく方向にしました。
概ね決まったバリューの言葉に対しても
・日本語・英語を揃えたり
・響きやニュアンスを揃えたり
なども行いました。(PARKさんのコピー力の賜物です)
そんな中で完成したバリューがこちらです↓
手順7: バリューの具体的行動例を書き出す
ここは人事評価にも影響するため、マネージャ・リーダーに協力してもらい、3〜4週間位かけて各バリューのGood / Badの行動例を作成・校正を繰り返しました。
hacomono人事評価シートの一部↓
MVVを浸透させるために
せっかく作ったMVVを絵に描いた餅で終わらせず浸透するにはどうするか?社内発表会を前に、株主であるALL STAR SAAS FUNDやその投資先スタートアップの皆様に相談しました。
ヒロさん、向井さんはじめ、様々な方からアドバイスが!
POLさんやカミナシさん他も自社での取り組みを共有していただき、本当にありがとうございました!!!
大事なのはリーダーが率先して体現していくこと、そして伝え続け、各チームのルーチンに持っていくこと
「大事なのはリーダーが率先して体現」まさにここに尽きるというのが皆様からの共通のアドバイスでした。
MVV発表会以降は、毎週全社MTGでも自分の口から伝える場を設け、各チームのエピソード共有なども開始しました。メンバーとの1 on 1の会話でもできるだけバリューを動詞として活用するよう工夫しています。
バリューを体現したやりとりがSlackで出てくると、バリュースタンプが押されたり、日報でもバリュー例が報告されたりと少しづつ社内で活用されつつある段階です。
論語と算盤を体現できる会社になるために
「論語」とは道徳、「算盤」とは経済・収益
「MVV」は会社における「論語」にあたると考えています。
会社の目的は社会を良くすること。
売上や収益・MRR(ARR)はその対価です。
論語 OR 算盤ではなく、論語 AND 算盤を体現する会社に向けて、MVVを活用して良いカルチャーを作っていけたらと思います。
もちろん、経済部分でも野心的な目標をもって邁進していきます。
<Special Thanks>
PARK inc.の田村さん、飯田さん、出沼さん、中川さん、そして長いディスカッションに付き合ってくれた hacomonoメンバーや役員・マネージャ・リーダーのみんな、投資家のALL STAR SAAS FUND ヒロさんや関係者の方々、アドバイスいただいた周りのスタートアップの皆様も、本当にありがとうございました!
「ウェルネス産業を、新次元へ。」
を目指して、美しい日本を作っていけるよう頑張ります。