中盤の選手の運動量が増えている
今回のテーマは「中盤の選手の運動量が増えている」です。10年以上にわたってリーガエスパニョーラの試合を見てきました。バルセロナでいうと、ロナウジーニョ全盛期の時代から、グアルディオラ監督のバルセロナ、そして現在のシャビ監督率いるメッシのいないバルセロナまでずっとです。
カカー、シャビ・アロンソ、クリスティアーノ・ロナウド、エジルといったスター選手ばかりの銀河系軍団レアル・マドリード。サイド攻撃が素晴らしかったセビージャ、ビエルサ監督率いるアスレティック・ビルバオ。ブルーノ・ソリアーノやサンティ・カソルラのいたビジャレアル。シルバやマタのテクニカルなバレンシアなど、本当に見ていて飽きないサッカーをこの10年間見させていただいていました。
僕はビエルサ監督のアスレティックビルバオにいたジョレンテ選手と、トケーロ選手が大好きでした。中盤にいたベニャ選手のスペイン人らしい優れたポジショニングセンスと、高い精度を誇るキックに惚れ込んでいました。後は、セビージャのレジェス選手のドリブルは何度も見て勉強していました。今もそうですが、セビージャのサイド攻撃は、いつの時代も最先端を行っていて、学ぶことが多いと思っています。
名前を挙げるとキリがなくて、攻撃だけではなくディフェンスやゴールキーパーでも大好きな選手がたくさんいます。
今回のテーマ「中盤の選手の運動量は増えている」と言う話ですが、もう10年以上僕がスペインリーグを見ていて今すごく感じていることです。
シャビやイニエスタの運動量は多く、毎試合10キロ以上当たり前に走っていました。それこそ、アトレティコマドリードのコケなんかは、毎試合12キロ以上走ることがほとんどです。アトレティコの場合は、走るサッカーをしているので、コケの運動量は納得できます。ですが、最近のバルセロナの選手たちも、走行距離を見る限りよく走っています。
注目の若手2人組、ガビとペドリは前半30分までに6キロ以上常に走っています。「ボールを動かして(人はできる限り走らず)90分間攻撃し続ける」という「スペイン産ポゼッションフットボール」の、元々の考え方から進化していると思います。2018年以降、運動量を求めるようになっていました。
特に、守備での運動量は不可欠な時代になったと思います。ボールを奪われた時にすぐに奪え返せるかどうかで、「攻撃の成功確率」も「守備することによる疲労」も大きく変わります。
時代によってサッカーが変わってきたときに、自分をアップデートできるかどうかで、未来は変わると思います。
ガビとペドリは、攻守にわたって必要な場所に現れ、重要な仕事をしています。試合を見ていると「さっきまで左サイドにいたのに、今度は右サイドにいる」みたいなことがよくあります。
ペドリの方がゴールも多く、目立ちますが、個人的にはガビの「ボールに触れずに、相手の守備陣形を崩すポジショニング」に興味を持っています。
攻撃の時にいつも走り、スペースを作り、パスコースを作り、相手ディフェンスを引っ張る動きなど送り返す運動量は、本当に凄いです。もちろん、ボールを持った時は「さすがバルセロナの選手だな」と思います。ボールがない時も活躍できる選手として、世界トップレベルの選手たちに名を連ねていくのではないでしょうか。
中盤の選手は、11対11を、12対11、13対11にできるかどうかで価値が変わります。運動量によって数的優位性を作ったり、位置的優位性を作ったりするのです。
「運動量が必要なサッカー」に適応するために、特に中盤の選手は「目指すべき選手モデル」をアップデートして、トレーニングを見直していくことが大切だね、というお話しさせていただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』を始めました。
ボラスフットボールクラブの情報だけではなく、「サッカーが上手くなりたい人」におすすめの情報を、クラブに所属する海外選手から聞いたことや、スペイン・アルゼンチンでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。
音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify
ーーーーーーーーーーーーーーーー
VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。
※ボラスフットボールクラブは、共に戦いたいという情熱をもった選手を募集しています。サッカーが下手でも構いません。謙虚で礼儀正しく、コミュニケーションを積極的に取れる選手を募集しています。チームへの加入を希望される方は、「LaBOLAサイトのメッセージ」もしくは「Instagram」から参加申請を記入の上、ご連絡ください。