リモートワークにおける7つの誤解。新たな働き方に対する先入観を取り除く。
新型コロナウイルスの流行に伴い、リモートワークの必要性を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
リモートワークを導入する企業は年々増えており、総務省が2018年度に行った調査(*1)ではすでに26.3%の企業がテレワークを導入、または導入を検討しているという結果が出ています。
東京都に限った調査(*2)では、約半数の企業がテレワークを導入している、または導入を検討しているという結果もあります。
確かにリモートワークは企業にとって、今回のような感染症の流行時や災害時においても事業を継続できることや、時間や場所に制約がある有能な社員を雇用できることなどのメリットがあるので、導入に積極的になる企業が増えているのもうなずけます。
その一方で、リモートワークを導入すると、「生産性が下がるのではないか?」、「情報漏洩リスクが高まるのではないか?」などといった不安を持ち、導入をためらっている企業もあると思います。しかし実際には、その不安は誤解である部分が多いのです。
そこで、今回の記事では企業がリモートワークに対して抱く代表的な不安をまとめてみました。この記事を読むことで、リモートワークに対する誤解が解消されれば幸いです。
①リモートワークは企業の生産性を低下させるのではないか?
リモートワークを始めると、上司の監視がなくなり、社員の生産性が低下するのではないか、と不安を抱く企業は少なくないでしょう。
しかし、Harvard Business Reviewの調査(*3)によると、一部の企業ではリモートワークを許可した後、生産性が13.5%増加したそうなのです。日本においても、テレワークなどの柔軟な働き方の促進は、生産性を向上させる可能性が高い、という調査結果(*4)があります。
個人のレベルでは、リモートワークの方が生産性の高い仕事ができると考える人、オフィスで働く方が生産性の高い仕事ができると考える人、どちらもいるのは事実ですが、社員が自分自身で生産性の高い働き方を選択できれば、結果として会社全体の生産性向上につながるのではないでしょうか。
②リモートワークをするとコミュニケーションが取りにくいのではないか?
リモートワークを行うとコミュニケーションが取りにくい、というイメージがあります。しかし最近では、リモートワークを意識したweb会議や、チャットなど、多くのコミュニケーションツールがあります。
face to faceのコミュニケーションはもちろん重要ですが、これらのツールを使うことによって、インタラクティブなコミュニケーションできるので、工夫次第ではリモート環境であってもオフィスにいるのと変わらないコミュニケーション量で仕事をすることができるのです。もちろんこれらのコミュニケーションツールはオフィスでも使えますので、いつも同じツールを使って仕事をすることにより、オフィスとリモート環境とのギャップを減らすこともできます。
リモートワークを活性化させるツールに関してはこちらの記事でもまとめていますので、ぜひご一読ください。
③web会議は非生産的なのではないか?
リモートワークにおいての会議はwebで行われることが多いですが、web会議でもビデオを使えば顔を見ながらのコミュニケーションができます。
使用するweb会議ツールによっては、資料を簡単に共有したり、会議参加者のパソコンの画面を共有しながらディスカッションができたりなど、オフィスでの会議と遜色のない会議ができます。
また、ちょっとした相談や、テキストでのコミュニケーションではニュアンスが伝わりづらい業務指示などもweb会議を活用することで効果的に行うことができるので、web会議はリモートワークを進めるための心強い味方と言えるでしょう。
④リモートワークは社員を孤独にするのではないか?
自宅で一人でリモートワークをしていると、孤独を感じる社員もいるかもしれません。
しかし、リモートワークをする場所は自宅に限りません。孤独を感じたら、シェアオフィスやカフェなど、自宅以外の場所で働くこともできるのです。セキュリティが気になる企業においては、信頼できるシェアオフィスとあらかじめ契約し、社員に提供できると良いでしょう。
また、リモートワークを行っていると、オフィスにいるときにしているようなカジュアルなコミュニケーション、いわゆる「雑談」がなくなってしまいます。
しかし、例えばチャットツールで、あえて業務に関係ない雑談のチャネルを作ったり、出社した際には、カジュアルなコミュニケーションの場を設けたりするなどの工夫をすることで、社員の孤独感は減らすことができるのではないでしょうか。
⑤リモートワークはワークライフバランスを悪くするのではないか?
リモートワークを導入すると常にメールやチャットから離れられなくなり、ワークライフバランスが悪くなるのではないか、と考える社員がいるかもしれません。しかし、そのような不安は、経営、人事サイドでしっかりとしたルールや仕組みを作ることで、取り除くことができます。
リモートワークがある程度普及しノウハウも溜まりつつある現在では、リモートワークをする上でのルールや、リモートワークに対応した労務管理のノウハウに簡単にアクセスできますので、それらを活かして自社のルールを整備するとよいでしょう。
⑥リモートワークはセキュリティに問題があるのではないか?
リモートワークをすると情報漏洩のリスクが高くなると考える人は少なくないでしょう。リモートワークの導入にあたっての大きなハードルの一つは、セキュリティに対する不安なのではないかと思います。
しかし、VPNやシンクライアントなどの技術を使用することによって、セキュリティの高い業務環境を作ることは可能です。
ただし、たとえこれらの技術を使ったとしても、情報漏洩のリスクを完全に無くすことはできません。誰かが故意に社内の情報を持ち出すかもしれません。また、誰かがうっかり社外の友人に社内の情報を話してしまうかもしれません。
ただしそれは、たとえ常時オフィスで働いていたとしても起こりえることです。つまり、「人」の問題であって、「働く場所」の問題ではないのです。
⑦リモートワークは限られた業界のみが導入できるものなのではないか?
リモートワークは限られた業界のみで導入するもので自社には適さない、と考えている方もいらっしゃるかもしれません
。確かに、「業務内容」一つひとつを見ると、リモートワークに向いているもの、向いていないものがあるのは事実です。しかし、企業全体として見ると、リモートワークが全く取り入れられない企業は少ないと考えます。
事実、テレワークデイズ2019(*5)の実施団体の業種を見てみると、小売業や医療福祉、建設、農業など、さまざまな業種の団体が参加しています。「うちの会社ではリモートワークは難しい」と判断してしまう前に、自社でもリモートワークできる業務はないか、探してみることをオススメします。
このように、リモートワークの導入にあたってはさまざまな不安がありますが、実はその不安の多くは思い込みによる誤解であることが往々にしてあります。今回の新型コロナウイルスの流行をきっかけとして、リモートワークの導入を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
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この度ハイマネージャーでは、リモートワークにおけるコミュニケーション課題の解決を目指し、10分で消える音声雑談サービス「RemoRoom」を
公開いたしました。
リモートワークでは、どうしても業務に関する話題が多くなってしまいます。また、コミュニケーションの中心は文字となるため、そうしたコミュニケーションは時に寂しく、無機質です。
オフィスで休憩中に交わされる、柔らかく暖かなコミュニケーションをリモートワークでも再現したい。そんな思いから、10分で消える音声雑談サービス「RemoRoom」が生まれました。
「RemoRoom」は、リモートワークにおけるチームのマネジメントをサポートし、社員のエンゲージメントや生産性の担保を目指します。新型コロナウイルスの流行を鑑みまして、「RemoRoom」は5月末まで無償で提供させていただきます。リリースは4月末を予定しており、事前登録の受付を現在開始しております。
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ハイマネージャー
OKRや1on1、フィードバック、人事評価などハイブリッドワークのマネジメントに必要な機能が全て揃ったピープルマネジメント・プラットフォーム「HiManager」の提供、及びマネジメント・人事評価に関するコンサルティングを行っています。
弊社CEOの森謙吾が、マネジメントに活きる知見を発信しています。フォローをお待ちしています!
*1 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf
*2 https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/hatarakikata/telework/donyu/index.html
*3 https://hbr.org/2014/01/to-raise-productivity-let-more-employees-work-from-home
*4 https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/index_pdf.html
*5 https://teleworkdays.jp/data/