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新年に寄せて─継続的パフォーマンスマネジメントの原点、AI時代の変革、そして「人×AI」で実現する次世代型コンサルティングファーム

はじめに
新しい年の幕開けにあたり、皆さまいかがお過ごしでしょうか。ここ数年で、ビジネス環境は大きく変わり、それと同時に組織・人事の在り方も激しく揺れ動いています。2023年から2024年にかけては、特に「AI(人工知能)」の進化が目覚ましく、HR領域においてもAIを活用した新しいサービスや仕組みが次々と登場しました。世界的なカンファレンスや展示会では「AIがSaaSを呑み込む」「エージェントが人間のUIになる」といったキーワードが目立ち始めています。

LayerX福島さんのnote

マネーフォワード辻さんのnote

Algomatic高橋さんのnote

こうした大きな潮流の中、私たちハイマネジャーも「次の一手」を考えるタイミングに来ています。もともとは「継続的なパフォーマンスマネジメント」をSaaSで実現したいという想いから始まり、人事制度のコンサルティングや運用支援も合わせて提供するBPaaS(Business Process as a Service)という形に進化してきました。
しかし、いまさらなるステージとして、「人×AIのハイブリッド」による新しいコンサルティングファーム像を描き始めているのです。

本稿では、以下の3つの構成に沿って、ハイマネジャーが抱くビジョンと新年に向けた意気込みをまとめました。

  1. 継続的なパフォーマンスマネジメントの原点──BPaaSで走り続けたこれまで

  2. AI時代の到来──SaaSを呑み込み、組織・人事を一変させる変革の波

  3. 次世代型コンサルティングファームへ──「人×AI」のハイブリッドによるクラウド伴走支援の未来

それではさっそく、1つ目のテーマから見ていきましょう。

1.継続的なパフォーマンスマネジメントの原点──BPaaSで走り続けたこれまで
1-1. 年次評価だけでは変化に追いつけない
私たちハイマネジャーが軸として掲げてきたのが、「継続的なパフォーマンスマネジメント」です。これは、年1回(または半期に1回)の評価面談でしかフィードバックが得られないような“年次評価型マネジメント”を見直し、より短いサイクルで目標設定や評価を行い、リアルタイムなフィードバックを重視する考え方を指します。

高速でフィードバックを行うことで、生産性とエンゲージメントが向上

ビジネス環境の加速化と若手世代の価値観変化
なぜこの仕組みが求められるようになったのか──そこには大きく4つの背景があると考えています。

出典:PwC データドリブンのマネジメント再構築とエンゲージメント向上

1.ビジネス環境の加速化
AIやデジタル技術の進化にともない、市場や顧客ニーズの変化がかつてないほど早くなっています。1年後にはまったく違う課題が立ち上がっていることも珍しくありません。そんな中、年次ベースの目標設定ではスピードについていけず、社員も「いつの間にか評価軸がズレていた」という事態に陥りがちです。

2.若手世代の価値観変化
SNSやスマホが当たり前になった世代は、投稿すれば数秒で“いいね”やコメントが返ってくる経験を日常的にしています。仕事においても「リアルタイムで、自分が正しい方向に向かっているか知りたい」「プロセスを評価してほしい」といった欲求が強まっています。しかし、昔ながらの年1回評価ではフィードバックの間隔が長すぎ、モチベーション維持が難しくなるのです。

出典:PwC ジャーニーマップで経験価値を見える
化~エンプロイー・エクスペリエンス施策の導入ステップ~

3.テクノロジーの普及によるコミュニケーション手段の変化
クラウドツールやオンライン会議システムが一般的となり、社員同士がリアルタイムに情報を共有したり、フィードバックし合うハードルが大きく下がりました。さらには2020年以降、リモートワークが急激に増えたことで「どこにいても、こまめに状態を確認しあう」文化がいっそう必要になっています。

ハイブリッドワークイメージ(ChatGPTにより作成)

4.働き方の多様化
パートタイムや業務委託など、多様な雇用形態のメンバーが混在する環境が生まれています。年次評価型の仕組みだけでは“組織全体を一律に”評価するのが難しくなり、日常的なやりとりやフォローが欠かせなくなっているわけです。

ヒエラルキー組織からネットワーク型組織に変化

先進企業による「継続的フィードバック」へのシフト
こうした背景から、Google、Facebook、Yahoo、メルカリ、楽天、パナソニックといった企業が「OKR(Objective and Key Results)」「週次1on1」「アジャイルな目標管理」などを取り入れ、短期的に目標を立てては振り返り、次のアクションを決める仕組みを強化してきました。海外ではGEやアドビ、デロイトなどが年次評価を廃止し、“いつでもフィードバック”へ舵を切った事例がよく知られています。

高速でフィードバックを行うことで、生産性とエンゲージメントが向上
海外企業は継続的なパフォーマンスマネジメントにシフト
国内企業も継続的なパフォーマンスマネジメントシフトする企業が多数

私自身、以前在籍していたPwCでの経験を通じ、こうした流れが世界中で加速しているのを肌で感じました。“パフォーマンスマネジメント”は単なる評価制度ではなく、社員一人ひとりの成長やモチベーションを高め、組織全体が変化に適応するための要といっても過言ではないのです。

1-2. ハイマネジャー誕生──SaaS単体から始まった挑戦
「まずはクラウドツールで実現しよう」
この流れに呼応するように、ハイマネジャーは2018年頃から「継続的なパフォーマンスマネジメントをクラウドで簡単に実践できるSaaS」を提供し始めました。具体的には、
1on1のログ管理:週次・隔週などの短いサイクルで行われる面談の記録やTODO管理
OKR/MBOの設定・可視化:社員とマネジャーが共有し、進捗をリアルタイムに確認
評価シートのクラウド化:期末やクォーターごとに評価を行う際の手間を減らす
といった機能を中心に設計し、まずはスタートアップやIT企業を中心に導入が進みました。導入企業からは「データが一元管理できて便利」「1on1が習慣化しやすくなった」などの声をいただく反面、「ツールを導入しても、人事制度や運用体制そのものを変えないと根付かない」という課題も浮上したの
です。

HiManager SaaS
HiManager SaaS
HiManager SaaS

SaaS導入だけでは不十分──運用や制度設計への踏み込み
例えば、若手の離職を防ぎたいという目的で導入しても、「実際に1on1のやり方をマネジャーが理解していない」「そもそも既存の評価基準が年次評価前提になっている」など、土台が整わなければせっかくのツールも活かしきれません。さらに、日本企業には独自の昇給・昇格慣習や、長年使われてきた職能等級制度があり、「一部だけ新しい仕組みに変えてもうまくいかない」というケースが多々ありました。
こうした現実を目の当たりにし、「SaaS単体」ではなく、制度設計や運用支援、さらには現場での研修や伴走サポートを組み合わせる必要があると痛感したのです。

1-3. 「BPaaS」への進化──継続的なマネジメントを実装する伴走支援
コンサル+運用+SaaSをまとめて提供
そこで私たちが辿り着いたのが「BPaaS(Business Process as a Service)」というモデルです。これは、単なるクラウドツール提供(SaaS)だけでなく、
人事制度設計支援:既存の評価項目や等級定義を見直し、継続的フィードバックに合う形へリニューアル
研修やワークショップ:マネジャー向けに1on1のやり方、OKRの設定法、フィードバックのコツなどを指導
運用代行・伴走:導入初期は私たちが一緒に運用し、質問やトラブルにも即対応する
といったサービスをセットで提供することで、「継続的なパフォーマンスマネジメント」そのものを組織に根づかせることを目指します。

このモデルは、スタートアップ、地方の中堅企業、大企業の新規事業部門やデジタル部門など、さまざまなクライアントにマッチし、わずか数年で大きく拡大しました。

「BPaaS」について質疑応答形式でご説明します
「BPaaS」について質疑応答形式でご説明します
人事制度の設計からマネージャー研修、SaaSやBPOによる運用支援

若手の定着、評価制度刷新、現場の混乱解消
BPaaSが評価された背景には、「自分たちだけでは変革を進める余裕がない」というニーズがありました。経営者や人事部門が「このままでは若手が辞めてしまう」「変化に対応できず、時代に取り残されてしまう」と危機感を抱いたとき、外部の専門家がツール・ノウハウ・伴走支援を一括で提供してくれるのはとても心強い。実際、多くのクライアントが「まずは人事制度から刷新して、年間の評価基準を変えたい」「マネジャーとの面談頻度を上げて、目標管理をこまめにしたい」という目的でBPaaSを導入し、大きな成果を上げました。
こうして私たちは「継続的なパフォーマンスマネジメントを、BPaaSという形で実装するプロフェッショナル」としての地位を確立してきたのです。

ハイマネージャーにてBPaaSとして200社以上をご支援

2.AI時代の到来──SaaSを呑み込み、組織・人事を一変させる変革の波
2-1. ラスベガスHR Techで体感した衝撃
2023年、私自身が5年ぶりにラスベガスで開催されたHR Techカンファレンスに参加した際、AIの進化と普及具合に大きな衝撃を受けました。2019年頃までなら「AIはこれから来る」と言われていた段階でしたが、今回は「AIがすでに多数のSaaSを統合し、実際に使われている」現状を目の当たりにしたのです。
セールスフォースがエージェント型AIを組み込み、「音声やチャットで指示を出すだけで各種データの分析や入力が完了する」
ワークデイSAPも同様に、HR業務をエージェントがサポートし、採用面接や評価の一時的な代行を行う
AIエージェントが面談を録音・文字起こしして、要点をまとめ、次のアクションプランを提案する
これらのデモは、従来なら「人が画面を操作して行う」作業を、AIが自然言語のやりとりだけで済ませてしまうものでした。「SaaSのUIがまるごとAIエージェントに置き換わる」といっても過言ではないほど、さまざまな領域で“AIが当たり前”になりつつあるのです。

出典:HR Technology 2025: An Existential Change Driven By AI
出典:paradox.ai

2024年のHRテックカンファレンス振り返りはこちら

過去の参加レポートはこちら

2-2. AIがSaaSを「呑み込む」というインパクト
ユーザーインターフェースとしてのSaaSの消滅
ここでよく使われる表現が「AIがSaaSを呑み込む」というものです。これは、画面でボタンやフォームを操作していた既存のSaaSの姿が、チャットや音声でAIに話しかけるだけで同じ結果を得られるようになることを意味します。つまり、従来のGUI(Graphical User Interface)がAIを介したCUI(Chat-based User Interface)や音声インターフェースにシフトし、ユーザーは「SaaSの存在を意識しなくなる」わけです。

SaaS 企業が AI ファーストに移行しなければならない理由

従来の競争優位性の喪失:
従来の SaaS は、独自の技術や機能によって競争優位性を築いてきました。しかし、AI の進化により、これらの技術や機能は容易に複製され、差別化が困難になっています。Khachab 氏は、GPT のような AI がコードを学習し、既存の SaaS 製品を短期間で複製できるようになると予測しています。

AI による破壊的イノベーション: AI は、SaaS 製品そのものを根本的に変革する可能性を秘めています。例えば、従来の複雑な UI/UX は、AI を活用したシンプルなプロンプトベースのインターフェースに置き換えられる可能性があります。顧客は、AI によって提供されるよりパーソナライズされた、効率的なサービスを求めるようになり、従来型の SaaS は顧客の期待に応えられなくなる可能性があります。

人材の重要性: AI ファースト企業への転換には、AI スキルを持つ人材が不可欠です。Khachab 氏は、AI 人材の獲得競争を「冷戦」と表現し、その重要性を強調しています。また、既存の従業員に対しても、AI スキルを習得するための研修や教育プログラムを提供し、AI 時代に対応できる人材育成が急務であると述べています。

AI ファースト企業への転換
Khachab 氏は、SaaS 企業が生き残るためには、以下の3つのポイントを重視し、AI ファースト企業へと転換する必要があると主張しています。
AI を活用した製品開発: AI を製品開発に統合し、顧客に新たな価値を提供する。例えば、AI を活用した顧客サービスの自動化、パーソナライズされた製品レコメンデーション、予測分析による業務効率化などが考えられます。

AI スキルを持つ人材の育成: 従業員の AI スキル向上に投資し、AI 時代に対応できる組織を構築する。AI の基礎知識から、AI モデルの開発、実装、運用まで、幅広いスキルを習得するためのプログラムを提供する必要があります。

AI を活用した業務効率化: 社内業務に AI を導入し、効率化とコスト削減を図る。例えば、AI を活用したマーケティングオートメーション、営業活動の効率化、人事管理の自動化などが考えられます。

AIは本当にSaaSを倒すのか?「労務×AI」開発の視点で、専門性と技術について考えた。

たとえば人事評価であれば、「各マネジャーがシステムにアクセスして評価シートを書き込み、承認ルートを回し、データをエクスポートする」という一連のフローが、AIエージェントへの対話で完結します。

マネジャー「Aさんの今期の目標達成度ってどのくらいだっけ?どこまで進んでる?」
AIエージェント「OKR進捗率は80%です。ワンオンワンのログを見ると、あと●●の点をクリアすれば最終ゴールに到達できます。評価のドラフトを作成しましょうか?」
マネジャー「うん、お願いします。評価のドラフトを作成して」
こんな具合に、AI側が裏でデータを取ってきて処理し、評価ドラフトを提示。マネジャーは少し修正して最終決定、という流れが実現します。「評価シートを開く」「タブを切り替える」といった操作は姿を消し、まさにAIエージェントがフロントエンドとなるのです。

スピード感と効率性の飛躍的向上
この変化はユーザー体験を大きく変えます。
入力の手間が激減し、操作が直感的になる
必要な情報をAIが自動でまとめ、提示してくれる
導入コンサルや設定が少なくなり、“試してすぐ使える”
結果として、誰もが評価やフィードバックをリアルタイムに行いやすくなり、組織の生産性も上がる。まさに“AIが継続的パフォーマンスマネジメントを加速する”未来が見えてくるのです。

2-3. AIエージェントが「4つの変化」を強烈に後押しする
前章で挙げた「4つの変化」(ビジネス環境・若手世代の価値観・テクノロジー・働き方)を、AIエージェントは一気に押し上げる可能性があります。

再掲 出典:PwC データドリブンのマネジメント再構築とエンゲージメント向上

ビジネス環境の加速化
AIが支えてくれることで、企業はさらに高速な意思決定・施策実行が可能に。1年間寝かせる評価プロセスではなく、日々・週単位で社員の状況を確認し、素早く目標を修正する文化が根づくでしょう。

若手世代の価値観変化
リアルタイムにフィードバックを受け取りたい若者にとって、AIエージェントによる“いつでも質問できる窓口”は大きな強みです。SNS感覚で、仕事の進捗や困りごとをすぐに投げかければ、アドバイスが返ってくる環境が理想的と言えます。

テクノロジーの進化
「AIがSaaSを呑み込む」という表現が示すように、テクノロジーそのものがサービスやビジネスを根本から変えています。クラウド導入の次には、AIエージェントが標準搭載される時代が到来するでしょう。

働き方の変化
リモートやフレックスなど、時間・場所に縛られない働き方が当たり前になる中、AIエージェントが“24時間”サポートできる意義は大きい。深夜や早朝に作業する人でも、いつでもアシストを得られるのです。

次世代型コンサルティングファームへ──「人×AI」のハイブリッドによるクラウド伴走支援の未来

3-1. ハイマネジャーが目指す「次世代型コンサルティングファーム」
こうした状況を踏まえ、私たちハイマネジャーは「人とAIが協働する新しいコンサルティングファーム像」を目指しています。具体的には、これまでBPaaSとして培ってきた
人事制度設計のノウハウ
運用支援・伴走の経験
SaaS開発・活用の技術基盤
に加えて、AIエージェントの強みをフル活用し、クライアントが抱える組織・人事の課題を“リアルタイム”で解決していくモデルです。

AIを活用する事で、人事制度設計から研修、運用まで一気通貫でご支援
既存の提供しているサービスにAIを組み合わせていく事でスピードアップと質を高める

AIエージェントへの道筋が分かりやすくまとまっております。
https://note.com/flucle/n/n9d1c6886affe

AIは本当にSaaSを倒すのか?「労務×AI」開発の視点で、専門性と技術について考えた。

コンサルティングファーム × ソフトウェア開発企業 × AI
今まさに起きているのは「コンサル企業がソフトウェアを提供し、ソフトウェア企業がコンサル部門を持ち、AIによって両者の垣根が消えていく」という現象です。海外ではマーサーをはじめ大手コンサルファームが自社開発のツールを積極的にリリースし、BPaaSの売り上げが全体の4割近くを占めるケースもあります。日本国内でも、同様の動きが加速するでしょう。

ハイマネジャーは、単なるSaaSベンダーでもなければ単なるコンサル会社でもありません。そこにAIラボ的な機能も加え、「自社のAIエージェント開発」「コンサルタントのノウハウを学習させたAIチャットボットの提供」「リアルタイムにクライアントを支援する運用チーム」を一体化させていく構想があります。

3-2. 「人が本当に寄り添うところ」と「AIが自動化するところ」の棲み分け
AIの長所:瞬発力と広範な知識
AIが得意とするのは、膨大なデータの処理とパターン分析です。たとえばクライアント企業が過去に蓄積した1on1のログや評価記録をすべてAIが読み込み、「Aさんの働き方パターンは3か月周期でモチベーションが上がり下がりする。前回はこんな言葉が効果的だった」というような示唆を瞬時に導き出すことも可能でしょう。また、他企業の事例を大量に吸収し、「似た規模とフェーズのスタートアップでは、この評価制度がうまくハマっていた」とレコメンドしてくれるかもしれません。

人間の強み:共感力と柔軟性
一方で、“人間らしい”感情や文脈への深い理解、互いに腹を割って話す場づくりなどは、まだまだAIには困難な領域です。組織の価値観や企業文化、地方独特の商慣習、メンバー間の人間関係など、AIのロジックだけでは測れない複雑性があります。そこにコンサルタントや伴走支援者としての「人」が介在することで、AIでは拾いきれないニュアンスやマインドセットを適切に取り扱えるのです。
ハイマネジャーとしては、「AIは並走・補助役としてのスーパーツール」「人間はコンサルティングと共感で“最後の一押し”を担う」という棲み分けを重視します。私たちが目指すのは、“AIに使われる”のではなく、“AIをうまく活用して、人間ならではの価値を最大限発揮する”状態なのです。

3-3. 具体的に実現したいAI×人のハイブリッド
1. 人事制度設計のスピードアップ
BPaaSでも人気の高い「人事制度設計・刷新」のサービスでは、現状、私たちコンサルタントがクライアントから詳細なヒアリングを行い、等級定義や評価基準を一から組み立てています。今後はAIが初稿やサンプルプランを自動生成し、コンサルタントが企業文化や独自要素を加味して仕上げる形に進化するでしょう。作業時間を大幅に短縮でき、より多くのクライアントを支援できるメリットがあります。

人事制度設計に必要な要素をHiManager AIエージェントが確認
内容を確認して人事制度を設計
AIエージェントがすぐに人事制度のドラフトを作成

2. 目標設定、1on1やフィードバックの自動アシスト
社員同士の1on1や上司から部下へのフィードバックを、AIエージェントが積極的にサポートします。たとえば「Aさんは前回、評価面談で“新規案件の提案スキルを磨きたい”と言っていた。進捗を確認しますか?」とAIがリマインドしてくれる。あるいは「次の1on1では、Bさんのモチベーションが最近下がっているようなので、●●を話題にするとよいかもしれません」と提案する。ちょっとした気づきを自動化することで、マネジャーの負担を減らし、組織全体のフィードバック文化を高められます。

AIが1on1相手と話すべき推奨アジェンダを個人にあった形でレコメンド
HiManager上のデータを参照して、推奨アジェンダを作成

3. 評価ドラフトやレポートの自動生成
期末や四半期ごとの評価時に、AIが過去のログや目標達成度、Slackやドキュメントの成果物などを抽出して「評価ドラフト」を作成。マネジャーはそれをもとに微調整やコメント追加だけを行い、最終版を確定する。評価業務の効率化にとどまらず、社員からすれば「自分の成果をきちんと拾ってもらえた」という安心感も得やすくなります。

AIがフィードバックを添削

4. 24時間対応の相談窓口
クライアントが深夜や早朝など、コンサルタントが対応できない時間帯に疑問を投げかけても、AIがまず一次回答を提示する。そして、翌日コンサルタントがその回答をレビューし、追加の提案や微修正を行う。これによって“いつでも相談できる安心感”を提供できます。まさにコーチやカウンセラーのような存在感を、AI×人のハイブリッドで実現するわけです。

AIエージェントがマネジメントにおいて何をすべきかをデータを元に回答

3-4. 「相談相手であり続けたい」という想い
弁護士・コーチ・カウンセラーのような存在を企業向けに
私自身、過去に「C向けのオンラインカウンセリングやコーチングを展開したい」という想いを持っていたことがあります。人は誰しも、仕事やキャリア、人生の迷いを抱える瞬間があり、「そのときに話を聞いてくれる人がいるだけで、大きく救われる」という体験は少なくないでしょう。組織における上司や同僚、あるいは外部のコンサルタントやカウンセラーがサポートしてくれるならば、モチベーションは保たれ、良い方向に舵を切り直すことができます。

herに出てくるAIのような寄り添ってくれる存在

BPaaSとAIで個別の悩みに即対応
企業向けのコンサルティングにおいても、同じような場面が数多く存在します。人事担当者や経営者が、「この制度で本当にうまくいくのだろうか」「若手が辞めそうで困っているけど、どう対応したらいいのかわからない」と悩むとき、「とにかく気軽に相談できる相手がいる」ことが何より大切です。BPaaSはこれまで私たちが人力で支援してきましたが、ここにAIが加わることで、よりスピーディーかつ的確な初期回答が得られ、人間のコンサルタントはよりハイレベルなサポートに注力できるようになります。

「困ったら、まずハイマネジャーに連絡してみよう」と思ってもらえる企業が増えれば増えるほど、私たちは熱をもってクライアントに寄り添い、組織の課題を解消し、さらなる成長へと導く存在でありたい──この想いが、次世代型コンサルティングファームを志向する原動力です。

イメージしているサービスとしては、Josh BersinのGalileoです。
AIエージェントとして、Josh Bersinの知見を基に何でも相談に乗ります。

3-5. 新年に向けての決意──「クライアントを本気で支え続ける」
ここまで述べた3つの章を総合すると、ハイマネジャーとしてのビジョンは以下のとおりです。

  1. 従来からの軸「継続的なパフォーマンスマネジメント」をさらに深化させる
    年次評価に縛られないアジャイルなマネジメント手法
    ・PwC(人事コンサル)で培ったノウハウと、SaaS機能をフルに活用するBPaaSモデル
    ・それぞれの企業に合わせた伴走支援で、目に見える成果を出す

  2. AI時代がもたらす大きな変革を受け止め、リードしていく
    ラスベガスHR Techでの衝撃をはじめ、すでに世界各地でAIエージェントがSaaSを統合し始めている
    ・人事評価や採用、フィードバックといったプロセスが劇的に効率化・高度化する
    ・ユーザーインターフェースがAIエージェントになる流れは止まらない

  3. 「人×AI」による次世代型コンサルティングファームの確立
    • AIが得意な瞬発力・データ分析力と、人間が持つ共感力・柔軟性を組み合わせる
    • クライアントがいつでも相談できる環境を整え、本気で寄り添い続ける
    • コンサル企業でもあり、ソフトウェア企業でもあり、AIサービス提供者でもある──そんな新たな存在になる

    新しい年こそ、未来を切り開く挑戦を
    新年を迎えるにあたり、改めて私たちは「常にクライアントの側にいて、困ったときの最初の相談相手でありたい」という熱い気持ちを強くしています。1年に1回だけ顔を合わせるのではなく、“継続的な”伴走が鍵を握るのは、私たち自身がBPaaSというモデルを通じて実感してきたことでもあります。

    さらに、AIが急激に進化していく今こそ、私たちコンサルタントの在り方も変わらなければなりません。人間の役割はAIに奪われるのではなく、AIを使いこなし、より高次の価値を提供する方向にシフトする。それは「弁護士やカウンセラーがAIを活用して業務効率を高め、より繊細な相談に集中する」構図にも似ています。私たちも、人事・組織の専門家として、AIを活かしつつ“現場が取りこぼしてしまいがちな感情”や“企業文化を織り込んだ最適解”を提案し続けたいのです。

    おわりに──熱意を胸に、新たなステージへ
    以上、3つの視点(1. 継続的パフォーマンスマネジメントの原点とBPaaS、2. AI時代の変革、3. 次世代型コンサルティングファームの構想)を軸に、ハイマネジャーが今考えていることをまとめました。

    ①「継続的なパフォーマンスマネジメント」は、年次評価からリアルタイムフィードバックへという世界的な流れの中で、企業の変化対応力を底上げする重要な仕組みです。私たちはSaaS単体から出発し、BPaaSという包括的支援に進化することで、多くのクライアントと伴走してきました。

    ②AIがSaaSを呑み込み、エージェントとして企業や個人を支援する時代が加速しています。ラスベガスHR Techで目にしたように、AIが迅速かつ柔軟にデータを処理し、自然言語だけでタスクを完了する世界がすぐそこに来ています。

    こうした変化を受け、ハイマネジャーは「人×AI」のハイブリッドによる次世代型コンサルティングファームを目指します。AIが得意とするデータ処理・パターン分析と、人間が持つ共感力・戦略思考を組み合わせ、クライアントに24時間いつでも伴走する。弁護士やコーチ、カウンセラーのように“困ったとき、まず声をかけてもらえる存在”になることを本気で目指しています。

    新年のスタートに、この想いを改めて宣言させてください。私たちはこれまで同様、いや、これまで以上に「継続的なパフォーマンスマネジメント」を軸に据えながら、AIという新たな力を積極的に取り入れ、クライアントの課題解決に全力で臨みます。「変化を恐れず、新しい技術を使いこなし、人間がしかできない価値を届ける」──この姿勢を忘れずに、2024年、2025年へと突き進んでいきたいと思います。

    最後になりますが、私たちが掲げるビジョンは、実は一朝一夕で築けるものではありません。BPaaSで培ってきた経験をさらに深めつつ、AIの知見も日々アップデートしながら、さまざまなクライアントの皆さまと共に走り続ける中で、形を整えていくものだと考えています。何かあればいつでもご連絡ください。ハイマネジャーは「弁護士のような存在になりたい」「コーチやカウンセラーのように寄り添いたい」という想いを胸に、常に皆さまの力になれるよう準備を整えています。

    どうぞ本年も、ハイマネジャーをよろしくお願いいたします。一緒にこの変化の激しい時代を駆け抜け、“継続的フィードバック”をもっと世の中に広め、“AIと人間の共創”による新しい価値創造を推進していきましょう。皆さまのご支援とご期待に、全力で応えてまいります。

ハイマネージャー株式会社 代表取締役森謙吾

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ハイマネージャー
OKR1on1フィードバック人事評価などハイブリッドワークのマネジメントに必要な機能が全て揃ったピープルマネジメント・プラットフォーム「HiManager」の提供、及びマネジメント人事評価に関するコンサルティングを行っています。
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