パフォーマンス・マネジメントと従業員エンゲージメントを結びつける4つの方法
従業員エンゲージメントとパフォーマンス・マネジメントほど、ビジネスの成功に影響を与える組み合わせはないでしょう。
エンゲージメントが高まれば、従業員は組織を成功させるために全力を尽くすようになります。
また、自分の努力がビジネスに具体的な影響を与えることが分かれば、ベストを尽くそうという気持ちになるはずです。
この好循環は、組織がこの2つを効果的に統合することで、大きな成果を生むことになります。
エンゲージメントの高い従業員は生産性と革新性を高め、その結果収益性と顧客満足度も向上します。
さらに、従業員が組織にとどまる可能性が高くなり、定着率にプラスの影響を与えます。
こうした関係を理解して育むことが、ビジネスの成功に深く関与し、高いパフォーマンスを発揮する従業員を育成する鍵となります。
この記事では、パフォーマンス・マネジメントと従業員エンゲージメントを結びつける4つの方法について解説します。
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パフォーマンス・マネジメントと従業員エンゲージメントを結びつける4つの方法
方法①|目標設定は組織のパフォーマンスへの協力を生み出す
エンゲージメントの高いチームを作るためには、目標は欠かせません。
従業員は目指すべきものがあれば、明確な目的意識を持ち、最高の仕事をする力が湧いてきます。
しかし従業員の目標は、個人のモチベーションによるものよりも、むしろビジネス先導型であるのが一般的です。
心理学的に言えば、目標は興味深い課題を解決するといった内的要因ではなく、収益目標を達成するといった外的要因によって動機づけられていることが多いのです。
高いパフォーマンスと従業員エンゲージメントを実現するには、このような内的な報酬の感覚を育む目標を設定することが重要なのです。
従業員が自分の仕事が戦略的目標に与える影響を明確に理解することは、必ずしも容易ではありません。
管理職は、自分の仕事がなぜ重要なのか、部下がはっきりと認識するようにしなくてはなりません。
そのためには、従業員が自分の役割の基本的な目標を理解し、自分の貢献がビジネスにどのような影響を与えるのかを理解できるようにすることから始める必要があります。
人事チームは協力的なアプローチを活用することで、このポジティブな関係を最大限に高めることができます。
目標設定プロセスに従業員を参加させることは、従業員がビジネスの成果につながる現実的で有意義かつ公平な目標を設定する上で発言権を持つことを意味します。
データとしても、従業員が上司と一緒に目標設定に関与している場合、同世代の従業員よりも約4倍もエンゲージが高くなり、その結果、業績目標の達成に向かって努力する傾向が高くなることが分かっています。
方法②|フィードバックは従業員のパフォーマンスを向上させるために必須である
フィードバックは、私たちの仕事の満足度とパフォーマンスに大きな影響を与えます。フィードバックが発展性のあるものであれば、従業員は長期的に能力を向上させるために、自分の仕事ぶりについての具体的な行動指針を得ることができます。
また、定期的に発展的なフィードバックを受けている従業員は、組織に対するコミットメントが高いことが分かっています。
最も効果的なフィードバックは、具体的な内容をその場で、あるいは可能な限りその場に近い状態で行うことです。
組織は改善すべき点について定期的に対話する機会を設けることで、健全なフィードバック文化を醸成することができます。
個人面談は新たな問題に取り組むための効果的な方法であり、定期的な業績評価は従業員がフィードバックを長期的な目標につなげるのに役立ちます。
またフィードバック文化を定着させるには、管理職がコミュニケーション能力と共感能力を身につけ、思慮深いフィードバック会話を行えるようにすることが重要になります。
神経科学における多くの研究が、私たちがフィードバックという言葉に対してネガティブなバイアスを持っていることを示しています。
つまり生物学的なレベルで、従業員はフィードバックを聞くと防衛的な気持ちになりやすく、良い会話にはつながらない可能性があります。
管理職は、このようなバイアスを認識した上でフィードバックに臨むことが重要です。
『今この会話をしてもいいかどうか』と自分自身に問いかけ、従業員の行動の影響とそれを変えるために何ができるかについて、協力的かつ問題解決的な対話を始める必要があります。
そうすることで、明確さ、共感、そして改善へのコミットメントを得ることができるのです。
方法③|承認と賞賛は従業員のエンゲージメントを高める
ビジネスにおいて、賞賛と承認は高いパフォーマンスとエンゲージメントを推進するために不可欠な要素です。
なぜなら、この2つは私たちの内的な有能感や自信を高め、仕事の満足度に直結するからです。
フィードバックと同様、賞賛は効果的に伝えることが重要です。
なぜなら、「よくやった」と言われるのは嬉しいことですが、それだけでは、次に同じ行動をするための力には繋がらないからです。
従業員の長所に注目しその貢献を認めることが、従業員のエンゲージメントを高めるという重要な研究があります。
私たちは皆、自分の努力に対して感謝されたい、認められたいと願っています。
褒めるということは、従業員が何をしたのか、何が特別だったのか、何が違っていたのか、その本質を理解することです。
そして、その従業員がいつ、どのような行動をとったのか、具体的な事例を提示する必要があります。
それが長期的な行動形成につながるのです。
効果的に褒めるには、役割に関係なく誰もが権限を与えられ、安心してフィードバックできるような文化を作ることが大切です。
方法④|定期的な業績評価により従業員の成長を将来の目標につなげる
従業員の育成やパフォーマンス・マネジメントというと、年1回の人事考課、または従業員の仕事ぶりがどのように企業業績に好影響を及ぼしたかを考えることが多いのではないでしょうか。
しかし、長期的なビジネスの成功のためにこれらの指標を最大限に活用するには、従業員が成長する機会を創出することが重要です。
2021年のキャリアアップに関する調査によると、76%の従業員が、十分な成長機会がなければ仕事を辞める可能性が「ややある」または「非常にある」と回答しています。
一方、回答者の約半数は、より良い成長機会のある新しい職務を積極的に探しているか、検討しているとの結果となりました。
つまり、従業員が自分のキャリア開発に自分たちと同じように会社が投資してくれていると感じられなければ、他へ移ってしまう可能性が高いということです。
このように、売り手市場において効果的なパフォーマンス・マネジメントプロセスを導入することは、競争力を高めることにつながります。
個人的成長のための対話をするには、構造化されたフレームワークと定期的なサイクルを導入することが重要です。
組織によっては、毎年の業績評価プロセスの一環として個人的成長に関する会話を行うところもありますが、1年の間に変化するニーズを見逃してしまう可能性が高くなります。
つまり、従業員が自分のキャリア開発に自分たちと同じように会社が投資してくれていると感じられなければ、他の会社に移ってしまう可能性が高いのです。
従業員にとっては、たった1時間のセッションと3ページの用紙でその年の業績を総括することになるのです。
これでは、従業員の業績が一面的にしか見えません。
仕事はダイナミックなものであり、従業員のキャリアゴールは業績評価ごとに変化します。
従業員の目標が変化していることを確認し、それに応じた対話をしなければ、従業員のやる気を失わせることになりかねません。
まとめ
パフォーマンス・マネジメントと従業員エンゲージメントを効果的に統合すれば、それぞれの和を超えた効果を発揮する強力な組み合わせとなりえます。
しかし、両者のROIを真に長期的に最大化するためには、組織は両者を統合する方法を見つける必要があります。
そしてその方法として、従業員の成長、フィードバック、賞賛の必要性を継続的に構築するプロセスと規範を開発するためのツールがあります。
パフォーマンス・マネジメントと従業員エンゲージメントの統合の重要性を理解した上で、積極的な接続をしたい方は、ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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