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組織の生産性を高める効果的な目標設定への第一歩

「組織の生産性が上がらず困っている...」

生産性という言葉は、組織課題としてよく話題に上がりますが、多くの企業が生産性の向上のために様々な施策に取り組まれ、苦戦しているのではないでしょうか。

勿論、短期間で生産性を上げることは難しいですが、多くの組織を見る中で、着実に生産性が上がっていく組織と、長い時間をかけても一向に生産性が上がらない組織が見受けられます。

今回は、なぜそういった組織が生産性を上げられないのか解説し、その上でどの会社でも必要になる共通項として組織の生産性を上げるために効果的な目標設定について、お話していきます。


「組織の生産性が上がる」とは何か

そもそも「組織の生産性が上がる」とはどんな状態を指しているのでしょうか。

この定義がないまま、またはブレていることで、生産性を上げられず失敗しているケースがあります。まずは、生産性の定義を合わせるところから始めましょう。

私たちは生産性の定義を下記2点だと考えています。 

1.結果が最大化されること
2.より楽に同じ結果を出せること

つまり、「組織として追うべき結果がより大きくまたはより楽に出せるようになること」です。またここでよく業務効率化とセットで語られることがありますが、業務効率化はあくまで手段の一つであり、結果につながっているかという視点が大切であると考えています。

現場でよくある目標設定の落とし穴

生産性について定義をしたら、次は何が必要でしょうか。

どれだけ生産性を改善するのか、目指すべきゴールを個々人と設定してあげる必要があると思います。
実はここで良くある目標設定の落とし穴があるのをご存知でしょうか。
よくある共通点をご紹介します。

具体的には、

①結果が曖昧になりすぎている場合
②数値にこだわりすぎている場合

があります。

さらに①結果が曖昧になりすぎているケースでは、

①-1 数値でおけるのにおいていない場合
①-2 進捗定義がはっきりしていない場合

という2通りのパターンが散見されます。

それぞれご説明します。

まず、①の「結果が曖昧になりすぎている場合」の一つ目である、①-1 数値でおけるのにおいていない場合についてです。
この場合は、例えば、「導入店舗の拡大」や「クライアントの声に応える」という目標になっていて、それぞれ数値が定義されておらず状態ゴールも曖昧なため、達成状況を後で定量で判断することができないことを指します。

また、①-2 進捗定義がはっきりしていない場合は、例えば「人事制度設計を完了させる」といった目標で、完了したかどうかは後で振り返りができるものの、進捗定義が曖昧なせいで、期中に状況の確認ができず、結局期末に蓋を開けてみたら何も進捗していなかったなんてことがあります。

そして、さらに厄介なのが、②の「数値にこだわりすぎている場合」です。数値にこだわりすぎており、本質的でないもの、とりわけ行動目標が目標としておかれていることが多いです。

この場合なにが厄介なのでしょうか。

実は、各人が目標を達成しているのに、結果として組織の生産性には大きく影響を与えないケースが発生するからです。
また、組織の生産性が改善しないだけであればまだましで、メンバーは目標達成をしたのに評価がされない事態が発生してしまい、メンバーの中で不満が生まれ、結果的に離反してしまうケースもあるのです。

例えば、「お客様に月10回ありがとうといっていただく」という行動目標が設定されていた場合、実際に10回以上達成した結果、何が得られるのでしょうか。また、こういった目標を達成したことで、昇級や昇格の判断をすることはできるでしょうか。

実際には、評価会議などで上司以外のチェックが入り、流石にこれでは評価ができないのではないか?という投げかけや調整が経営や人事から入ってしまうケースが多いのではないでしょうか。
その結果、目標達成したのに評価されないというメンバーの不満に繋がってしまうのです。

結果を示すことが生産性向上の第一歩

ここまでの話から、組織の生産性を高めるためには、組織の目標と紐づいた正しい結果指標をマネジメントすることが第一歩になると考えています。

そもそも目指すべき結果が正しく定義されず、目標設定がされていないならば、どんなに定期的なコミュニケーションや支援を手厚くしたとしても、どんなにhowをたくさん実行したとしても、生産性は変わらないのです。

では、どのように目標設定をすると良いのでしょうか。
先ほどのパターンに合わせて対応方法を解説していきます。

①-1 数値でおけるのにおいていない場合

これは、仮でもよいので数値を置きましょう。
正しい数値か上司もわからない場合は、進めていく中で変更することもOKとして、定期的に確認をして調整しましょう。

①-2 進捗定義がはっきりしていない場合

目標設定はそのままで、進捗の定義を設定し測定可能にしましょう。
目標達成までのマイルストーンを設定し、マイルストーンの消化率で測定していくのが簡便です。
例えば、人事制度設計なら、画像のように10段階のステップで組み立ていくとわかりやすいと思います。

②数値にこだわりすぎている場合

最終結果が何かを考え置き換えましょう。
その上で、前述した数値化またはマイルストーン化をしていくのが良いと考えています。

特に行動目標では、そもそも回数が測定できないものもあったりするため、数値にこだわるのではなく、そもそも何故行うのか?何を達成できたらそれができたといえるか?という視点で考えることが大切だと思います。

例えば、「ミス・クレーム0件」であれば、それ自体は至上命題のような目標で進捗を測定しづらいため、ミス・クレーム0件にしていくために必要なことを検討し、その中で今期取り組むべきこと(例えば、ミスが起きづらい仕組みの構築を目標とし、マイルストーンを置く)を目標とするのが良いでしょう。
また、先ほどの「お客様に月10回ありがとうといっていただく」であれば、それをなぜ設定するのか考えましょう。
その先には、顧客満足度を上げたい→それならばNPSを最終結果として数値で測定できるようにするのが良いと思っています。

結果ベースの運用が重要

ここまで、目標設定についてお話ししてきましたが、とはいえ中々思考のプロセスだけを意識的に変えていくというのは難しい話だと思います。
そのため、上司が部下のフォローをしていくことも重要ですし、結果ベースの運用を型にして各自が意識しやすい環境にすることも重要なことだと考えています。

その中で、比較的結果ベースの運用がしやすい目標設定のフレームワークがOKRではないでしょうか。 

OKRはオブジェクティブ・キーリザルトの大きく2項目を設定する方法で、オブジェクティブが状態目標、キーリザルトが結果指標となっており、結果を必ず設定するフォーマットになっています。
この結果を絶対設定しないといけないという点が重要です。
また、オブジェクティブがキーリザルトを目指す理由にもなっている関係性のため、より結果指標を考えやすいフォーマットでもあります。

勿論、OKRを導入したからといって、生産性に効果を発揮するまでには時間がかかります。
ただ、我々が実際に多くの企業様にご支援させていただいた経験則としては、「結果を目標として設定する」という意識の浸透は、比較的早く(導入後すぐに)効果として表れることが多いというのが体感値としてあります。
また、少なくとも誰の結果指標が明確で、そうでないかは把握しやすくなるため、経営・人事としても立て直しが早くなると思います。

また、各組織から提出された目標を専門外の人事では判断しづらく、指摘もしにくいという経験はありませんか。
この点でも、項目が分かれていることで判断がしやすくなり、品質担保のためのフィードバックもしやすい環境になると思います。
適切なコミュニケーションが増え、足りなかった観点が浮き彫りになると考えています。

OKRというのはあくまで一つの手段ですが、結果を設定する意識を整え、より楽に運用するために検討してみるのはいかがでしょうか。

まとめ

ここまでの話を振り返ると、以下3点がポイントになってくると思います。

1.生産性をあげるためには、結果を正しく目標設定しないと意味がないこと
2.目標設定にはよくある3つの落とし穴があり、是正しないと組織状況も芳しくなくなる
3.OKRなど最新のフォーマットを活用し、結果を設定する意識を整えることも一つの手段

ハイマネージャーでは、そのような環境を構築するための支援を続け、企業が持続的に成長し続けられるように貢献していきたいと考えております。
OKRを始めとして、マネジメントに関するご相談があれば、ご遠慮なくお問い合わせください。

また、「OKRについて詳しく教えて欲しい!」「実践よりの情報が知りたい!」というかたは是非こちらもご覧ください。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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