考えるヒント33 時間を長く感じる方法
先日投稿されたWebメディアGIGAZINEの記事「年齢を重ねても時間の経過を長く感じさせる方法」(*)について、思うところがありました。年齢を重ねると時間の経過が短くなる、これは実感としてもあり、小学校の1年にくらべると、ここ最近の1年、あっという間に、短く感じます。これは、自分に限ったことでなく、「年を取ると、若かったときに比べて時間があっという間に過ぎる」とは、19世紀の哲学者ポール・ジャネの主張は、「ジャネの法則」として知られているようです。
https://gigazine.net/news/20240229-why-time-seems-to-pass-faster-as-we-age/
で、なぜ、年を取ると、若かったときに比べて時間があっという間に過ぎるのか?自分の理解では、これまで生きてきた時間の割合が違うからと理解していました。たとえば、10歳と60歳の場合、分子は1日かもしれないですが、分母は10歳と60歳でだいぶ違うので、その分、10歳の1日1日が濃くて、長くて、60歳の1日は薄く、短く感じる、すなわち、年齢分母説というのでしょうか、年をとれば、誰もがそういう定めになるのではないかと。
が、この記事によると、これは年齢の関係というよりは、脳の構造にあるようです。というのは、効率的な記憶装置として進化した脳は、「新しいこと」、「驚くべきこと」については、強く反応して記憶する一方、繰り返す事柄については差分だけを保存するようになっているという主張です。なので、日々が新鮮な驚きに満ちあふれている子ども時代は、それだけ多くのことが記憶されますが、年を取って通勤や日々の仕事のようにパターン化した行動を取るようになると、日々が予測可能な内容で終始し、記憶される時間そのものが減少して、1日が短く感じられるようになると。
これは実感として納得できるのではないでしょうか。やはり、日々が新鮮な驚きに満ち溢れている子ども時代は時間の経過を長く感じて、一方、毎日会社にいくだけ、ルーチンワークの日々だとやはり驚き、刺激は少ないのではないでしょうか。一方で、この説は、最初の年齢分母説を良い意味で否定できますよね。というのは、60歳だろうが、80歳だろうが、どんなに年をとっても、新しい刺激、驚きに満ち溢れていれば、時間は長く感じると、たとえば、「いきなり海外の大学でサンスクリット語を学ぶ」、これは全く予想もつかない出来事なので、否が応でも、それは濃くて長い時間を感じざるをえないですね。
とはいえ、「いきなり海外の大学でサンスクリット語を学ぶ」というのは、あまり現実的ではないと思いますが、日々のルーチンを見直すというのは現実的かもしれないですね。ルーチンの時間を減らして、新しいことに挑戦する、こうしたちょっととした取り組みがルーチンの「自動運転モード」から抜け出すきっかけになるかもしれないです。3月もそろそろ終わりで、そろそろ4月の新年度スタート、これを機に新しい刺激、驚きを求めて、1日を長く感じたいと思いました。
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