闇堕ちしてしまったのは、ずっと信念だと思ってたことがそうじゃなかったから
完全に闇堕ちしていた。
ずっと弱い人たちを助けたいと思っていた。
それが自分の信念で使命だと思っていた。
けど、そもそも自分が弱いし、そう思っているうちはそれはかなわないとわかったからだ。
腹が減っていないのは明白だったので先生のところへ行った。
なんてことないことはスラスラ話せるのに、本当に大事なことは先生にはおろか誰にだって、自分でもなに言ってるかわからないくらいうまく話せない。
話そうとするとびっくりするほど言葉が出ない。スマホのメモを何度も見返し、カタコトのように言葉を絞り出す。うまく話せた気がまったくしない。
それでも先生は理解してくださった。
まず「よく来てくれたね」ということ。そして「その助けたいというのは到底無理だ」ということも教えてくれた。
その上で「もうその考えは見ないようにしてね」と。
結局朝食後に飲んでいたサインバルタをエビリファイに、今回みたいに不穏になってどうしようもなくなったとき用にも頓服として余分にエビリファイをもらった。様子見て1週間後にまた来てねと。
そして僕の連絡先と今後泊まる予定のおおよその場所を訊かれ診察が終わった。
先生に話をして少しホッとした。
その後夜11時くらいまでマクドで夜を明かすかどうするか悩みながら時間を潰して、結局大事を取って元町の快活CLUBの個室に泊まった。
途中、酔っぱらいなのかやたらに声がデカい若者が隣の部屋に来て目が覚めて「最悪だ…」と思ったが、「めっちゃせめ(狭)ーやん!」という声とともにドタドタと消えていった。
翌日。ここ数日腑抜けのようだったので、仕事しなきゃと思ったけど、やはり力が入らない。
三宮の某ビルにある自称セーブポイントでぼーっと回復を待ったけど埒が明かず、もう割り切ってとことん休もうと思い、阪急電車に乗って洛西口へ向かった。
迎えに来た送迎バスに乗って10分くらいの距離にある温浴施設に籠もった。
温泉に浸かり、サウナに入り、冬の寒空の下外気浴をし、ビールを飲み、すき焼き鍋を食べ、リグライナーでダラダラした。
ようやく闇から抜け出す兆しが見え始める。
「弱いものを助けたい」という僕の信念は、機能不全家族から生まれたもの。
そんなもん「信念」でもなんでもない。
ここでも書いたとおり、その信念みたいなもので動いている人をいいと思ったことがない。
機能不全家族で培われた信念みたいなものを「親を大事に」「家族を大事に」という世間一般と同じ尺度で見るから闇堕ちするんだ。
世間からずれて生きるしか術がないのに、世間からずれて闇堕ちしてどうする。
温浴施設からの帰りは3kmの道のりを歩いて下った。
大丈夫。どこまでも行ける。
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