レビュー「わたしの好きな映画10作品」 第三回 アウトサイダー
「アウトサイダー」
ダラスを演じたマット・ディロン、スティービー・ワンダーが歌う「ステイ・ゴールド」、それらが印象に残る作品です。ダイアン・レインが演じるチェリーは「ダラスには会いたくない、今度、会ったら、本気で好きになってしまいそう」、およそ、そのようなことを言っていましたが、それが示すようにマット・ディロンはカッコ良かったです。自暴自棄、結果、撃たれて死んでしまう場面もカッコ良かったですが、一方、ラルフ・マッチオが演じるジョニーの死は憐れを誘いました。仲間を助ける為に殺人を犯す、子供を助ける為に命を落とす、つまり、良心が災いしての不幸はやりきれない気持ちにさせられます。夕焼けが綺麗だと思う心が綺麗、およそ、そのようなセリフもジョニーにはあったかと思いますが、それを後押しするように映像が美しかったです。夕焼けは綺麗ですが、それは終わりを意味しています。美しいから終わるのか、終わるから美しいのか、そのようなことも考えさせられる作品でした。十代の頃の初鑑賞でしたが、教訓として、分かっていたはずなのに、時の流れの速さは思っていた以上だったことを痛感しています。