常燈寺(常世田薬師)の洞 銚子市常世田町
古刹に眠る石仏洞
常燈寺は東総の三薬師の一つで、常世田薬師の名でも親しまれれている。
寺内には国の重要文化財である木造薬師如来坐像が安置され、年一回、一月八日に開帳するという。
常燈寺本堂は1673年に建立されて以来、長らく大規模な修理がされなかったが、有志の寄付により2015年に大規模な修理が完了した。
参考サイト↓
そんな常燈寺の参道横に穴がぽっかりと口を開けている。
この規模の穴だと戦時下の地下壕ではないかと勘繰ってしまう。
洞内部の壁面には等間隔で石仏が配置されている。
入口付近の石仏は風化が激しい。
何故か訪問時の私は石仏の種類、銘文等を確認することをすっかり忘れていた。
洞内に電灯はあるが、年に一度の開帳日以外は灯らない。
洞は15m程進むと一寸先もわからない暗闇に包まれるので懐中電灯等は必須である。
暗闇の世界。
石仏洞とはいえ、かなり長い。
洞は直線ではなく、緩やかな曲がりを持って掘られている。
ここで問題が発生した。
懐中電灯が照らした床面に何かが上部からボタボタと落ちてきた。
そう、地下壕や防空壕ではお馴染みのゲジゲジである。
特に危害を加えてくるわけではないが、いつの間にかゲジゲジが上から落ちて自身の頭や肩を這いまわっていることがある。
そんな事態を回避するべく慎重に足を前へ進めた。
50m程進むと分岐に。
分岐の右側は一体の石仏が鎮座していおり、その背後は行き止まりである。
左側からは外光が。
連日の雨で洞内に雨水が流れ込んでいるのが見える。
西陽が差し込んで洞内を照らしている。
雨上がりならではの風情だ。
出口より振り返る。
なお、出口付近は洞内と外界で多少の高低差があり、坂になっている。
その坂は雨上がりには滑りやすくなるようで、私は写真を撮った直後、滑って転んでしまった。
雨上がりに訪れる際は注意が必要である。
境内より洞を見る。
洞は雨上がりの薄暗さの中で、幽暗に口を開けていた。