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見取り稽古が難しい理由

以前、読書感想文が苦手だったと書きました。
記事はこちら。

実は、読書感想文だけではなく、映画鑑賞の感想を聞かれても上手く答えられないことにも気がつきました。いや、実は薄々気づいていました。

どれだけ感動した映画であっても、その感動を人に伝えることは苦手です。デートで映画を見た後にも話を盛り上げることができずに撃沈するタイプといえばわかりやすいでしょうか。

どうして上手く伝えられないのだろうか?

最近、ようやく気がつきました。どうやら、何となく全体像を見てしまうから、言いたいことがぼやけてしまうようです。感動した部分だけ、一つだけに絞れば、それなりに伝わるのではないかと……

ただの妄想かもしれませんが、さっそく試してみようかと思ったのですが、最近、感動した映画は思いつかないので伝えられません。残念。

というか、映画すら観ていないことに気がつきました。TVドラマすらも観なくなってしまいました。少し前に「TOKYO MER」の映画を観ましたが、既に感動も薄れてしまい、何が面白かったのかもわからない状態です。

観る価値無し。


アドバイスを求めないでください

剣道も似たようなところがあります。

ただ何となく稽古をしているだけなのですが、人からよくアドバイスを求められるようになりました。おっさんは何でも知っているのでは?というイメージだけで。ただ、たくさん段を取った人というだけで。

しかしながら、ただ何となくぼけぇ~~っと稽古を見ているだけなので、ナイスなアドバイスはできません。残念ながら、たまにトンチンカンなことも言ってしまいます。

基本的に、技術的なことが全くわかっていないから困ったものです。特に試合に関することは全くわかりません。私にアドバイスを求めないでください。何せ、自分のことで精一杯なものですから。試合は全然勝てないし。

試合を見ていて、
「今の面打ち上手いなぁ~」
と思うことはあっても、どこがどう上手いと感じたのかは伝えられません。何故なら、全体を見てしまっているから。まさに遠山えんざんの目付けです。

遠山えんざんの目付けについては五輪書に書かれています。

眼の付け様は、大きに広く付るなり。
観見の二つあり、観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、近き所を遠く見ること、兵法の専なり。

五輪書より

兵法の専なので、ぼけ~~っと見ながら相手の気を感じることに専念しています。(ウソ)しかし、本来であれば、上手な人の動作ひとつひとつを分解し、理解することが上達への近道でしょう。

そのためにも見取り稽古は重要です。また、自分の稽古を撮影して動画で見るのも良いでしょう。強い人とどこが違うのか、何度も見て確認することをおすすめします。

見取り稽古は意外と難しい

剣道未経験者の方がお子さんの稽古や試合を何年も見ることで、目が肥えてくる可能性があります。「見取り八段」なんて聞くこともありますが、本当でしょうか。

実は、見取り稽古はかなり難易度が高いと感じています。正しい動作を理解していなければ、どのような違いがあるのかもわかりません。

たとえば、中学生が「カッコイイ!」と憧れる先輩の剣道は、高段者から見れば「蛇の道か?」と思しきものもあります。本当に、多々あります。そして、そういうところに限って子供たちはすぐに真似をする。困ったものです。

試合における有効打突の判定なども、よくSNS上で議論されているのを目にするのではないでしょか。答えは一つではないかもしれませんし、その場に居合わせていないと正しい判断はできかねます。

したがって、動画だけを見て判断することは難しいでしょう。そう考えると、実は簡単に見取り八段にはなれないのです。見取り四段くらいが関の山かと。

以前から紹介しています【上達の法則】には、下記の様に書かれていました。

上級者になると他者を見る目が変わる

上達の法則 岡本浩一著

つまり、上級者になることで、今まで見えていなかった部分が見えるようになるというもの。本当に実のある見取り稽古は、上級者にならなければ難しいのかもしれません。

具体的な変化については、下記の様に書かれていました

・他者の技能を見るのを楽しむ
・細かな手がかりから他者評価ができる
・他者の評価が早くでき、評価が明瞭である
・上級者の他者への評価は安定している
・他者への評価をすぐに表に出さない

上達の法則 岡本浩一著

重要なのは「細かな手がかりから」という点でしょう。では、剣道における「細かな手がかり」とは、どのようなものでしょうか。

細かな手がかりを見つけよう!

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