余裕が無い(精神的にも肉体的にも)
余裕が無い人は常に『前へ前へ』と身体がつんのめるような状態になっています。
この状態の時は交感神経の働きが強くなります。
周りが見えなくなる位に意識が向く、興味のある事があっても同じような状態になります。
交感神経が優位な状態は何かに集中して取り組む時にも働くので悪いことではなく、生きていく上でも当然必要な事です。
必要ではあるのですけど、ずっとその状態になり続けてると当然身体には無理がきます。
逆に副交感神経が優位になってリラックスしてる状態というのは『後ろに身体をあずける』とつくりやすくなります。
リクライニングのシートに身体を預けてるとそんな状態になります。
たまにリクライニング出来る椅子に座ってても背中を預けられない人もいたりします。
こういう人はかなり身体の緊張度合いが強いです。
背もたれに寄りかかってると日本人的にはだらしないと思われてしまう感じではありますが、ホントに身体を休めたい時はダラっと寄りかかってみるといいものです。
背骨は側面から見た軸よりも後ろにあるのが普通です。それを前に押し出してしまってる人が結構いる。
背骨が後ろへちゃんと位置してる人は背骨そのものを動かしやすいのです。
試しに少しだけ前かがみになった状態で身体を左右に捻ってみてください。おそらく上手く動かせない人の方が多い。
逆に背中が少し丸くなる位に後ろに引いて左右を向いてみると捻りやすいはずです。
胸椎は背中側に膨らむようにカーブしてるのが自然。このカーブが維持できてないと捻りは使えません。胸椎のメインの動きは『回旋』動作です。
この回旋動作をスムーズにするためにも自然な後ろカーブがあるといいのです。
何故か日本人って真っ直ぐに美徳を感じてしまうんですけど、自然界には真っ直ぐなモノはないんです。捻れたり、曲がったり丸まったりしてるものばかり。
武術では真っ直ぐとか、線を意識しますけども、それは『異界のモノ』、即ち人の動きではないモノを目指してる。
人間の目は人の動きのブレを認識して反応しています。そのブレを極力見せない事で反応を起こさせない。
相手が動きを認識出来なければ、スピードが遅くても反応が出来ませんからね。
話が脱線してしまいました。
情報が溢れすぎてせわしなく余裕が無い世の中です。
身体を後ろに預けてなるべく身体的に”余裕のある〟状態を作ってやると精神的にも良いのではないかなぁと思います。