0417 ビジョナリー・カンパニーZERO 通底するは”敬意”
読書感想文 ★★★★☆
1992年刊行のビヨンド・アントレプレナーシップのアップデート版。ビジョナリー・カンパニーシリーズの導入として読んでみるのもいいと思い購入。520ページとやや苦しんだがなんとか読了。自分にささったポイントは以下。
——— 最初に人を選ぶ
私たちは”何を(What)”を重視する文化に身を置いている。まず考えるべきは”誰を(Who)”だ。と筆者。この発想の転換は目から鱗。正しい仲間と協力しながら何かを成し遂げようとする努力の過程にこそ、大きな満足感が伴う。と。
——— リーダーシップとな何か?
“部下にやらなければならないことをやりたいと思わせる技術”この定義が胸にささる。部下に的確に指示しコントロールすることでも、怠けないように監視し管理することでもないわけです。方法は誠実に”語る”ではなく、誠実に”行動する”こと。理想とする社内文化のロールモデルになること。
——— 判断は”誤る”ほうが”しない”よりまし
リスクに関わらず正しいと思うことを実行する勇気が必要。分析のための情報は100%集まらないため、直感も組み合わせる。そして、”判断をする”そして実行することが重要。(結果は誰にもわからない…進撃の巨人リヴァイの言葉を思い出す)
——— この本のビジョンのフレームワーク
ビジョンは、コアバリューと理念、パーパス、ミッションで構成されている。
コアバリューと理念…会社の指針となる原則と信条の体系化。
パーパス…組織が存在する根本的理由。
ミッション…大胆で説得力のある野心的目標。
*How,Why,What…の順かな。
個人的には、NECソリューションインキュベーターのフレームワークがしっくりくる。
——— イノベーティブな企業とは?
アイディアはある。アイディアを受け入れる力が高い企業がイノベーティブといえる。なるほど。第一次世界大戦での連合国軍最高司令官のフォッシュは”気晴らしにはよいが、軍隊では飛行機は役に立たない”と言った。今の常識じゃ考えられない発言。いかにアイディアをつぶさず、まず実験して評価するまでいけるかが重要。
——— ベストはファーストに勝る
偉大な企業になるためには、クリエイティブなだけではだめ。規律ある組織をつくり、スケール(規模拡大)する能力が必要と筆者。つまり、ファーストであることより、それを拡大してベストにできる企業が優る。なるほど。
——— 偉大な企業の特徴に通底するテーマ
それは”敬意”。
刊行されているビジョナリー・カンパニーシリーズ