価格が映す日本の停滞 ディズニーやダイソーが世界最安値

少し前の日本経済新聞の一面の記事には大切な本質に触れられている。(topに添付)

以前配信させて頂いた私の動画でも説明させて頂いてるが、それは実質賃金停滞問題。

記事の中で、第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「今の価格差は為替では説明がつかない状況にある」と話す。

足元では企業の賃上げが鈍り、働く人の消費意欲が高まらない。その結果、物価低迷が続き景気も盛り上がらない「負の循環」が日本の購買力を落ち込ませているからだ。

つまり、実質賃金が上がらず、個人の購買欲を満たす事が出来なくなり、その内に諦めの境地になり、購買欲が失くなる循環になりつつある傾向が特徴だ。

経済協力開発機構(OECD)などによると、1997年の実質賃金を100とすると、2018年の日本は90.1と減少が続く。海外は米国が116、あの英国でも127.2など増加傾向にある。また東南アジア諸国も全て上昇傾向にある。

日本の製造業は米中貿易戦争などで業績が悪化傾向にあり、20年交渉も「一律賃上げは難しい」(電機大手)との声が漏れる。

一方、タイでは上昇する賃金や店舗賃料分がダイソー製品の価格に転嫁されている。それ故に、100円ショップであるダイソーは200円以上ショップとなっている。それでも購買力も高まっているタイの中間層の負担感は少ない。

私が度々紹介するタイ、パタヤにあるtea factoryというカフェレストランは3年前初めて私が行った頃はほぼ外国人の客しか居なかった。それは明らかに値段設定がローカルのカフェレストランよりも高いからであった。

ところが、今は殆どの客はタイ人となっている。私はパタヤ滞在中はほぼ毎日tea factory に行っているのでこの変化はとても強く感じる。実質賃金が上昇して来ているタイ人は付加価値にお金を払う余裕が増して来たことを示唆していると言える。

安いニッポンは最高だ!!為替の購買力平価説から見ればドル円は67円台。これはドル売り円買いの好機だ!!!なんて呑気な事を言う人も居るだろう。しかしながら、記事の筆者と同意見で、そこには世界の成長についていけない日本の停滞が根底の原因であることを忘れてはいけない。

平成の時代は終わり、平成を経済学的には「失われた30年」とも表現することもある。日本経済が停滞にすっかり慣れてしまい、成長しようという原動力を失ってしまっているのも更なる原因かと思う。
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NEWS PICKS 立沢賢一 / 立沢賢一 official website


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