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【7th ASPECT 】トレジャーチェストは冒険譚の夢を見るか

トレジャーチェストとはトレジャーボックスやストロングボックスと並ぶ、宝箱のメリケン的表現なのだが、そのものズバリなトレジャーボックスや盗みを防ぐ金庫なストロング頑丈ボックスに対して、トレジャーチェスト引き出し収納だけ何か異彩を放っている。

どうやら宝箱のそもそもの始まりを考えるヒントがありそうだ。


宝箱 今

現在、宝箱はコンピュータゲームのドラゴンクエストシリーズ(1986〜)に代表される、ゲームの進行に影響する何かがが入った箱である。ゲーム内で役立つ薬草や装備品、冒険に必要な地図やメモ書き、鍵や部品に始まり、時には空っぽだったり罠が仕掛けられる場合もある。

宝箱 イメージ

では、小説やマンガ、アニメではどうかと言うと、金銀(貨幣や延べ棒)に珠玉しゅぎょく(真珠や宝石)、什器(王冠や宝剣)などの財宝(財産や宝物)が、宝箱にデカ盛りで溢れているシーンだろう。宝の地図で秘宝を探し求める怪盗や義賊、海賊や宇宙海賊による最大の見せ場だ。

宝箱 質問

英会話の質問サイトでは、海賊が入手した宝のニュアンスを持たせるにはトレジャーチェストであり、一般の質問サイトでは模型を作る際の疑問に、宝箱の形状は海運や装飾で決まった仮説が披露されている。

宝箱 起源

チェストと言えば生活必需品な家具や趣味嗜好品なインテリアで収納・デザインを考えるお店。ということで家具屋さんに検索訪問すると、引き出しになる前は箱型で海賊がお宝を収納したのは共通認識で、エジプトの王家でミイラな御一行と一緒に埋まっていたのも見つかっている。

宝箱 宝島

チェスト引き出し収納が最初は箱型で副葬品の財宝が収められた宝箱だったとわかると、スペインの海賊がチェストに溢れる宝を奪ったと吹聴した「財宝デカ盛り」トークが、スティーブンソンの「宝島」など海洋冒険小説のモチーフとなり大人気を博し世の中へ浸透したのは、今に続く宝箱の始まりであった。 


宝箱 新

財宝デカ盛り宝箱が流布し、今につながる宝箱のビジュアルを決定づけたのは、マンガの神様・手塚 治虫 翁が最初期に手掛けた「新寶島」である。

もちろんスティーブンソンの宝島を意識したタイトルで宝探しの冒険をモチーフにしてはいるが、当時の海賊伝説に基づくターザンやロビンソン・クルーソー要素を加え、全体の舞台設定もあらためた新作だ。マンガ表現のコマ割りに映像的カット割り演出を取り入れた記念碑的作品なのだが、制作過程や製本環境にまあそのいろいろあったりなかったりした。

それはさておき。

宝箱の形や中身の描き方は誰も問題にしてはいない。実際問題、マンガ史の研究で単純に映像的なカット割り演出をした最初の作品は別にあったように、新寶島が最初に宝箱のビジュアル化をしたかどうかは未解明だが、「映像的なカット割り演出」や「宝箱のビジュアル」を全国区にしたのは間違いない。

宝箱 発明

新寶島が日本を舞台にした宝島ストーリーを構想し図らずもマルチエンディングとなり、宝探しというロマンが我々の脳裏に焼き付いた。エンターテイメントの世界では手を変え品を変え、さまざまな宝の地図、秘宝や埋蔵金、宝箱が描かれている。

ロマンを純粋な夢物語として楽しむのは、近代以前の娯楽に飢えた聴衆が、異国のエピソードを全く意味はわからないが「理解不能な現象が存在する」こと自体を珍しがりおもしろがった頃から変わってはいない。

一方、現代の都市伝説に通じるまことしやかな真実味へ前のめりとなる、「宝島伝説の直接のきっかけとなったアメリカからの手紙」

が読売新聞や東京日日(毎日)で記事にされたことがあった。


というわけで、宝探しを象徴する小道具、宝箱について検索しまくってきた。民間伝承だか都市伝説だかわかんないギリギリのところを生きてきた宝箱。

実は宝箱そのものが、

宝は豪華な箱に隠されている、

という一種の発明だったのである。

隠された財宝を暗示し、宝探しのゴールに待ち構え、そしてゲーム世界の片隅でいつも冒険にロマンを添える宝箱。

さて、どうでしょう?


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レザバー
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