理科室まがった【#毎週ショートショートnote:企画参加作品】
「まがったことの嫌いなはずの貴方が、なぜ理科室でこんなことを?」
「何のことです?」
刑事の問いかけを俺は軽く受け流す。ヤツが何を握っているか知らないが、俺は自らの手を汚さず、完璧にコトを進めたのだ。
「こちらの燃えカスがわかりますか?貸金業だった被害者が貴方にあてたものだ。それをアルコールランプで燃やしましたね?」
・・、バカめ、よりによって証拠隠滅をここで?しかも備品を使うなよ。だが、ここで動揺を見せるわけにはいかない。
「さぁ、知らないな。」
「それと、被害者の殺害に使用したと思われる毒薬。同じものがそちらの棚にあるメスシリンダーに付着していたんですよ。」
待て待て・・アイツ、毒薬コレで計ったの?目分量で全然いいのに。
「実験での使用です。」
「なら湯川先生、この人体模型らしきものはなんですか?頭からつま先まで左半身の臓器が露出しているコレ。被害者の顔写真と一致してるんですよ。」
「・・実に面白い。」
「面白くはないです。」
== 了【410文字(改行含まず)】==
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