だんだん高くなるドライブ【#毎週ショートショートnote:企画参加作品】
「聖也~、だんだん高くなってるよね?」
「やっぱそう思う?」
さっきから前方の見通しがやけに良い。どうやら俺たちの目線が上へ上へと来ていたようだ。
2050年、乗用車の性能はさらなる進化を遂げる。衝突の危険を察知し、自動で車高を上げることで乗客へのダメージを軽減する機能が搭載。
ところが今日は、ドライブ中の悪路でドロがセンサー部に付着し、じわじわと誤動作が積みあがっていったようなのだ。
「マックで注文したのに、受け取れなかったし。」
「そこ、スルーしたらダメだよね。」
受け取りはおろか、黄色いMの看板を横目に通過する有り様。やがて街の様子はカーナビのように眼下に広がっていった。
「あ~、お腹すいたな。」
「正常運転に戻ったらさ、どっか寄って夕食にしようよ。」
会話中も車体はどんどん高度を上げ、ついには分厚い雲を突き抜けた。2人の眼前に広がるは満天の星空だ。
「キレイ。。」
「美穂、これは俺からのギフトだよ。」
「ううん、ディーラー。」
== 了【410文字(改行含まず)】==
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See you next time! (☚また、プロレスファンにしかわからないネタを)
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