明日を綴る写真館〜心に響く写真
明日を綴る写真館という映画を観てきた
同名のコミックが原作です
そもそもが、4月に観にいった映画「あまろっく」の映画館に、このフライヤーが置いてあったのがきっかけ
「あまろっく」はこちらの記事
それで、このフライヤーを手にしたとき
カメラを構えた写真に目が行って、次に説明書きの「80歳にして初主演」というのを見たら、目が点になった(笑
これは、ちょっと観てみたいと思った
その時点で封切りまで2ヶ月近くあったので、まずは原作のコミックを購入
その辺の経緯は、当時のnote記事をご覧ください
そして、映画館へ
近隣の映画館を調べる
封切りからまだ1週間程度だが、上映している映画館は少ない
それも一日に二回程度の上映しかない
行ったのが日曜日のお昼の回
観客もまばらで、横も前も空席だったので落ち着いて観られたのは良いが
なんだか心配
派手さは無いが、心温まる良い映画だったので、ぜひご覧になってください
写真好きな人は、どうしたら心に響く写真が撮れるか
写真に興味ない人でも、人間関係の悩み、家族の絆、など、気づきがあるかもしれません
内容については、noteでも多くの方が感想を書かれているのでそちらにお任せしますが
カメラ好きとしては、使っているカメラにまず目が行った
主役のベテランカメラマン鮫島を演じる平泉成の使うカメラは、Nikonのフィルムカメラ
おそらくF3であろうか、ファインダーを覗き、ピントを合わせ、シャッターを切る、そのシャッター音がたまらなく良い
話がそれるが、このNikon F3のデザインは、イタリアを代表する工業デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロである。アルファロメオやマセラティ、初代ゴルフなど名車のデザインを手掛け、日本車もマツダ・ルーチェ(初代)、いすゞ・117クーペ、いすゞ・ピアッツアの原型となったアッソ・デ・フィオーリ、いすゞ・ジェミニ(2代目)、スズキ・フロンテクーペ、スバル・アルシオーネSVX、トヨタ・パブリカ・スターレット(初代)、トヨタ・アリスト/レクサスGS(初代)、日産・マーチ(初代)ほか、数多く手掛けている
そしてNikonのカメラもF3をはじめEM、F4、F5、F6D2X/D2H、D3、D4、D800ほかも手掛けている
だいぶ脱線したので映画に戻る
そして、彼の写真に心を奪われ、華々しいキャリアを捨て弟子入りを希望する若いカメラマン太一を演じる佐野昌哉のカメラはNikonのミラーレスフラッグシップZ9
鮫島は現像室で現像する
太一はパソコンで現像する
機材提供がNikonということなので、2人ともNikonを使っているのは当たり前だが、フィルムカメラとミラーレスを使い分けているのが、ホンモノ感を出している
平泉成は、さすがベテラン俳優で、ひとことひとことのセリフに重みと味がある
最初、太一が弟子にしてくださいと訪問してきたとき
「帰りなさい」と言う
これは原作には無かったと思う
他に鮫島の印象的だったセリフを思い出しながら書くので
映画をご覧になるときは、チェックしてみてください
「撮影することだけが、僕らの仕事なのかな」
「太一くんは、良い顔していた」
「写真は被写体を写すだけでなく、撮る人の心も写す」
映画は、そんな2人のカメラマンを中心に、周囲の人たちを巻き込んで、やがて感動的なフィナーレを迎える
クライマックスの、とあるパーティーでは、出演者がみんな楽しそうに盛り上がり、演技なのか、それとも楽屋の打ち上げパーティーなのかもわからないくらい
出演者全員が平泉成の「80歳にて初主演」を祝福しているように見えた
集まったベテラン俳優陣も、おそらく平泉成さんのためなら、と手を挙げたにに違いない
佐藤浩市、吉瀬美智子、高橋克典、田中健、美保純、赤井英和、黒木瞳、市毛良枝
監督さんも、どこでどうやって使おうか悩んだんじゃないかな
とにかく、みんなで平泉成の初主演を盛り上げようとしているのが感じられた
映画のストーリーも感動的だが、もう一つの感動がそこに感じられた
カメラというのは、被写体に向けてシャッターを切れば、誰でもとりあえず写真が撮れる
でも、出来上がった写真は、百人百様、十人十色
だから写真は面白い
ベテランのカメラマン鮫島は、若い太一に、けっして技術的なことは教えない
それでも、太一は、もっと大切な何かを鮫島から得た
「写真は撮る人の心も写す」
この言葉が、映画館を出たあともずっと頭に残った
今日もお付き合いいただき、ありがとうございます
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