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フォードvs フェラーリ
映画の話です。
フォードvsフェラーリ
2019年アメリカ映画
日本での公開は2020年
日本での興行収入は、公開約2週間で7億円突破、観客動員数も50万人を超えるというヒット作だったため、ご覧になった方も多いかと思われますが、何を今さらと言われそう😅
実は、自称クルマ好きの私は、今まで観たことが無かったんです。
最近になって、Amazonプライムvideoで初めて観た次第で、ここに感想を書きました。
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なんで今さらこの映画を観る気になったかというと、先日ご紹介したイタリア映画「丘の上の本屋さん」の主演俳優のレモ・ジローネが、この映画に出ているんです。
「丘の上の本屋さん」の記事はこちら
そんなわけで、このイタリアのベテラン俳優さんが、どんな演技をしているのか楽しみにして観ました。マット・デイモンでもなければ、クリスチャン・ベールでもなくて😆。
映画は、1959年のルマン24時間レースのシーンから始まります。
この年は、キャロル・シェルビーがアストンマーティンDBR1を駆り、米国人として初めてルマンで優勝した年です。映画では、マット・デイモンが演じています。
余談ですが、キャロル・シェルビーは1954年には、あのポール・フレールと組んでルマンを走っています。このときはDFNでしたが、ポール・フレール先生は1960年、フェラーリでルマンを制しています。ポール・フレール先生のことを書くと、さらに話が脱線するので、興味ある方は、ググってみてください。
話は、映画に戻します。
フォードの工場では、ヘンリー・フォード2世会長が怒って、工場を止めて、みんな帰れと叫んでます。経営状況が芳しくなかったんですね。
役員会では、打開策が話し合われ、モータースポーツに力を入れて、ルマンで優勝するんだという意見も出て、フェラーリと提携交渉に入ることになりました。
役員会の席では、「フェラーリの生産台数は、1年で我々の1日分以下。我々のトイレットペーパー代の方が高い」なんていう意見も出て、アメリカ人の覇権主義だかフォードの驕りだか、いやらしさが出て、観ているこちらも嫌な気持ちになった。
そんなフォード側の態度を見透かしたように、フェラーリとの交渉は決裂。ここで、イタリアのベテラン俳優レモ・ジローネの登場。
フェラーリの創業者であり、当時のボス、エンツォ・フェラーリである。
残念ながら本物のエンツォにはあったことないが、すごく雰囲気が出ている演技である。
エンツォはフォードの交渉団に言う。
「製造者の、イタリア人の誇りを傷つけられた。」
「ミシガンへ帰れ。醜い巨大工場へ。醜い工場で、醜いクルマを造ってろ。」
「頑固なボスに伝えろ。高慢な重役どもは、無能揃いだ。」
「彼(ヘンリー)は、初代とは違う。所詮は2世だ。」
このエンツォ・フェラーリの怒りのセリフを、イタリアのベテラン俳優レモ・ジローネは見事に演じた。当然ながら「丘の上の本屋さん」の優しい老店主とは全く違うキャラだ。
ミシガンへ戻ったリー・アイアコッカらは、フェラーリとの交渉決裂をヘンリー・フォード2世に伝える。「所詮2世だ」とまで馬鹿にされたヘンリーは、打倒フェラーリを決心する。
「ルマンのゴールラインの下にフェラーリを捩じ伏せる。金はいくらでも出す」
そこで白羽の矢が立ったのが、冒頭に出てきたルマンの優勝経験もある、キャロル・シェルビー。キャロル・シェルビーは、勝てるレーサーとして目をつけたケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に話を持っていく。
途中、キャロル・シェルビーとケン・マイルズが取っ組み合いの喧嘩をするのは、いかにもアメリカ映画らしく面白かったが、その喧嘩を椅子を持ってきて高みの見物をしていたケンの妻モリー・マイルズの態度も印象的だった。
ケン・マイルズは優秀なドライバーであり、ルマンに向けてキャロル・シェルビーと二人三脚で勝てるクルマを開発。
ところが、フォード側は、フォードに言動が相応しくないと、ルマンのドライバーから外す。
怒ったシェルビーは、賭けに出る。次のデイトナ24時間で、ケン・マイルズが優勝したら、ルマンに連れて行く。優勝しなかったら、自分の会社をフォードに譲るという約束をフォード側に叩きつけた。
結果は、見事ケン・マイルズがデイトナを制し、ルマンへの切符を手に入れた。
一方、フォード側は、他に2台エントリー。
いよいよレースがスタートするが、みている途中で、フォードvsフェラーリというよりも、フォードvsキャロル・シェルビー+ケン・マイルスという感じが強くなった。
レースはフェラーリの完敗に終わる。フォードの3台も同時チェッカーを受ける演出で3台同時にゴールしたが、フォード経営陣の策略によりケン・マイルズは優勝にならなかった。
やはり、フォードvsフェラーリでは無くて、フォードvsシェルビー+ケン・マイルズを強く感じた。
ゴールしたあと、本当の勝者のケン・マイルズではなく、フォードの他のドライバーが取り囲まれているのを見て、1人取り残されているケンにフェラーリのピット上の席から手を振るエンツォ・フェラーリの姿が印象的だった。彼は、本当の勝者を知っていて、祝福していたに違いない。
物語は、もう少し続くが、ラストは語らない方が良いので、気になる方はAmazonプライムかDVDなどで、ご覧ください。
今日は少し長くなりました。
なにしろ2時間半にも及ぶ大作なので、まだまだお話したいことがいっぱいありますが、今日はこの辺で、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。
いやー、映画ってほんとに良いですね。
今日もお付き合いいただき、ありがとうございます。