学校体育では、筋力トレーニング中や準備・整理運動中にも負傷や疾病が発生している、という事実
ここ最近、学校管理下の災害を眺めています。
今までは運動部活動中のデータを検証していましたが、体育の時間について調べてみると意外な(自分としては)ことがでてきました。
元データはこちらhttps://www.jpnsport.go.jp/anzen/kankobutuichiran/tabid/1912/Default.aspx
筋力トレーニング中の負傷・疾病
筋力トレーニング中に発生した負傷・疾病全数と全負傷・疾病数に対する割合は以下の通り
小学校:400件(0.4%)、中学校:3,342件(0.3%)、高等学校等:2,823件(0.3%)
「筋力トレーニング」という時間なのか、発生したのが筋力トレーニング的なことをやっていた時間なのか、、よくわからないところもあるけど。それでも6000人近くが給付対象となっている、という事実がある。一般的にイメージするトレーニングでは負傷しにくい部位もありますね。
部位別発生数‐頭部・顔部・体幹部
部位別発生割合‐上肢部・下肢部
種類別負傷発生数と割合:骨折、捻挫、脱臼、挫傷・打撲、靱帯損傷・断裂
種類別にみていくと、全国が対象と言ってもやはり多いんじゃないかと思う。割合で言えば下の通り、それでもそういう印象を持ってしまうのは自分の専門領域にもはいってくるからなんだろうか。
種類別負傷数と割合:創傷・歯牙破折
種類別疾病発生数と割合
食中毒などはその時間に認知された、ということになるのかな。
そういったものを除いても、「外部衝撃等に起因する疾病」「負傷に起因する疾病」これらは中学校~高等学校等では少ない、とは言えないんじゃないだろうか。
【外部衝撃等に起因する疾病、負傷に起因する疾病など】
(1) 転倒、衝突、強打などに因る脳震盪
(2) 電気熔接の際における光線に因る電気性眼炎
(3) スキー練習の際における紫外線に因る雪眼炎
(4) 感電に因る疾病(火傷の場合は負傷となる。)
(5) 号砲用ピストルなどの爆発音その他強圧力に因る耳の疾病
(6) 水中で転倒したり、冷水に触れたりしたこと、あるいは人や物に衝突したり、強打されたり、転落、転倒したことなどに起因する心臓系疾患、中枢神経系(脳及び脊髄)疾患、肺疾患その他の内臓疾患及び筋、腱、骨、関節などの疾患(注21)
(7) 精神的な衝撃によって発症した脳貧血その他自律神経失調による疾患
(注21)「肺疾患その他の内臓疾患」とは、特発性気胸、肺気腫などの肺疾患その他の内臓疾患をいうものである。
「筋、腱、骨、関節の疾患」とは、椎間板ヘルニア、大腿骨頭辷り症などをいうものである。
準備、整理運動中の負傷・疾病
準備、整理運動中の負傷・疾病全数と全負傷・疾病数に対する割合は以下の通り。実施頻度で考えたら最も多いことになると思うのだけど、それでも負傷をしないため、という意義も含まれる準備運動などでこれだけ起きているというのはやはり多い。割合で済ませてはいけないかなと感じます。
小学校:3,248件(3.6%)、中学校:5,293件(2.1%)、高等学校等:2,513件(1.2%)
部位別発生部位‐頭部・顔部・体幹部
部位別発生割合‐頭部・顔部・体幹部
部位別発生数:上肢部・下肢部
部位別発生割合:上肢部・下肢部
種類別負傷数と割合:骨折、捻挫、脱臼、挫傷・打撲、靱帯負傷・断裂
種類別負傷数と割合:創傷・歯牙破折
種類別疾病発生数と割合
運動に怪我はつきもの、、、だけど
運動に怪我はつきものである、これはそうであると思う。
しかし怪我を極力減らすための準備運動や、終わった後の整理運動の時間に負傷が発生している、そしてその負傷が疾病に繋がっている(「外部衝撃等に起因する疾病」「負傷に起因する疾病」)のはなんとも切ない。
「実施した強度が、、、」や「トレーニングフォームが、、、」などといった、内容の問題ではないかもしれない。それでも、そういう問題があるとしたら色々なことを見直していく必要がある。
詳しくわからないから突っ込んだことは何も言えない。
どんなこと、やっているんだろう。
読んでいただきありがとうございます。日々の雑感やスポーツ、運動にまつわる数字を眺めてまとめています。普段はトレーニングサポートや講義を行なっています。