体操-1

対策が必要なのは組体操だけではない~学校での【準備・整理運動、組体操、縄跳び、筋力トレーニング】による負傷~

前回に続いて準備・整理運動や組体操、縄跳び、筋力トレーニング中での負傷発生数について、平成23年度~平成29年度までの数字を追ってみました。
データの出典は複数にわたるのでこちらにまとめてあります。


負傷発生数の推移

今回取り上げた4項目の推移は以下の通りです。
組体操で2016年度(H28度)では前年までに比べて大きく減少しているのがわかります。

組体操事故について発信を続けていらっしゃる、名古屋大学の内田先生によるこの時の記事はこちら。記事内で紹介されている数字と異なるのは集計している範囲によるもので、元データは同じではないかと思います。

組体操についてもまだまだ給付対象となる負傷等が発生しているので、今後さらなる対策が必要にもなりますが、それ以外の準備・整理運動や筋力トレーニングでも負傷が発生している、この部分についての検証・改善も急務ではないかと思います。


安全に運動するために必要な準備運動。
持っている能力をさらに高めていくための筋力トレーニング。

それによって負傷が発生していることはやはり、、、問題だと考えます。
何故、こんなにここに拘るかというと、他の種目よりも対策が立てやすいということも言えます。確かにスポーツには「内在する危険」がありますが、それでももっと減らせる。たとえ全国規模でも。ただ、その名称に含まれる内容は具体的にどのようなものなのか、これが定かでない中では推測の域しか出ないのですが。

種目別負傷内容

各種目での【骨折、捻挫、脱臼・挫傷・打撲、靱帯損傷・断裂、外部衝撃や負傷に起因する疾患】について年代別での発生数が以下になります。

外部衝撃等に起因する疾病、負傷に起因する疾病など

【外部衝撃等に起因する疾病、負傷に起因する疾病など】
(1) 転倒、衝突、強打などに因る脳震盪
(2) 電気熔接の際における光線に因る電気性眼炎
(3) スキー練習の際における紫外線に因る雪眼炎
(4) 感電に因る疾病(火傷の場合は負傷となる。)
(5) 号砲用ピストルなどの爆発音その他強圧力に因る耳の疾病
(6) 水中で転倒したり、冷水に触れたりしたこと、あるいは人や物に衝突したり、強打されたり、転落、転倒したことなどに起因する心臓系疾患、中枢神経系(脳及び脊髄)疾患、肺疾患その他の内臓疾患及び筋、腱、骨、関節などの疾患(注21)
(7) 精神的な衝撃によって発症した脳貧血その他自律神経失調による疾患
(注21)「肺疾患その他の内臓疾患」とは、特発性気胸、肺気腫などの肺疾患その他の内臓疾患をいうものである。
「筋、腱、骨、関節の疾患」とは、椎間板ヘルニア、大腿骨頭辷り症などをいうものである。

・準備、整理運動

・体操(組体操)

・縄跳び


・筋力トレーニング

体育の時間、とは限らないが

これらの活動とは体育的部活動とは区別されています。
しかし、必ずしも体育の授業とも限らないのではないのかな、、、というのが改めてデータを見た上で考えたことです。
課外活動などでも取り組むことあるし、組体操などは体育祭などの練習や本番も含まれているということかもしれません。

いずれにしても、もっと減らさなくてはいけないのではないかなと思います。組体操のように本格的な対策を講じることも必要ではないでしょうか。

全国的に見れば発生数は必ずしも多いとは言えないかもしれないけど、割合が低くても目の前でおきたらそういうことは関係ない。対処も大事ですが、まずは予防。


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小平健太郎
読んでいただきありがとうございます。日々の雑感やスポーツ、運動にまつわる数字を眺めてまとめています。普段はトレーニングサポートや講義を行なっています。