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変わらないために変えるんだ

かつて、妻は『どら焼き』を焼くバイトをしていました。

皆さんもご存知の通り、どら焼きの名前の由来は打楽器の銅鑼(どら)です。

銅鑼

なんちゃら武闘会の試合開始の合図で使われるイメージもあると思いますが、主にオーケストラやボンゾが『天国への階段』で使用するオシャレな楽器です。

ちなみに銅鑼はタムタムともいいます。

そして、ドラムセットのタムはトムトムです。
しかし、ロック系ではタムのことをタムタムというので、タムなのかトムなのかジェリーなのかを状況によって把握しなくてはいけないのです。


とにかく、妻はどら焼きを焼いていました。

いつも同じ分量や手順で作ることで、味のブレを防いでいましたが、毎日食べているうちに、わずかな味の変化に気づくようになったと言います。

私も何度も買ってきてもらった事がありましたが、確かに食べる回数が増えてくると、

「今日はいつもより皮がしっとりしているね」
「今日はいつもよりほんのり焼き過ぎてない?」

など、変化に気づくようになりました(もちろん、気温や湿度、その日の味覚によっても変わるかもしれません。個人の感想というやつです)。

そして時は流れ、
久しぶりにかつて妻が働いていた"どら焼き屋さん"を訪ねました。
定番のどら焼きを2つ買い、食べ歩きました。

そして「やっぱり美味しいね」などと会話をしながら気づいたのですが、
もう、以前のように味の変化がわからないのです。

頻繁に食べていると分かる変化も、
久しぶりに食べると、
『変わらない味』になったのです。


話をズラしますし、
詳しくも忘れてしまいましたが、
ある老舗和菓子屋さんの三代目店主さんのエピソードが印象に残っています。

創業当時から"変わらない味"と言われている定番商品のお話でした。

その三代目の店主さんが、
『味は変え続けているよ』
と語っていました。

時代によって好まれる味が変わっている。
だからこそ、変化に気づかれない範囲で少しずつ少しずつ味を変えているのだそうです。

なるほど、こういう考えで、
いつもと"変わらない味"が保たれているのだ。

変わらないために、変えるんだ。

なるほど、と。

『現状維持は停滞だ』なんて言葉もありますよね。


こういったエピソードって、
今すぐ何かの役に立つわけでもありません。

しかし、頭の片隅にひっかけておく事で何かが変わるかもしれません。

年齢を重ね、「変わらないね」と言われるためには、変わり続ける必要があるのですから。


最後になりますが、
『老けづくり』がマイブームになったという、
みうらじゅんさんの動画を載せておきます。

ではでは。

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