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神様に嫁さんを寝取られてシングルファーザーになった話 その13
こんちわ。
東京で映像クリエイターをしているKENと申します。
先にお断りしておきますが、このnoteは自分自身のメンタル上のリハビリを目的としています。
認知行動療法とかいうやつじゃないかと思います。
離婚が成立したのも束の間、大晦日に僕の母は脳梗塞で入院した。
そのまま年を越し、元旦。
元妻の祖父の家に(離婚の報告はせず)挨拶だけして自宅に戻った。
そして翌日の、1月2日。
元妻は僕と娘の前から去った。
彼女が家を出る日
この日のことはあまり覚えていない。
元妻は昼前に出て出家先に向かうようだった。
僕は駅まで送ることを提案した。
彼女は最初送らなくていいと言ったが、最後だし駅まで送ると言った僕に従ってクルマで駅まで送ることに同意した。
駅の地下駐車場にクルマを止め、駅に向かう。
彼女は本当は駅でゆっくりお茶してから向かいたかったようだが、僕と娘が駅まで送ることになったので急遽予定よりも早く電車に乗ることにした。
そんなに僕や娘と一緒にいたくなかったのか。
ただ、彼女の顔は蒼白だったのを覚えている。
わずかに残った未練を振り切りたかったのか、それとも本当に一秒でも早く僕や娘と離れたかったのか。
今となっては彼女の気持ちはわからない。
僕は娘を抱っこして駅の改札で彼女を見送った。
僕は彼女に何かを言ったような気がするが記憶にない。
彼女は振り返ることもしなかったと思う。
娘は彼女が見えなくなった途端に大泣きした。
抱っこしたままの僕も辛くなり涙があふれてしまった。
ところが娘は直後にケロっとして僕に言った
「アイス食べにいこっ」
娘の突然の提案にびっくりした僕は、
「お、おう」
とだけ言って駅を後にした。
この日のそれからのことは何も覚えていない。
そして僕は・・・
彼女は本当に家族を捨てて出ていってしまった。
これからは娘と二人きりの生活が始まるのだ。
家事は?仕事は?幼稚園は?そして育児は?
一つ一つは大した問題ではない。
けれども僕が倒れてしまったら。なにもかも嫌になってしまったら。
仕事が制限されてしまい、稼げなくなったら?
助けはない。
親戚も友人も近くにはいない。
なんという心細さ。
僕はたった一人で娘を守っていかなければならない。
こうして、この日から僕はシングルファーザーになった。