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神様に嫁さんを寝取られてシングルファーザーになった話 その4

こんちわ。
東京で映像クリエイターをしているKENと申します。
先にお断りしておきますが、このnoteは自分自身のメンタル上のリハビリを目的としています。
認知行動療法とかいうやつじゃないかと思います。

2021年。新たなヨガ団体に参加し、すっかりヨガ(というかグル)の虜になった妻。
相変わらずコロナで身動きがとれない中でもせっせとヨガ活動に没入し、エスカレートしていく。
さらなる郊外への引っ越しと、彼女にとっての大事件が起こりついに家庭は崩壊することに。


とにかく神聖なものを求める

引っ越しの前後、彼女が所属する団体のメンバーでお寺の人がいた。(たぶん今でもいる)
この方のお寺は後継者の問題を抱えており、お寺の維持に苦心している様子だった。
そこでそのお寺ではヨガ団体のリトリート会場として利用したり、メンバー同士が集まったりもしていた。
妻も娘を連れてそのお寺のお掃除をしに行ったり、メンバー同士のパーティなんかに参加していた。僕も二度ほど行ったことがある。

ご縁があったから。というのもあるが、当時の彼女はとにかくお寺やパワースポット的な場所が好きで、なんか凄いパワーを貰っていたそうな。
沖縄でのリトリートのときも斎場御嶽(せーふぁうたき)という琉球王朝時代に神事を行っていた場所でやたらと感動したそうだ。
いろいろな偶然やご厚意が重なって御嶽を一人でじっくりと堪能できたそうだし、その場の霊?を感じたとか言っていたような気がする。

まあ確かに良い雰囲気の場所ってあるとは思うけど。

こういう思考は女性ならでは、なんだろうか。
男性である僕にも、神聖な場所というのはまあわかるけれど、自分としてはその歴史的経緯や他の場所との関連性に注目して人の生業としての側面を推察する。

クルマを譲ってもらう

そんなこんなでお寺の方と懇意にしていたら、軽自動車を譲ってもらうことになった。
引っ越して駅からものすごく遠くなってしまったので、これ幸いにと譲ってもらった。
さすがにタダというわけにはいかないので、お布施としてお寺の維持費に使ってもらえるようにわずかばかりのお金を包んだ。

色々と手続きもしてくれて本当に感謝しています。

やっぱいつかは出家しなきゃだよね

引っ越しも終わりクルマも譲ってもらってあちこちにドライブをしたり遊びに行って、妻もペーパードライバーを脱するために運転の練習を始めていた。
クルマの中というのは閉鎖された空間なので色々と話をするのにも向いている。

相変わらず、どうすれば人類が救われるか?とか人間のカルマの清算がどうとかという話をしていたときだと思うが

「結局生きてるだけでカルマが増えちゃってるんだからキリがないよね」
「だから頑張って祈って瞑想して覚醒を目指している」
「でもそれじゃ追いつかないんでしょ」
「いつかは出家して瞑想に集中しなきゃだと思う」

なんて話をしていたと思う。

この時はまあ、本人がヨガを極めるとなると主婦業の片手間には無理なんだろうな。と思ったし、娘に手がかからなくなったら出家しちゃう可能性もあるよな。とも思った。
いずれにしても本気じゃないし、出家するにしてもいつかずっと先の話だとも思っていた。

10月のある日

この日については少し記憶が曖昧だが、覚えている範囲で書く。

妻と娘と僕の三人でクルマでお出かけしていた日、彼女の携帯に電話がかかってきた。

電話の相手は彼女の義理の叔母。
少し話しただけで彼女が凍りついたのが分かった。

ただ事ではない雰囲気があったので一旦コンビニの駐車場にクルマを止めた。
彼女は駐車場でうずくまってひどく落ち込み、泣き出してしまった。

「おじいちゃんが・・・」

どうも祖父が亡くなったらしい。
たしか90歳超えてるくらいだったはずだから老衰だったのかな。と思った。
毎日元気に畑仕事をしている好々爺といった感じの人だっただけに残念に思った。

電話では翌日祖父の家に行くと伝えて、いったん家に帰ることにした。


ところが、である。
その帰り道でまた彼女の携帯が鳴った。

今度は下の弟からで、なにか怒っているように聞こえた。
「なんで今すぐ来ない?」
「え?おじいちゃんが亡くなったんでしょ?」
「違うよ!ウチの親父だよ!」

「はあー!?」

なんと亡くなったのは彼女の父親だった。
つまり、義理の叔母からの電話では

(あなたの)お父さんが亡くなったの」

と聞いた妻が勘違いしていたわけだ。
彼女の母親からでなく、叔母からの電話だったのも、母親がお風呂場で亡くなっている父親を発見し、気が動転していて何もできない状態となり、代わりに叔母から連絡が入ったという経緯だった。

これはさすがに僕も驚いた。
自分の義理の父が亡くなったということでもある。
アル中で色々と問題のある人だったが、持病もなかったしあまりにも突然過ぎた。

急遽彼女だけ準備して実家に向かうことになった。
このあたり、前後関係の記憶が曖昧だ。

とりあえず覚えているのは、電話で報告を受けた時、彼女の反応が祖父が亡くなったと勘違いした時と違う。
亡くなったのが父親だったと聞いた時、僕には彼女が怒っているようにすら見えた。

「どうしようもねぇなー」

と彼女はつぶやいていた。

その後、お通夜が終わり、葬儀も終えて家族で自宅に帰った。


それからしばらくして、彼女は離婚を申し出てきた。


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