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Nº7 B2レベルのイタリア語の展開図(2) Pronomi e aggettivi indefiniti

 B2レベルのイタリア語を目指す上で、試験でなにが問われるのかを把握しつつ学習を進める方が良いに決まっていますよね。

 そこで、この「展開図」シリーズではB2レベルでどんな内容が要求されているのかを、CILSのガイドラインに基づいて一つ一つみなさんと一緒に確認をしていきます。

 今回はその第2回目で、Pronomi e aggettivi indefiniti です。具体的には何のことを指すのか、イメージが湧きますか?

 なお、今回の記事は、Loescher Editore の Italiano per Stranieri というサイトにある、Archivio di grammatica を参考にし、または引用しながら、学習のポイントを僕なりにまとめております。

たとえば、poco や diverso などのことです

 Pronomi e aggettivi indefiniti という単元名ですが、Pronomi と Aggettivi との違いは用法によるものです。意識する必要は特になく、どのように使われるケースのことを指すのかだけ理解すればOKです。

 たとえば、Aggettivo すなわち形容詞の役割の場合は、

Poca carne
Pochi soldi
Alcuni libri
Altri fiori

のようなケースです。

 他方、Pronome すなわち代名詞の役割の場合というのは、

Ne guadagno pochi. (=pochi soldi)
Nessuno (lo capisce.)
Alcuni (lo negano.)

のようなケースです。

 つまり、同じ poco という単語でも、別の名詞に添えられている場合は形容詞として働いている(=aggettivo indefinito)ということで、名詞が見当たらない場合は poco 自体がその名詞の代わりの役割も担っている(=pronome indefinito)ということですね。

Indefinito とは

 読んだとおりなのですが、definito されていない状態という意味です。上にあげた例を見てみても分かるとおり、量(quantità)や質・同一性(qualità、identità)が一定に定まっていない点を指しています。

単数・複数について
 一部のものは、単数形のみ存在します。たとえば、aggettivo だと

Ogni paese
Qualche lavoro
Qualsiasi cosa
Qualunque gironale

です。

 また、pronome だと

Ognuno/a
Qualcuno/a
Chiunque

です。

場所によって意味が変わる場合もある(aggettivo の話)

 ご存知の方もいるでしょうけども、イタリア語の形容詞は名詞の前につけるのか後ろにつけるのかによって、意味が変わるものがあります。しかも、ちらほらとあるんです。

 たとえば、vecchio です。un amico vecchio と un vecchio amico の違いなのですが、みなさん、パッと閃きますか?

 答えは、
un amico vecchio = 歳をとった友人(誰からみても歳をとった人)
un vecchio amico = 古くからの友人(必ずしも高齢者とは限らない)
という感じですね。

 今回の indefiniti に関しては、冒頭で述べたサイトの説明をちゃんと読んでいくと、diverso という単語について同じことが起きる、というのがわかります。

1) Ho diversi liberi di storia d’arte.
2) Cerco dei liberi diversi da quelli che ho già.

 1)では、diversi = parecchi という意味で、2)では differenti という意味で使われているのがよくわかりますね。1)が今回お話ししている aggettivo indefinito の用法で、2)は aggettivo qualificativo という別の話になります。

文法として押さえておくと良いケース

 まず具体例をみてください。

Li ho presi tutti.
Ne ho presi tutti.

 はい、どちらが正しい言い方でしょうか。正しいのは、一つだけです。


 正解は、、、



 Li ho presi tutti. です。tutti を使っているため、示す対象はある集合の全体です。全体なので、Li を使うわけです。Ne だと一部を指すことになり、文全体として整合性が取れませんね。

 これはなにも「文法問題でよく出題されるから、覚えるべし」というつもりで紹介しているのではありません。
 普通に自分が話すとき、文を書くときに、知っておく方が楽チンだからおすすめしているだけです。

 文法は、無理したりがんばったりして暗記するものではなく、相手に伝わりやすくするためにおさえておくと楽になる法則だ、と捉えていきましょう。

学習の難易度 ★☆☆(イージー)

 学習の難易度は、星一つのイージーです。
 CILSでは、主に Analisi delle strutture di comunicazione というテスト項目の Prova n.1で尋ねられます。設問数が多く、一つ一つのミスの影響は大きくないはずですが、それでもうっかりミスは避けたいですね。

みなさんからいただいたサポートは、イタリア語学習コンサルタントとしての研究費用・教材等購入などの活動費用で使わせていただきます。その結果を記事などでみなさんにフィードバックしていきます。