自宅で体脂肪3%になるまで筋トレした話
これは10年以上前に私が体脂肪3%になるまで自宅で筋トレした話です。おそらく私にとって最初で最後の筋肉コラムとなると思います。
3%になりたかった訳
浪人時代にやることがなくて筋トレにはまりました。いや、勉強しろよって話なんですけど、勉強だけやってるのも息が詰まったので息抜きがてら筋トレをしていました。
浪人生って、高校生でもなくて大学生でもない、身分証明するものがなくって、自分って何者なのかを結構考えてました。
受験に失敗し、次もうまくいくかわからない。現役で合格した人たちは楽しそうにしてる。そんな不安で心もとない気持ちでいっぱいだからこそ、何かを手に入れたかった気がします。
そんなときにうわさ話程度にイチロー選手が体脂肪3%というのを聞きました。(事実かはわからないのですが)それを鵜呑みにした私は、体脂肪だけでも一流になりたいと思い、体脂肪3%になることを決意しました。
どういったプロセスで3%になったか、その苦闘死闘歓喜の瞬間をご紹介します。
(ちなみに体脂肪3%は理論上、無理ともいわれています、それ以上脂肪がないと命に関わる的な。ただ体重計についている測定器だと補正込みででることもあるようです。私が利用していたのはまさに体重計でしたが、体脂肪が確実に減っていったのは事実ですので、それをもとに書いております)
始めたとき
もともと、筋トレ自体は不定期にやっていました。中3ぐらいから筋トレに興味はあったので、高校生のときもわりと筋トレしていたほうだと思います。
なので、始めたときの体脂肪は12~10%ぐらいでした。
筋トレって、始めるのがなかなか億劫なイメージがあると思います。でも、やり始めるとやめられなくなります。それでは、私も実践したおすすめの始め方を紹介します。
おすすめの始め方
まず腕立て(もしくは腹筋)をやってみましょう。さっそく床に手をついて、ゆっくり体を沈め、腕立てをしてみてください。ここでのポイントは、限界までやってみることです。限界というのは、本当にもう体をあげることができない、腕がプルプルな状態までやってみます。終えた瞬間に思わず声をあげてしまうぐらいやってみます。少し休憩して、残り2セットやってみましょう。これも限界までやってください。回数は関係なく、とりあえず限界までやってください。
はい、お疲れ様でした。それでは、2日後にまた挑戦してみてください。筋肉痛が残ってるので、ちょっとキツいかもですが、やってみましょう。
すると気が付くと思います。最初にやったときよりも多い回数できる、もしくは同じ回数でも前よりはちょっと楽にできることに。
はい、
おめでとうございます。
成長しました、筋肉。わずか10分にも満たない筋トレで成長してます、筋肉が。いとも簡単に。もうその筋肉はあなたのものです。誰のものでもないあなた自身の筋肉です。
ってな感じで、筋肉って最初のうちはやっただけ目に見えるようにぐんぐんと成長していきます。なので、まずはやってみることをおすすめします。
鍛えたい部位を決める
それと同時に、どこを鍛えたいかを明確にすると、もっとモチベーションがあがると思います。腕を太くor細くしたい、腹筋を割りたいなど、自分が鍛えたい部位を決めて、そこを徹底的に鍛えると良いと思います。
太くしたいならゆっくりと動かして遅筋を、細くしたいなら速く動かして速筋が鍛えられるとかありますが、それは専門書に任せるとして、遅筋も速筋もどちらも鍛えた分、どんどん成長していきます。すると、どんどん筋トレが楽しくなっていき、バラ色の筋トレライフが待っています。
が、ここで注意を1つ。
自宅での筋トレが難しい理由
ジムより自宅で筋トレするのが難しいのは、自分でどこまで追い込めるか、と、シンプルに器具がないことだと思います。
ジムだとトレーナーさんにアドバイスを聞けたり、レッスンであれば追い込んでくれたりして、成長できる可能性が高いです。また、ちゃんとした器具があるぶん、重さを自由に調整して負荷調整がしやすくなります。
そんなジムのように負荷がかけにくい自宅でやるときの落とし穴が、回数を決めてやってしまうことです。例えば腕立て20回を3セットやるって決めることです。
最初は負荷になるので、ちゃんと成長します。腕も引き締まってきます。そんな調子で続けているとたぶんその回数が余裕になってきます。
それで回数を増やして、またやるみたいになっていくと思うんですが、実はこれだとちょっと非効率です。非効率になっていくと成長が遅くなるのでだんだんつまらなくなっていきます。
私が3%と決める前での筋トレで続かなかった理由はこの非効率な筋トレによるモチベーションの低下でした。
回数よりも限界突破
では、どうすれば効率的かというと、常に自分を追い込むことです。筋トレを効率的にやるポイントは限界までやることです。
例えば20回はできるけど、21回はギリギリできるかできないか、であれば確実にその21回までやるべきです。これを限界までにいかずに終えてしまうと残念ながら現状維持になってしまいます。せっかく20回やったのに、最後の限界突破をしないと筋肉的には非効率でもったいないことになります。
ジムだとトレーナーの方が適切に追い込んでくれたり、器具によりちょうどよい負荷を設定できるので限界突破しやすくなります。
自宅やるには自分で追い込む必要があります。そのときのポイントは、回数は関係なく、毎回自分の限界までやることです。回数は目安でしかありません。体調によって変わる可能性もあるので、そのときのベストを尽くしましょう。そうすると必ず成長します。どんどん成長します。
その結果、成長していくと体に筋肉がついて、どんどんやる気が出てきます。この効率的に筋トレをすることはスタートダッシュを決めるうえで重要なポイントだと思います。
どんなトレーニングが良いか
基本は腕立て、腹筋、スクワットで十分です。器具を使わなくても、筋力は確実にあがります。まぁ強いて言えばダンベルがあるとバリエーションが増えるのでいいかなと思いますが、なくても大丈夫です。
最近は自宅でできるたくさんのトレーニング方法があるので、自分が好きなのをやってみればいいと思います。が、筋力を鍛えたいのであれば、とにかく限界突破を意識することが大事です。
ちなみに私は、いろいろな部位を鍛えられる筋トレ本が実家にあったので、それをみながら筋トレしてました。
姿勢はかなり大事になってきますが、それは本にお任せします。
筋肉痛は友達
そんな感じで限界突破に慣れてくると、もはや筋肉痛は友達になり、恋しい存在になります。筋肉痛がこないとソワソワします。あっ追い込めてなかったかもと。
ここまでくると、筋トレ自体が楽しくなっているはずなので、おそらくこのレベルまでいけば体脂肪二桁切るのは近いと思います。
プロテインはご褒美
やはり限界突破するのは辛いので、私は筋トレ後、プロテインを飲んでいました。プロテインを飲むというのは筋肉的にも、精神的にもご褒美になります。
頑張った自分へのご褒美。これをちゃんと与えてあげることで、筋肉も心もすくすくと育っていきます。
筋肉痛とプロテインのコンボが決まりだしてくると、完ぺきに筋トレの虜になっており、確実に勉強より筋トレ優先な生活になっていました。限界突破に慣れることに成功した私は、順風満帆な筋トレ生活を開始できました。
ただ、体脂肪二桁まではわりとうまくいくのですが、この後に魔の一桁ロードに入っていきます。ここからはさらに筋肉バカになっていかないとやっていけません。なので、ここからの話は参考にしていただくというより、3%を愚直に達成しようとしたバカな男の話としてお聞きください。
体のメカニズムをうまく利用する
これは有名な話ですが、体には超回復というメカニズム的なサムシングがあります。簡単に言うと、毎日トレーニングするより、1日2日空けてトレーニングしたほうがより効果的というものです。
ってなると、毎日トレーニングできなくて、焦ってくると思います。早く筋トレして成長したくてウズウズしてくると思います、筋肉が。大丈夫、安心してください、毎日トレーニングする方法があります。それは日毎に鍛える部位を変える方法です。
これまた有名なやり方だと思いますが、月曜日腕を鍛えたら、火曜日は足腰、水曜日は腹筋、そして木曜日にまた腕をやるみたいなローテーションを組むのです。すると毎日筋トレできて、効率的かつ効果的に筋肉が成長していきます。
いまだと、別の理論とかを駆使したいろいろなトレーニング方法もあると思いますが、とにかく体のメカニズムをうまく利用してみるのは大事なことだと思います。
そして、いったんやると決めたトレーニング方法は愚直に続けてみる。基本的にどのトレーニングも筋力に負荷を与えるという本質は変わらないので、とにかく何でもいいので続けてやってみるとよいと思います。トレーニング方法をあれこれ変えるよりは、シンプルに筋肉に負荷を与えることだけ考えればよいと思います。
予備校のスケジュールは頭に入っていなかったですが、この筋肉ローテーションはずっと頭の中にありました。
この筋肉ローテーションと限界突破を愚直にやっていれば、おそらく7、8%ぐらいまではいくかと思います。ただ、このあたりからどんどんどんどん体脂肪を減らしていくのが難しくなっていきました。
全部位鍛える
体脂肪、それすなわち体についてる脂肪です。なので、特定の部位だけをずっとトレーニングしていても、別の部位の脂肪は残ったままです。
なので、5%を切るぐらいいくためには、これまで、鍛えていない部位も鍛えていく必要があります。
私は、腕、腹筋、足はかなり意識的にやっていましたが、それ以外にも鍛えられる部位はあります。例えば、手首。ちょっと鍛えるのは難しいのですが、ダンベルがある場合は、手首だけを使ってダンベルを持ち上げる方法などで鍛えることが可能です。
ここで役に立つのが筋トレ本です。けっこう網羅的に部位を鍛えられるものがおすすめです。ネットでも十分です。
とにもかくにも、いままで鍛えていないところを鍛えていくのです。かつ、いままでの筋トレしていた部位も継続したままです。継続しないとそこの筋力が落ちていってしまうので、これまでの部位も鍛えつつ、新しい部位も鍛えていく必要があります。
このあたりは結構気持ち的にもキツかったです。最初こそ、良いペースで筋力の増加とともに体脂肪は減っていきますが、このステージになるとこれ以上、落とす脂肪あるのか?って感じになっていきます。
4%の向こう側
さて、全部位筋トレを愚直に続けていくとついに4%にたどり着きます。私は、3%という目標だけを見て、なんとかめげずにやることができました。いま考えるとアホだけど、すごいなと思います。
でも、本当にこの4%からがもうわけわからなくなります。一向に進んでいる気がしなくなります。
ここでは、きわめて重要なことを申し上げると、正真正銘の筋肉バカになることが大事です。バカにならないとやってられません。
私はどんなバカになっていたかをご紹介します。私はもう藁をも掴む思いで、とにかく筋力が上がりそうなことはなんでもやりました。逆立ちをしながら腕立てをしたり、木製バットを全力で振るトレーニングをしてみたり、予備校に通うときにも足に重りをつけていったり、、などなど。常軌を逸した行動をとっていました。
でもこれだけバカをしても、4%の壁は超えることができませんでした。
ただ、ここで最終奥義があります。パンプアップです。パンプアップした状態で体脂肪を測るのです。パンプアップとは、簡単に言うと、筋トレが終わった直後の一番筋肉モリモリな状態です。
この瞬間に測れば、ちょっと減らせるのではと思いました。それで、いつもより激しく筋トレした後に測ることにしました。
すると全く微動だにしなかった4.4%とかの数値が4.2%とかになりました。
でも、これでも3%には届きませんでした。そして、ある意味禁じ手ともいえる、最終アルティメットムーンライトスペシャルバーゲン奥の手を使うことにしました。
それは、全部位筋トレを全力で1日の短時間でやるのです。全部位筋トレを全力でやるすなわち、次の日は体が動かなくなるレベルになります。でも、これをやらないとどうにも3%台にたどり着く気がしませんでした。そして、日にちを決め、そこで全身全霊をかけた筋トレを行いました。
筋トレ本に書いてある、部位という部位を全てコンパクトかつ限界突破でやっていきます。休んでいると筋肉が縮小していくので、できるだけ早く部位という部位を限界突破させていきます。
そして、完全体となった体ができました。
全身が膨れ上がっているような状態です。
でも、この体は長くは持ちません。
筋肉が縮小する前に、最後の力を振り絞り体重計に移動して測りました。
3.9%
「っしゃーーーーーーー!!!!!」
ついに、3という数値を見た瞬間、私は歓喜の声をあげました。
おそらく、浪人して大学受かったときよりも歓喜だったと思います。
わたしはついに達成することができ、感無量で立ちすくんでいました
いやむしろ筋肉も限界にきており、立ちすくむことしかできませんでした
すると、その声に驚いた母親が私のところに急いでやってきました
「えっどうしたの?」と声をかけた後に、私を見て、こう言いました
「えっ気持ち悪」
私はびっくりしてしまいました
自分がお腹痛めて生んだ子に向かって、気持ち悪、っていう?
でも、冷静に見れば、そりゃ気持ち悪いですよね。
だって、なんかムキムキな男が体重計にひれ伏して、なんか感極まっているのだから。それは気持ち悪い以外の何物でもないと思います。
母、正解です。
パンプアップした筋力とともに私はシュンとしてしまいました。
それからというもの、母の声は全く関係はないのですが、かなり目標を達成してしまった私は筋トレをしなくなってしまいました。
3%がでたのも、あの一瞬だけで、あれ以降は一切みたことがないです。しかもあれだけ筋トレ漬けの生活だったのを少しでもやめてしまうと、どんどん4%5%と簡単に上がっていきます。到達することよりも維持することのほうがずっと難しいことがよくわかりました。なので、スポーツ選手は本当にすごいと思います。
筋トレやってよかったこと
・筋肉が成長すると目に見えて体つきが良くなっていくので自信がつく
⇒自己肯定感というか自己効力感みたいなのが、抜群にあがります。予備校の友達に二の腕を二度見されて、えっめっちゃ太くなってない?って言われたのは、いまでも覚えています。
・普段の生活の辛いことをなんなく乗り越えられる
⇒自宅で筋トレする人は特にかもしれませんが、自分で負荷をかけていく必要があります。その負荷をかけることに慣れておくと、日常生活の辛いことなんて、余裕でできるようになります。なぜなら、あの辛い筋トレを耐え抜いている自分がいるから。
・強くなった気になれて、余裕が生まれる
⇒上の二つに似ていますが、自分が強くなったという意識は余裕を生むと思います。まぁなんとかなるかとポジティブな気持ちになります。(たしかにムキムキな人にネガティブな人ってあんまりいない気がします)
・一度、筋トレしておくと再開したときの筋肉がつきやすい気がする
⇒たまーに筋トレすることがあるので、筋肉がつきやすい感じがします。あとは基礎代謝があがるので、筋トレやめたあともあまり太ることがないです。(体質もあると思いますが)
一応、あえて、デメリットを言うなら普段着ていた服が着れなくなるぐらい体型が変わるとか、目標を見失ったときが辛いというのもあります。
それでも、やってよかったと思えるのが筋トレ。
忘れることのできない思い出となった筋トレ。
自分を好きになれる筋トレ。
気軽にも、突き詰めることもできる筋トレ。
自粛生活におすすめです。
この記事が参加している募集
最後までお読みいただき、嬉しいです!いただいたサポートでポンデリングとコーヒーを買います、絶対買います!これからもどうぞよろしくお願いします。