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そのまま、伝わってくる
むすこをベットに寝かせる
「あと60いっしょにおってー」
わたしを離さまいと、わたしの首に手をまわし、
ほっぺたをひっつけて言う
「わかった、60秒ね
いち、にい、さん……ごじゅう」
ほっぺとほっぺを引っ付けたまま、数え出す
「やっぱり、あと80びょう!」
「……ろくじゅうきゅう、ななじゅう」
「やっぱり、あと100びょう!」
わたしが数え出すと、すぐまた、
「やっぱりやっぱり、あとひゃくにじゅう!」
むすこ本人も自分の言っていることが、おかしくなってきて、つい笑いだす
「やっぱりやっぱりー…はははっ
あははははっ」
ひっついたままなので、むすこの笑う振動が
そのままわたしに伝わってくる
わたしの胸まで振るえる
むすこの振動がわたしの胸の奥まで
つたわってゆく
ふしぎ、
わたしの身体まで笑っているみたい